613 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage] - 2014/08/12 17:55:06.35 ex/V99Cio 1/14

今期やってるアニメ見てて思いついたネタを書き込もうと思うんだけど
ちょっとホモネタ多いかもしんないから
駄目だと思ったら名前欄の「今仁武礼甲」か俺のトリでNGしてほしい

>>612とは別人なんで、そっちは楽しみに待ってます

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-40冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379543420/
614 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 17:58:42.89 ex/V99Ci0 2/14

 春の夕暮れ、真っ赤に染まる公園の自販機前で私たちは対峙した。

(今日こそ……今日言わないでいつ言うの……今でしょ! いや、そうじゃなくて)

 これは何度目の告白だろうかと考える。いつも肝心なところで理不尽なアクシデントが起きるのだ。この男の持つ不幸体質のせいかと思うと腹立たしい。それはアンタの不幸じゃない、私の不幸だ! と主張したくなる。

「何だ? 話って」

 タイムセールが、とスーパーの方向ばかり気にしている視線を磁力でこちらに向けられたらいいのにと願い、そんな能力も打ち消されてしまうのだろうなとすぐに思い直す。

(あああああ、だからそんなこと考えてる場合じゃなくて!!)

「おい、御坂? 時間まずいし話なら後でもいいか?」
「よくない! まっ……私は、ずっと――」

 ――アンタのことが好きでした?

 過去形とか以前に何か違う気がする。

 ――私のものになれ?

 どこかの女王様みたいだ却下。

「ずっと……」

 私の立ち位置は何だ。こいつの後を追いかけて、隣に立って、時には叱咤激励して、走り続けるこのバカを支えたかった。

「ずっと……」

 ゆるく空を掴む右手に目が行く。私の告白も消してしまうのだろうか。

(そんなことはさせない。この想いは幻想なんかじゃないんだから……!)

 息を吸い込む。









「ずっと、ずっと…………アンタを応援してたんだから!!!」












615 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:01:51.52 ex/V99Ci0 3/14









(………………ちっっっっがーーーーーう!! 応援て! そりゃ応援はしてたけど! するけど! 違う! それは告白の言葉じゃない!!!)



 これでは伝わらないと項垂れてから見上げたウニ頭は間の抜けた顔を晒した後に、ポンと手を打って鞄から四角いものを取り出した。

(色紙……?)

 不思議に思う私の前でさらさらとペンを走らせて、出来上がったのは

「はい、それ」

 まさか御坂にバレてると思わなかったぜ、そういやお前よく読んでるよな、と一人納得するウニ頭。
 少し崩れた漢字の並ぶ色紙を見る私。

「えっと……これは……」
「え? 違う? 応援ってもしかして手伝ってくれる方?」

 何かが食い違っている。

「とりあえず、うち来るか?」

 しかしそんなことはどうでもよかった。
 先にスーパーに、と慌てる学ランの背を見る目元が火照っている。
 折れるほど抱きしめた胸元の色紙には、こう書かれていた。




 ――今仁武礼甲

 ――いつも応援ありがとうございます







 そして夕飯をご馳走になりつつベタ塗りを手伝った私の頭の中で、コンビニで読む少年漫画の作家の名前が結び付いたのは常盤台の寮へ帰り眠りに落ちようとした頃だった。

「あーーーー!! え!? まさかアイツが!?」
「ぉお姉様……何ですの……」
「お前たち今何時だと思ってる!!」






~月刊少年上条君1【その恋は、少年漫画化されてゆく。】~

616 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:05:39.50 ex/V99Ci0 4/14


