783 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] - 2010/06/16 00:00:09.49 H.jpee.o 1/8遅くなったけど>>1乙
もう忘れてる人も多いと思うけど
6レスほどもらいます
土御門「幻想少年!!」
http://toaruss.blog.jp/archives/1008448244.html
土御門「幻想少年!!!」
http://toaruss.blog.jp/archives/1008449816.html
愛情エンド一位。現在、学園都市でここに辿り着いた者は彼女一人。
購入した者の大半がクリアしたがその多くが友情エンドを迎え、愛情エンドを迎えた者もそんなにいない。
その中の最高位に、彼女は真っ先に到達したのだ。
「多分特別なことはしてない。……と思う」
さっきから質問攻めにされている姫神は戸惑い気味にまず答える。
というか自身も今日になってからこのエンディングが希少なものだと知ったし、そもそもゲーム自体の経験も全くといって
いいほど無かった。初プレイでまさかこんなことになるとは。
しかし、そんなことはお構いなしに、クラスメート達は姫神から攻略の手引を得ようとどんどん迫ってきて、
姫神には意味のよくわからない質問もあったが、とりあえずはとそれに答えていく。
難易度はいつものを選び、プレイ時間も集まった中の平均的で、ミニゲームのスコアも比べて悪くはないといったところ。
会話パートもまるで、普段、上条君と話しているのと差は無く感じたし、これだというきっかけのようなものは特に無い思う。
通ったルート、それも同じく愛情エンドに進んだ者たちと終盤こそ違ったがほとんど一緒。選択肢も大体そうである。
あとは? 初心者なりに真面目にプレイしたくらい。
ヒントになりそうなものは薄い。それでも周りは何かあるはずと訊くことをやめない。やがて質問は、
「で! で! 最後どんなエンディングだった?」「待って!!? ネタバレやめて!!」
「!! えっと。……――」
ついにそう訊かれて、姫神はほんのりと頬を染め、ごにょごにょと言葉を濁し始めた。
『〝愛してる……〟、〝好きだ……〟、〝お前しか見えない……〟…………』
そして…………、…………。
恋愛感情にとんと疎い上条当麻、だがそのギャップ。彼からの告白(もちろんフルボイスで)や、本当の恋人同士がするような
甘い展開のイベントの数々。
回想するだけで悶えかけ、説明なんて出来ず。なにより、その時の……、自分の姿といったら……!
あまりの恥ずかしさで黙って俯いてしまう。ただ口元は綻んじゃう姫神可愛い。
平素、感情の変化が少ない彼女の新鮮なその様子は、見ている者達にあれやこれやと妄想を掻き立てさせた。
「に、しても……、まさか秋沙がねぇ~、ホント驚きだわ」
「で、でも! ゲームだし! 現実の上条君とそんな関係になったわけじゃ――!」
「そりゃそうだけど……」
一人が嫉妬混じりにそんなこと言った時。 教室に、上条当麻は、戻ってきた。
空気は変わり、少女達は口を閉じて、お互いを牽制しあうような緊張感が作られる。
上条は、ふと視線を感じて、いつも以上の大所帯になった女子の一団を一瞥し「??」とした表情をする。しかし、
〝自分がゲームになって 彼女達に攻略されている〟 なんてことを知らない彼は、特に気にせずそのまま自分の席に着き、
昼休みが終わるまでの間、一眠りでもしようと机に突っ伏した。
それと同時に姫神はスッと立ち上がる。姫神は静かに、ある決心をしていた。女子達の視線がまた彼女に集まる。
(朝からこの時を。ずっと待っていた)
今朝から彼の姿を見るたびに抑えるのが大変だった。
(大覇星祭のあの日。無理だと。自分で言っていたあの日)
(模擬戦闘は。完璧)
周りなど気にせず、今日は頑張ってみようと思う。
小さな魔法の巾着を抱え、第一歩を踏み出す。
上条の一つ前の席を借り、向かい合うように座ってお弁当を広げると、その気配に上条は気付いて顔を上げた。
「……姫神?」
―――――――――――――――
同日、常盤台中学寮。御坂、白井の部屋。
その夜、御坂美琴はイラついていた。
ビリビリと危ない放電をしながら携帯端末で見ているのは例の掲示板。
スレッドはどこからか認知度が上がり人も増え、そこそこ役立つところになってきた。
そこは今、一つの話題に関する書き込みで白熱している。
『愛情エンド一位を出したものが現れた』
(落ち着きなさい私……、冷静になれ……。嘘の情報に踊らされ、一周無駄にしてしまったことを忘れたの?)
現在、三週目に突入。
実は、ここに書き込まれた全くのデマを信じ二週目は失敗に終わった。あまりの怒りに彼女はスレを荒らして規制対象に
なってしまい。今はハッキングすることでそれを逃れている状態である。
『どんな子なの?』
『上条と一緒のクラスの子。転校してきた子で可愛いけど大人しくてそんなに目立たない感じの――』
バチンッ!! と少し大きめの電流が走る。
後方でおろおろとする黒子など眼中になくスレを読み進める。
(ああ……、どこのどなたか存じませんが、これ以上お姉さまを怒らせないでくださいまし……)
このニ、三日、部屋にいては心の休まる時間がなかった黒子は呟くように願った。
だがその願いも空しく……。
読み進めていくうちに、さらに電流の勢いは増していく。
『――で、今日の昼休みなんだけど、その子とね上条君がお弁当をね――』
バチバチと雷を纏い始め、
『午後の授業もずっと幸せそうな雰囲気出しちゃってさ――』
次で爆発する。
『イギリスで愛情エンド一位出たんだって!!』
「不幸ですわ……」
―――――――――――――――
同日、ロンドン、聖ジョージ大聖堂。
「行きましょう、ステイル。時間が惜しいので」
「ちゃんと任務の内容を聞いていたのか神裂? 今回の任務は危険な魔術師が何人も……」
「わかっています、行って全員倒してしまえばいいのですよね。わかっています、早く行きましょう」
「いや、だから入念な下準備が……」
「早く行きましょう、日中は一分一秒たりとも時間を無駄にしたくはないのです」
「おっ、おい!?」
「仕事熱心になりしは実に良き事にありけるわね」
791 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] - 2010/06/16 00:09:42.90 H.jpee.o 8/8続くかも、それより前スレの姫神祭りに乗り遅れたことが無念だ!!