849 : 浜面と麦野SS1[sage] - 2010/09/22 15:05:07.10 IYbPan20 1/13

「はぁ、疲れた。残敵処理もこれで3日連続かぁ~。疲れたわ」

と愚痴をこぼすのは学園都市第四位の実力者の女性、麦野沈利だ。

彼女の能力は


《『粒子』又は『波形』のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を、

その二つの中間である『曖昧なまま』の状態に固定し強制的に操ることができる。》


というもので、どんな障害物があったとしても減速せず対象にたたきつけることが出来るという強力な戦闘力を保有している。


麦野は残敵処理を終え、学園都市の裏路地から出た。するとタイミング良く大型のワゴンが止まる。車高を若干落とし、ギラギラしたアルミホイールを履き、中にはモニターをいくつかつけたいかにも派手好きな若者が好みそうなカスタムだ。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-14冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1283761119/
850 : 浜面と麦野SS2[sage] - 2010/09/22 15:06:06.41 IYbPan20 2/13

“確かこれって現行のワゴンよね?確かVellなんたらって言った気が…”

と麦野が考えてると助手席のミラーが「ウィーン…」と開く。


「麦野お疲れ!乗ってくれ」

麦野に車に乗るように促したのは浜面仕上。彼は趣味は機械いじりという名の車上荒らしが得意技である。


麦野「こんなに大きい車よくパクってこれたわね。浜面」

助手席に乗りながら浜面に対して麦野は若干の感嘆を込めて言う。

すると意外な言葉が返ってきた。

浜面「いや、これ俺が今までコツコツためた金で買ったんだよな。ローン組んで買っちまったよ」


などと他愛のない話をしつつ浜面はサイドミラーを見つつ車を街道に乗せる。

浜面「ほらよ」

と助手席にすわっている麦野にジュースを渡す。


麦野「ん。ありがと浜面。え?凝縮飲料SURVIVAL1?何これ…」

浜面「なんか美味そうだったから買ってみたんだけど、どうだ?」

851 : 浜面と麦野SS3[sage] - 2010/09/22 15:07:32.90 IYbPan20 3/13

麦野「うーん。正直あんたのセンスを疑うわ…」

浜面「わりわり!ここの近くにコンビニなかったからさ。

自販機見たら旨そうなのあんまなくてさ」


浜面は片手で運転しつつもう片方の手をip○dに伸ばし、

コードで接続されているカーステレオから音楽を流した。


見た目健康優良不良少年の浜面が好きそうなヒップホップの音楽が流れてきた。

普段麦野はこういう曲は聞かない。


浜面「にしてもお前最近ほんと“電話の女”からの命令多すぎだよな。無理すんなよ?」


麦野「わかってるわよ。あー疲れた」



♪~Me and you 

見る different view

街は Untrue

同じ色求めてる

誰にも支配されない

自分だけを生きたい

A ha ha ha ha ha! I don’t care what they say yeah…♪


浜面の運転している車が夜の学園都市を走っていく。

852 : 浜面と麦野SS4[sage] - 2010/09/22 15:08:59.18 IYbPan20 4/13

学生たちは完全下校時刻を過ぎるとほとんど寮に帰ってしまう。


こんな遅い時間帯に外を走っている車は

大学生や学園都市で勤務している人たちだけだ。


学園都市の超高層ビル群の上の赤色灯がコウコウチカチカと光っている。


浜面「あー、聞いてなかったけど、送る先は学校の近くの麦野の寮でいいんだよな?」


麦野「あぁ、そこでお願いするわ。ここからだとちょっと遠いけどお願い」


あぁ、いいよ浜面は返す。


浜面の選曲で流れるhiphopを流しつつ麦野の学校近くの寮に向かっていく。


♪~躊躇することはない前に歩こう

今日傷ついたなら今日忘れろ

それでもだめなら鳴らすなスコール

ドカッと流し込めアルコール

考えたってしょーない~♪