「ねえ、漫画家ってもっとお手伝いがいるもんなんじゃないの?」
「いるぞ?」

 白いシスターはとある高校教師の家に遊びに行っているらしい。最近は友達も増えたとか。良いことだ。

「インデックスはあんま手伝ってくれないんだけど、どこそこの何とかって建物を描いてくれって頼んだら凄いスケッチ描いてくれるぞ」

 そして写真と見紛うスケッチを周りの絵と合わせて削っていくらしい。勿体無いが仕事というのはそういうものだろう。

「あとはトーン担当と効果担当がたまに来る」
「へえ~?」

 ちなみにそれは男か女かどっちよ、と気軽に訊こうとしてタイミングを逃す。

「お前会ったことあるだろ。夏休みの最後の日に俺と一緒にいた青い頭の」
「あー……」

 そういえばやたら青い頭を見たような気がする。私は視線を落とす。現実味のあるような無いようなバトルが繰り広げられているのだが、登場人物に既視感が拭えない。

「ところでこのキャラってモデルいたりするの?」

 指差したのは主人公。大喰らいでお人好しで主な攻撃技は拳と噛みつきの牧師。口癖は『咬み殺す』……いや、これは既視感じゃないわ。

「この口癖はタイムリーに問題あるでしょ」
「懐かしネタだな」
「有名過ぎて突っ込む気も失せるわよ」

 口癖はさておき全体像はというと、

「俺とインデックスを足して二で割った」
「なんで足したのよ」
「俺だけだと凡庸すぎて主人公には向かないって言われたんだ……はは」

 凡庸でも人助けくらいするさ、と遠い目をする家主に私は訊ねる。

「他にもモデルとかいたりするの?」
「うーん……やっぱしそのままってのは無いけど、足したり割ったり引いたりしながらなら結構いるかな」

 減る割合の方が多い気がするのだが、この男の周辺人物を考えると妥当なところかもしれない。

「……私もいたりする?」
「……」

 沈黙が落ちる。私には分かる。これは後ろめたいことがある時の沈黙だ。

「正直に答えなさい」
「正直に答えるから! 電撃はやめてくださいまし!」
「なによ、アンタには当たんないでしょうが」
「お前はうちの家電に恨みでもあんのか!」

 私より少し大きな右手が伸びて私の左手を掴む。

「怒るなよ……?」
「ば、場合によるわ!」

 常盤台のお嬢様の手を握るなんてアンタにはもったいない僥倖なのよ、なんて言葉は今更こいつには通じないだろう。誰とでも軽々と手を握るんだからこの――

「……こいつ」

 指差した先に描かれているのは主人公のライバルキャラ。作中でも人気の高いイケメンキャラだ。



 そう。男だ。


617 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:08:42.46 ex/V99Ci0 5/14



「……こいつ?」
「そう、こいつ」

 あのシスターが男性キャラに混ぜられている時点で薄々予想はしていたが。

「お前ってよく俺のこと助けてくれるし、かっこいいってイメージ強くて」

 それは悪い気はしない言葉だけど複雑だ。そしてあのシスターも主人公に組み込まれている事を踏まえ、浮かび上がる疑問がある。

 このヒロイン。

「ヒロインにもモデルっているわけ?」

 この質問には先ほど以上に目が泳いでいる。脂汗と顔色がやばい。

「いや、そいつは、えっと……その、……な?」
「なにが『な?』なのよ」

 この漫画のヒロインはただの悲劇のお姫様ではない。元々は悪の帝国側で好き勝手やらかしていた世間知らずのお姫様が作中のイベントを経て主人公とニアミスしつつ別の冒険路線を進んでいる。ある意味ではもう一人の主人公だ。

「そいつもたまに原稿手伝ってくれるんだけど……モデルにされてるとか知ったら嫌がるだろうし……」
「へえ……ちなみに私も知ってる人?」

 レム睡眠時か痙攣かという速度で目が泳いでいる。というより溺れている。

「ああ、うん……知ってる……な」
「よく来るの?」

 こいつ目線でヒロインって誰だ。それなりによく会っているはずの私やインデックスじゃない女の子――

「最近は来る回数も減ったかな。学校行くようになったみたいだし」
「なった? その子、不登校だったの?」
「色々と事情が複雑なやつでな……」

 いじめにでもあっていたのだろうか?

「本当その辺の事情は俺も詳しく聞けないんだよ。立ち入ったことになるし……」
「アンタにしては随分気を使ってるわね」
「難しいやつだからな……下手に訊いて地雷に触るとな……」

 お姫様扱いというよりは、かなり本気で危惧しているようだ。いったいどんな繊細な人間だ。


「扱いに困ることが多過ぎて、俺は心の中ではあいつを雪国豆腐と呼んでいる」


(……雪国、豆腐!???)

