一方通行「頭に変な虫でも沸いたンじゃねェか三下ァ」
上条「三下じゃない。義兄さんだ」
一方通行「なァ、それは本気で言ってンのか?」
上条「あぁ、本気だ」
一方通行「……。意味分かンねェ」
上条「意味分かんねぇって馬鹿かお前は?」
一方通行「はァ!? 学園都市最高の頭脳の持ち主に向かってなに言ってンですかこの三下はァ!?」
上条「だから三下じゃない。義兄さんだ」
一方通行「いい加減にしねェと上半身と下半身を織り姫と彦星みたいにしてンやんぞォ!?」
上条「そんなことしてもいいのか? 打ち止めが悲しむぞ?」
一方通行「……チッ、命拾いしたなァ」
上条「それに一年に一回くっつくとか嫌だし」
一方通行「そンな微妙な心配してンじゃねェよ! クソッ、やってられるか……」スタスタ
上条「待てよ、義弟」グイ
一方通行「文字じゃ分かんねェけど、普通におとうとって呼ぶンじゃねェ!」
上条「じゃあなんて呼べば良いんだ義弟よ」
一方通行「だからおとうとって呼ぶンじゃねェよ気持ち悪りィ! いつも通り一方通行でいいだろォがよォ」
上条「無理だね。お前が義兄さんと呼ぶまで義弟と呼ぶのは止めない」
一方通行「馬鹿も休み休み言いやがれェ! 俺の台詞のほとンとが突っ込みじゃねェか!」
上条「馬鹿はお前だろ!? 俺と美琴は結婚したんだ! 美琴の妹の打ち止めちゃんは俺の義妹だ! その義妹とお前が結婚すんだ。俺らは血の繋がりがなくても家族になるんだよ!」
上条「打ち止めちゃんは美琴と同じでほんとにいい子だよ。打ち止めちゃんはな、俺のことをちゃんとお義兄さんて呼ぶんだぞ!? その打ち止めちゃんに出来てお前は出来ないってのかよ!?」
上条「お前はいつまでも子供の思考回路のまま三下なんて汚い台詞を引きずって打ち止めちゃんに恥をかかせる気かよ!? ちったぁ大人になりやがれ! いつまでも打ち止めちゃんに甘えてんじゃねぇよ!」
上条「いいぜ、お前が余程の馬鹿でそんなことにも気づかねぇってなら、俺は義兄としてその腐った幻想をぶち壊す!」
――ドゴォ!
一方通行「がはァ!!」
上条「あ、」
一方通行「……いてェ」
上条「すまん、つい力が入って……。大丈夫か?」
一方通行「いてェ、いてェよ義兄さン」
上条「おぉ! ついに俺を義兄さんと呼んでくれるのか!」
一方通行「……あァ。そういえばよォ、俺、兄弟がいたらやってみたかったことがあンだよ」
上条「いいぜ、なんでも付き合ってやるよ! で、なにがしたいんだ?」
一方通行「兄弟喧嘩」
上条「え……?」
一方通行「もちろん付き合ってくれるよな、ァおにィィィィさァァァァァン?」ニタァ
上条「いや、待て! 例え兄弟であっても喧嘩や争い事は良くないと思うんだ!」
一方通行「渾身の右ストレート殴っといてそりゃねェよなァ、おにィィィィさァァァァァン?」カチッ
上条「落ち着け! 電極のスイッチ入れちゃ駄目、駄目なの、駄目なのです!」
一方通行「うるせェ。歯ァ食いしばれよ愚兄、愚弟の一撃は脳髄まで響くぞォ!!」
上条「翼が! 家が! 俺が! 不幸だあぁぁぁぁぁ!!」
おわり