33 : ◆H5zUb/XBr8n5[saga] - 2016/06/30 19:50:21.80 iA+ftUOh0 1/15逆転裁判×禁書で考えた奴のボツ
数スレお借りします。
僕の名は、成歩堂龍一。弁護士だ。
「成歩堂なんでも事務所」の所長をしており、事務所で忙しい毎日を送っている…。
そんな僕だが、今はその忙しさを忘れ、事務所を離れて羽を伸ばしている。
なぜなら……
「パパ、こっちこっち!」
「早くしないとみぬき、パパを置いてっちゃうよ!」
僕はマジシャンであり自慢の娘・成歩堂みぬきと共にイギリスに旅行に来ていた。
僕の事務所は基本的に経済的に苦しいのだが、今回は依頼人が依頼料として旅行券をくれたのだった。
普段旅行もいけなかったみぬきは飛び跳ねるようにうれしがった。
だけど、その旅行券は実は2人用だった。
そんな僕ら親子のことを心配して、事務所の所員の希月心音もといココネちゃんは親子水入らずとして僕とみぬきを送った。
正直、ココネちゃんの気持ちは嬉しいが彼女1人残して事務所を離れることは少し心苦しかった。
まあ、念のために“彼女”に事務所を見守ってほしいと頼んだから大丈夫だろう………たぶん。
実はイギリスに来るのは2回目だ。
あの時は国際弁護士協会の出張で来ていただけなんだけど……あの時は、色々あって観光所じゃなくって事件解決後にすぐに帰ることになってしまった。
今回はあの時の様に事件に巻き込まれずにのんびり観光を楽しもうと思う。
たまにはそういう日があっても文句は言われないはずだ。
「よーし!みぬきもこの期に海外デビューしちゃうよ」
みぬきも旅行中にマジシャンとしてイギリスに自分を売り込むつもりのようだ。
我が娘として本当にしっかりしている。
だから、この時は何の事件も巻き込まれずに楽しい旅行になりそうだ――――そう思っていた……。
きっかけは僕が財布を無くしてしまったことが原因だった。
いくら探しても財布は見つからずに交番にも届けがなかった。
みぬきのお金だけでは泊まることも難しく、このままだと昼食抜きじゃなく野宿になってしまう…
そう悲観になっていたその時――――
「お困りでございますか?」
1人の綺麗なシスターが僕に話しかけてきたのだ。
彼女の名は、オルソラ=アクィナス。職業はシスターをしているようだ。
天然な所があり、彼女は僕らの話を聞いて少し強引な感じで昼食に誘った。
僕は「いきなり出会ったばっかりなのにそんなことをしてもらうのは悪い」と言ったのだが、彼女との会話は噛み合わないばかりで疲ればかり溜まって説得は諦めることにした。
そうして僕らは彼女が住んでいる女子寮に入って彼女が作った料理をもてはやされた。
「どうぞ召し上がってくださいませ」
「やった!こんな美味しそうな料理を食べられるなんてまさに『不幸中の幸い』というやつだね!」
僕はみぬきの言葉に笑いながら、彼女が作ったパスタを食べた。
そのパスタは店で作ったものよりもおいしくって、思わず感動するくらいだった。
絶賛する僕とみぬきに対してオルソラさんはニコニコした笑顔で対応していた……。
オルソラさんから昼食を御馳走された後、彼女は僕達のために寝床を取ってくれるそうだ。
流石にそこまでは……と考えているみぬきが。
「パパ、こういう厚意は素直に受け取っておくべきだとミヌキは思うな」
…などと言うものだから僕は納得することにした。
女子寮のために僕を止まらせることが出来ないためオルソラさんはある人を僕達を紹介した。
その人はオルソラさんと親しい日本人の神裂火織(年齢はたぶん僕と同じくらいだろう)だった。
神裂さんは僕らに天草式十字凄教というイギリスにあるとある組織…グループを紹介した。
名前通りそのグループは日本街に住んでおり、日本人ばかりだという。
僕はそこまでしてもらうのは恥ずかしかったが、神裂さん曰く
『救われぬ者に救いの手を』
…という信念に基づいてお金がない僕達を助けるのは当たり前の事らしい。
それは僕の弁護士としての生き方と似ていると少し思った。
そんなんで僕は素直に彼女の紹介を受け、オルソラさん達に事務所の名刺を渡した後にみぬきと共に日本街へ向かった。
日本街で現れたのはみぬきより少し年上だと思われる五和さん。
そして、教皇代理という肩書きを持つ建宮斎字(たてみや さいじ)だった。
「女教皇から話は聞いているよな」
どうやら神裂さんからすでに連絡はいっていたようで、天草式十字凄教もとい天草は僕らをすぐに受け入れてくれた。
彼らも『救われぬ者に救いの手を』という信念を持っていた。だから、財布を無くして途方に暮れたていた僕達を受け入れるなんて普通の事のようだ。
「見ててください。3、2、1・・はい!」
「おお!!パンツから色んなものが!」
その日の夜、みぬきは天草の人々にマジックを見せていた。
みぬきはタダで泊まらせてもらうのもどうかと思い、マジックを始めたようだ。
…どちらかとこれだけの人数の人間にマジックを見せたいというエンターテイナーの血が騒いだ方が強いんだろうけど・・・。
「アンタの娘さん、中々やるな」