 雪国といえば昔ながらの色白美人が多いと聞く。そんな女子いたかと私は全力で記憶を掘り返した。

(雪国……つまり色白で、豆腐も白………………待って、そこ待って、白いってことと豆腐ってことしか分からないけど、一人思い当たるやつがいる)





 ピンポーン。




618 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:10:11.52 ex/V99Ci0 6/14


 チャイムが鳴る。

「インデックスが帰って来たのかな」

 はいはーい、と返事をしつつウニ頭が腰を上げる。

 ――予想以上に豆腐でした

 いつぞや妹達の一人に聞いた言葉が思い出される。

「あ、お前か」
「誰だと思ったンだよ。これ、あのシスターに」
「インデックスが出てるからさ。茶くらい出そうか」
「別にイイ」

 私は立ち上がり、玄関へ向かった。来訪者と目が合う。


「雪国豆腐!!!!」
「……斬新な喧嘩の売り方だなァ、オリジナル」










 地雷に触れると本当に怖いんだよ、と後で何度もウニ頭が呟いていた。



~月刊少年上条君2【新(ニュー)ヒロインをよろしくね♪】~

619 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:12:38.81 ex/V99Ci0 7/14


「うーん、うーん、うー……」

 夏の蝉のようにひっきりなしに呻いているのは、この部屋の家主だ。良いネタが浮かばないとかで私が来た時から唸っている。

(二人きりなのはいいんだけど……)

 私と入れ替わりにシスターが一方通行と一緒に出て行った。欠食児童の攻撃を見かねた第一位が奢ると言い出したからだ。しかも初めてではないらしい。

(化け物も丸くなるのねえ……)

 思うところはあるものの現状に不満はない。部屋に残った二人の仲を邪魔するのは原稿と締切と再来月のネームだ。邪魔すると同時に今の私たちを結びつけているものでもある。

(このまま時が止まればいいのに――)

「ただいまー! 腹八分なんだよ!」
「オイ、さっき満腹って言ったばっかだろ」
「帰る間に消化された分なんだよ」
「燃費わりィ……」


 願いとは虚しいものである。


620 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:15:54.37 ex/V99Ci0 8/14



「つーか、まだ新キャラで悩ンでンのかよ」

 缶コーヒーを開けながら一方通行が訊ねる。こいつもこいつでシスターの暴食をとやかく言えないんじゃないか。いつ見てもコーヒーを飲んでいる。

「その辺にいる奴でも適当にモデルにして作りゃイイじゃねェか」
「そうだよ、とうま! 私なんてどう?」

 既に物語に骨の髄まで組み込まれている二人が言うのを私も苦笑いで聞いていたが、助け舟くらいは出そうと思う。

「そこの二人は置いとくにしても、モデルなんてそれこそ沢山いそうなものじゃない」
「微妙に作風に合わないといいますか……この街のやつらキャラ濃過ぎるんだよ…」

 どっかに正統派の王子様みたいな軟派キャラいねえかな、と呟くのを聞いて携帯を操作するやつが一人。

「爽やか胡散臭い軟派キャラなら一人心当たりがあるぞ」


 まさかのヒロイン様から王子様の紹介である。


(ちょ、エンパイア・リリィ姫直々の王子様推薦……! アンタにはちゃんと主人公っていう相手が……いや、こいつとあのバカがくっつくのは阻止したいからいいのか! って、イヤイヤイヤイヤ違うでしょ! こいつらはホモじゃないんだから現実にくっつくわけじゃないし漫画の中くらい別に…………やっぱり嫌ぁぁぁぁああ!!)

 シスターが突ついてくる。

「短髪、どうしたの? 石みたいな無表情だけど」
「……女には冷静にならなきゃいけない時があるのよ」




 ピンポーン。

「来たか。さすが早ェな」

 どうやら先ほど携帯で呼び出していた相手らしい。一方通行が玄関まで迎えに行く。どうでもいいけど、ここの家主はアンタじゃない。

「あの……ここって上条さんのお宅ですよね」
「オマエら知り合いか?」

 聞き覚えのある声に硬直する私、興味津々という顔のインデックス、ぽんと右手で左の掌を打つ家主。

「そっか。こいつがいたな」

 来訪者と目が合う。

「あ、えーと……お久しぶりです、御坂さん」
「……お久しぶり、海原さん」







 後日、開いたノートに新キャラのプロットが書きっぱなしになっているのを見た。

 イケメンキャラであるガンレールに心酔している爽やか一途なホモの王子様というのは世界観を壊さないのか心配になった。



~月刊少年上条君3【女には、戦わねばならない、時がある。】~

621 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:18:02.09 ex/V99Ci0 9/14