麦野「あぁ、そうだ浜面。酒飲まない?明日私暇だから、

今日の夜ちょっと付き合ってよ。最近疲れちゃってお酒飲んでないからさ」

853 : 浜面と麦野SS5[sage] - 2010/09/22 15:11:18.27 IYbPan20 5/13

浜面「あぁ、構わないぞ。じゃ寮行く前にコンビニ寄ってくか」


浜面の偽造免許証で酒を購入すると、車に再び乗り込んで麦野の寮へ向かう。


♪I wonder if they will ever know I’m dead…

Why am I fighting to live,

If I’m just living to fight …

Why am I trying to see,

When there ain’t nothin in sight…


(私が死んだからといって

人がどう感じるというのだろうか

闘うために生きているとしたら

なぜ生きるために闘わなくてはならないのか…

どうせ先には何も見えていないのに

なぜ見ようとしているのだろう)♪


麦野は考えていた。“なぜ生きるために闘うのか…か。”


麦野は金銭面に関しては全く不自由していない。


学園都市暗部の組織「アイテム」で手にした巨額の金を得た事

と生まれながらにして裕福な家庭に生まれたこともあるからだ。

854 : 浜面と麦野SS6[sage] - 2010/09/22 15:13:15.23 IYbPan20 6/13

しかし、生活面や体調面ではここ数日間で残敵処理

をほぼ単独で行ってきた事で相当疲れていたし、

何より人を殺しすぎた。


今までもたくさんの人を殺害したが、

任務であると自分の心の中で割り切ってしまっていたから

別段人を殺すという事に抵抗はなかった。


麦野「何か生活してて物足りない感じなのよねぇ…」


つい独り言をつぶやいてしまった。

浜面が、ん?と言ったが、あぁ、なんでもないと麦野は濁した。


♪~都合よく憩う 都合よく意気揚々と生きよう 強く生きよう♪


軽快なJazz調のリズムにのったポジティブな歌詞の曲が流れてきた時麦野の寮に着いた。


麦野「あ、Vellfireここらへんで止めちゃっていいわよ」

と車道のはじに車を止める。IDカードで走査が終了し二人は寮に入る。


浜面「うわー、お前の寮デカイな!しかも服とかバックとか半端ない量あるな。香水や化粧品もいっぱい…」


麦野「あーそこらへんの奴は買って整理してないからごめん散らばっちゃてるね」


浜面「え?まだ他にもあんの?」


麦野「クローゼットにもたくさんあるよ。買うだけ買って後は着ない服が多いかなぁ」



浜面でも知ってるブランドもたくさんあったが、

さらに高そうな服がごまんとおいてあった。

ヴィトン、コーチ、グッチ、バーバリー、シャネル、さらに学園都市限定の高額ブランドも多数あった。

855 : 浜面と麦野SS7[sage] - 2010/09/22 15:14:47.75 IYbPan20 7/13

麦野「私今からお風呂行ってくるからちょっと待ってて」


浜面「あぁ、分かった。」



・・

・・・

いつの間にか浜面は眠ってしまった。

おーい、おーいはーまずらぁ。起きなきゃ原子崩しだぞぉ☆ニコニコ

浜面「うーん…わり、少し寝てたみたいだ…飲むか」


麦野「そうね。最初は何がいい?ビール?」


浜面「あぁ、ビールで。サンキュ」プシュ キュポン


麦野 浜面「じゃ、カンパーイ!」


深夜、ささやかな飲み会が始まった。


麦野はここ数日連続して起きている任務で疲れているせいか酒を浴びるように飲んでいる。


その飲みっぷりは浜面を驚かせた。


浜面「おいおい、大丈夫かよ?

色んな酒飲みすぎだろ…日本酒、ビール、赤白ロゼワイン、やけ酒か?」


麦野「そうよ!悪い?さっきあんたがかけた洋楽聞いて思ったのよ。

生きるために何で闘うのか!?

どうせ生きるなら楽しく過ごしたいわ!ってさっき思ったのよ!

暗部の仕事とかめんどくさくてさっさと辞めてやるわ!あー、酔ってきたw」



856 : 浜面と麦野SS8[sage] - 2010/09/22 15:16:15.29 IYbPan20 8/13

浜面「おーい、麦野ぉ?大丈夫か?」


麦野「私はぜんっぜん大丈夫よ!あんたもっと酒持ってきなさい!