「でしょでしょ!自慢の娘なんですよ!」
僕はついつい声を張り上げてしまう。
みぬきは実の娘ではないとはいえ、可愛いものだ。
僕は自慢とともに建宮さんたちとともにお酒を飲みながら深夜まで語りやった―――
「うーん……頭がガンガンするなぁ……」
昨日はみぬきの話ポーカー勝負で盛り上がって酒が進んでしまい、僕は二日酔いになってしまっていた。
周りには自分と同じく酒に酔って倒れている男たちがいた。
僕はとりあえず洗面所に行って顔を洗うことにした
プルプルプルプルプルプルプルプルプル
「ん…?こんな朝早くから誰だろう?」
僕は携帯に出ている見慣れない番号を気にしながらとりあえず出ることにした。
「はい。成歩堂ですが…」
「な、成歩堂さんですか!?」
かけて来たのは神裂さんだった。
自分の電話番号を知っているのは昨日渡した名刺に書いてあった電話番号を見て電話したのだろう。
その声は昨日会った時は違って何か焦っているような声だった
「どうしたんですか?そんなに慌てて」
「お、落ち着いて聞いてください!じ、実は……」
神裂さんは何か少し言いにくい雰囲気を出しつつ重たい口を開いた――――
「おおおお、オルソラさんが殺人の罪で捕まったああああああ!!?」
それは僕にとって衝撃的な事実だった――――
それから僕はオルソラさんの弁護をすることになった。
僕に電話して来たのは、神裂さんが名刺を渡された時に「弁護もやっている」ことを言っていたことを思い出したかららしい。
そこら辺の弁護士に頼むよりも知り合いである僕に頼む方が信頼できるらしい。
……自分で思ってなんだけど一度しかあったことない相手に弁護を頼むはどうなんだろうか。
その日、僕はみぬきとともに留置所にいるオルソラさんの面会に行った。
オルソラさんは相変わらずの天然ぷりを発揮して、彼女が捕まっていることを忘れそうになった。
事件の事も聞いて、僕達がその場を立ち離れようとした時、彼女は僕に引き留めた。
その表情は何時ものオルソラさんには見られない少し曇った表情だった。
「あなた様は私が無実だと信じておられますか?」
「何を言っているんですか。当り前ですよ」
「警察の方々は『お前がやったんだ』と決め付けられて……」
自分の名前が付けられている「オルソラ教会」で事件が起きて、オルソラさんはその現場にいて、気絶していたのだ。
現場にはオルソラさんと被害者以外の人間がいなく、オルソラさんが疑われるのが普通だった。
だけど、僕は彼女に対してそんなことを一切考えなかった。
彼女の事を前から知っていたこともあるが――僕は孤独な人味方になれる唯一の存在が、弁護士だからだと考えているからだ。
だから僕は彼女が犯人だと考えずに彼女の無罪を信じる事にした。
「警察がどう考えていようが僕は依頼人であるあなたを信じます」
「そして絶対に無罪を勝ち取ってみせますよ」
「僕を信じてください。オルソラさん!」
僕は手を腰につけて自信満々で言うとオルソラさんは笑顔で答えた。
僕もうれしくってつい笑みを浮かべていた。
その後、面会室にお互いの笑い声が交差した。
……それを見てみぬきが「…うん。ありだね!」と言ったが…どういう意味だろう。
こうして決意を決めたのはいいけど、捜査はうまくはいかなかった。
すでに警察が調べていて、僕らが入る間がなかったのだ。
一緒に調査を行おうとしてくれた神裂さんに悪いことをしたと思ってしまう。
そうして時間は過ぎていき、ろくに情報を得ることが出来ないまま裁判の日になっていく――――
準備がままならないで裁判に挑むことは初めてじゃない。
こんなことは何度も経験したことがあるが正直心臓にいいものじゃないな…ホント。
「大丈夫ですか?成歩堂さん」
神裂さんが心配して僕に話しかけて来ていた。
彼女はオルソラさんの無実を証明しようとする僕に何かできることはないかと色々悩んでいた。
だからこの法廷の助手席で手伝ってもらうことを僕は提案した。
彼女に対して僕は余裕そうに笑った。「ピンチの時こそふてぶてしく笑う」…昔、大切な師匠から教えられた言葉だ。
「弁護士。そろそろ開廷の時間です」
そうしていると係官が開廷を知らせた。
「それじゃあ、行こう。オルソラさんの無罪を証明するために」
そして僕達は裁判への扉を開いた―――――
逆転裁判×とある禁書目録~成歩堂親子のイギリス旅行~
第1話「逆転教会」
47 : ◆H5zUb/XBr8n5[sage] - 2016/06/30 20:11:23.74 iA+ftUOh0 15/15投稿終わり。
逆転裁判とのクロスですが、性質上、逆転裁判の色が濃くってここで書いていいのか悩んでしまいました。時間軸は逆転裁判6の最終話後。
本来、予告で次回予告みたいなはずがダイジェクト版みたいな感じになって申し訳ない。
忙しいために考えていた一部だけ晒す感じに。
ちなみに神裂さんの年齢が判明後ナルホドくんは「火織ちゃん」と呼ぶ予定。
2話以降の担当検事を当てられたら2話の予告とか書くかも(ちなみに禁書キャラ)
お目汚し失礼しまた。
美琴とココネのターン