 ドアを開けると女の子の声がした。





「それで、なんで御坂美琴様はこのワタクシめに電撃を撃ってきたのでせうか」
「しかも『この変態ー!!』なんて掛け声付きでなー」

 いつもより心なしかみすぼらしく見えるウニ頭の部屋で、飛んだ家具類を整えているのは土御門舞夏。私もよく知る家政学校の生徒だ。全く理解していない家主と全て理解しているメイドに挟まれて現在、私は絶賛反省中である。

「それで、うちの学校でやる演劇なんだけどなー」

 兄経由でこいつが漫画家だと知って演劇台本の相談中だったらしい。

(そりゃ早とちりした私が悪いけど……あんな声聴こえたらそりゃ誤解するでしょ……)

 手早く言ってしまうと二股男とその毒牙にかかったメイドの修羅場シーンだった。私は悪くないと言いたいけれど、一部の家電がお陀仏してしまったのは私のせいなので弁解はしない。

「この言い回しはどうなんだー、上条」
「え、変かな」

(……あ、嫌な予感がする)

「実際やってみるかー、御坂ー」

 蝸牛よりは少し早いくらいの速度で後ずさっていたことを後悔する。もっと全力で逃げればよかった。

「御坂は一日メイドやったことあるし、いけるだろー」

 言外にメイド役やるんだからしっかりやれとプレッシャーをかけてくるメイド見習い怖い。この子のメイドに対するこだわりは何なのか分からないが本気なのは身にしみて理解している。


「お、おかえりなさいませ! ご主人様!」



622 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:18:39.37 ex/V99Ci0 10/14




~三十分経過~



623 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:19:47.20 ex/V99Ci0 11/14



「我が天使、その花の顔(かんばせ)に触れるお許しを」
「わ、わ、私のような者にわっ、若様が、か、」
「御坂はなんで上条が恋人役だとズタボロになるんだろーなー。機械に喋らせた方がマシな発声だぞー」
「そんなに上条さんが恋人役なのは嫌ですか……」

(できるかあああああああああ!!!)

 通常のシーンは何とかなっていると思うのだがラブシーンは確かに自分でも酷い出来だと思う。というかジゴロ台詞をこの唐変木が話すのは違和感を突き抜けてぞわぞわする。

「もう一人メイド役が欲しいなー」
「俺、一人二役しようか?」
「いやー……」




 ピンポーン。ガチャ。


「うちのクソガキがシスターとどっか遊びに行ったらしィンだがオマエどこ行ったか知らねェ?」


 鴨だ。

 メイド見習いと家主の目が光った。




624 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:23:20.48 ex/V99Ci0 12/14


「よう。上がれよ。あの二人ならすぐ帰って来るって。コーヒー飲むか? まあ、そこに座って」

 家主に丸め込まれて鴨がコーヒーに口を付けたところで用件を切り出す。

「なあ、協力してほしいことがあるんだけど……」
「……何」

 さすがに怪しんでいるが今すぐ逃げようというほどではないらしい。

「俺ら今、台本の推敲しててさ」
「台本?」

 演劇というものに馴染みが無いのか私より察しが悪い。

「難しいことじゃないんだ。ちょっとこの台詞読んでくれたらいいだけ」

 人の良さそうな顔で紙束を手渡すウニ頭。案外、詐欺師の才能はありそうだ。

 渡された台本に目を通して電極を切り替えようとした左手を幻想殺しが取り押さえる。

「放せ……ッ! こンなもン読めるかッッ」
「やればできるって! お前飲み込み早いだろ?」
「飲み込むもンは選ばせろッッ!!」
「慣れないこともやってみるんだろ?」
「その経験値はいらねェ!!!!」

 能力抜きの腕力勝負でどちらに軍杯が上がるかなど火を見るよりも明らかだった。抵抗も虚しく、現在、家主の右手にしっかり掴まれた第一位の超能力者が項垂れて台本を読んでいる。

「声が小さいぞー」
「ォ、お帰りなさいませ、ご主人サマ」
「もっと敬意を込めてー」
「……お帰りなさいませ」
「そんなあからさまに主人から目を背けるメイドがあるかー。ちゃんと上条を見るんだぞー」

 たっぷり恨みの籠った視線が至近距離で向けられるが家主は笑顔だ。

(抵抗できないと分かると強気ね……)

 いいザマと思ったのも一瞬。あの距離は少し羨ましい。

(本人は災難と思ってるだろうけど)

 同情したり羨んだりする間にもプロのメイド見習い――矛盾しそうだが真実だ――の指導は続いている。

「それなー、主人に食われてからのメイドBの態度にはいいんだけどなー。初期メイドとしては不合格だなー」
「…………オマエらいったいどンな劇やってンだよ……」
「全部読むか?」

 家主の笑顔が眩しいのと反比例して通りすがりのメイドBは死に体である。夏至の太陽と赤道に連れて来られた南極ペンギンというところか。

「読まねェ……」

 舞夏がぱらぱらと台本を捲っている。

「今のいい感じにやつれた声なら、このシーンなんていけそうだなー」
「何もイイこたねェよ……」

 そして指定された箇所を読んで青ざめる顔と、既に突き抜けたやる気満々の顔が向き合った。

(相手のリアクションが大きいと悪ノリしちゃうやつの典型ね)

「いいかげん始めようぜ、超能力者。俺だってこんな二股男の役、好きでやってるんじゃないんだから」
「嘘つけ!! オマエぜってェ楽しンでンだろォが!!!」

 そしてどれだけ抵抗しようと活路は無い。

625 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage saga] - 2014/08/12 18:26:50.15 ex/V99Ci0 13/14


 見てるだけも飽きたのでキッチンでお茶でも淹れることにする。断じて男に嫉妬したわけではない。本当に。嫉妬なんかしてないんだからね! ……何度も言うと嘘のように聞こえるが本当に嫉妬なんかしていない。

「お前は俺のものなんだよ。今夜はこのベッドからは出られないものと思いなさい」
「ォ……おやめくださいご主人様」

 本気で嫌がっているのがよく分かる声である。羨ましいを通り越して可哀想になってきた。同じく給仕のためについてきた舞夏がキッチンから指示を飛ばす。

「もうちょっと大きい声でなー」
「よいではないか、よいではないかー」
「やめてくださいッ!! ご主人様ァ……ッ!!」




 バターン!!




「この変態ー!!!ってミサカはミサカはモーニングスター!!!!」

 キッチンの横を矢のように小さな影が通り過ぎて行った。そのまま勢いを殺さずにコンビニ袋を提げた腕を振る。

 いい音が鳴った。

 缶ジュース数本のフルスイングを顔面にくらって悶絶する家主。鼻息荒く仁王立ちする幼女。幼女に助けられた第一位の超能力者。重ねて正義の鉄槌を下そうとする修道女。

 姉妹というのは似なくていいところが似るものだなと初めて思ったかもしれない。

「あなた! だいじょうぶ? ってミサカはミサカはあなたの貞操を心配してみたり!」
「テイ……!? 違うッ! そォいうンじゃなくて――」
「とーうーまー!!」
「隠さなくていいのよってミサカはミサカは上条に乱暴されそうになってたあなたを慰めてみたり」
「いたたたたたたたたたたたたっ インデックス! 誤解だ! あれは演技で!」
「打ち止め! オマエら誤解してる! 上条は何も」
「演技で拘束する必要はあるのかな、とうま。私の目を見て、やましいことは何一つ無かったって本当に言えるのかな?」
「あなた、カミジョウをかばう必要ないのよってミサカはミサカは察してみる」
「打ち止めェ……」
「ふ、不幸だあああああああああああああああああああああ!!!!」



 シスターに噛み付かれて叫ぶウニ頭と、幼女に慰められて半泣きのモヤシ。台本以上の修羅場が出来上がっていた。







 翌日、プロットの書かれているノートに【潜入調査、ガンレール(女装)とリリィの二人がメイド姿で再会】と走り書きがあって漫画家ってしぶといなと思った。



~月刊少年上条君4【メイド&メイド】~

626 : 今仁武礼甲  ◆wapTtVzPxk[sage] - 2014/08/12 18:37:20.38 ex/V99Cio 14/14

ここまで。
久々にアホなネタ吐き出せた

たぶん今仁武礼甲さんの書いてる漫画にはガンレールの弟(ショタ)がいて
リリィ姫の将来の旦那になろうと狙ってるから主人公とはくっつかない

おそまつさまでしたー