はーまずらぁ。早くしないとそげぶすんぞぉ!!」


浜面「そげぶ?」


麦野「そのゲロをぶちまける!!」キリッ


浜面「勘弁してくれ!今ここで吐くな!少しは休み休みのめ!駄目だ…言葉が通じねェ…」


浜面も麦野には及ばないがかなりの量の酒を飲んでいた。

それは麦野の無茶ぶりに付き合わされていたからだった。

浜面も相当酔いがまわりすでに出来上がっていた。


浜面「ふぅ…もう酒ないぞぉ!むぎのんww」


麦野「勝手にあだ名で呼ぶんじゃねぇ!童貞はーまずらぁ!!」


ソファにドカッと座っている麦野。


かわいらしい小さいピンクの机を隔ててカーペットに対面していた浜面。


麦野「ねぇ、こっちきなよ浜面ぁ…」


泥酔しているのだろうか?いつもの麦野からは想像できない甘い声が聞こえてきた。


麦野程酒を飲んではいないが若干の酔いがある浜面は麦野のソファに向かった。


857 : 浜面と麦野SS9[sage] - 2010/09/22 15:18:05.07 IYbPan20 9/13

白い大きなソファのはじっこに座ろうとした浜面。その時


麦野「はぁ?あんた私はかよわいレディで最強の原子崩しこと!

麦野沈利様よ?もっと近くに来なさい!」


と言われた。はいはい。

と矛盾に満ちた麦野の発言に突っ込まず浜面が返事をし、横に座る。


麦野「寒い」


浜面「カーディガンはおるか?」


麦野「いい」


浜面「じゃどうすりゃいいんだよ」


麦野 ダキッ


浜面「む、麦野?」


麦野「あんた知ってる?アイテムのやつらみーんな浜面の事好きなんだよ?」


浜面「は?あいつらが?ありえねぇだろ!俺なんてただのパシリだしさ…」


麦野「あくまで私から見ただけだから何とも言えないけどね」


麦野の体は思ったより小さかった。

学園都市第四位の強さを誇りながらも酔えばただのかよわい女の子に戻ってしまう。

そしてそんな女の子、麦野沈利をかわいいと思ってしまった浜面仕上。


浜面「ってかアイテム皆が俺の事好きって言ったけど、麦野もなのか?」


浜面は聞いてしまった。酒で酔っていたこともあるだろう。なんとなしに興味本位で。

858 : 浜面と麦野SS10[sage] - 2010/09/22 15:20:05.50 IYbPan20 10/13

麦野「好きよ?」


浜面「は?」


麦野「うん。あんたの事大好きよ」


浜面“あれ?さっきまでこいつそげぶとか言ってアホみたいに酒飲んでなかったっけ?

何でいきなり酔いがさめてんだ?


しかし、最大の問題は麦野が俺に告白したって事だッ”


麦野「あんたがアイテムに入ってから車の送り迎えとか、

ファミレスで話たりしてる間にあんたの事面白い奴だなって思って、

そっからだんだんあんたに興味湧いてきたのよね。

んで、今は浜面の事いっぱい知りたいって思うわけにゃー☆」ウインク☆


浜面の頭は沸騰寸前だった。

“こんな美人でレベル5の麦野沈利が無能力者の俺に好意を抱いてる?

いや、それは確かに嬉しい事…けどいきなりすぎじゃないか?

いや、それは恋は突然にだし、恋のから騒ぎ出し、え?バルス!もう意味分からねぇ!

これが幻想ならぶち殺してくれぇぇぇ!!”


麦野“あー、酔ってる乗りで言っちまったわ。フレンダ、滝壺、絹旗ごめんね!”


浜面「俺も、お前の事…すげぇきれいだし、かわいいし、いいにおいすると思ってる」カァ


麦野「いいにおい!?つまりどうゆうことかにゃー☆はまづらぁ☆」


浜面“その言葉遣いと上目遣いは反則だろ…!”


浜面「その、まだお前の分からないこと沢山あるけど、付き合ったりしてみるか…?」


麦野「いいの?はーまずらぁ?私レベル5でちょっと他の人よりおかしいところもあるし…それにレベル5だから迷惑かける事もたくさんあるかもしれないし…」


浜面「レベル5とかどうかは関係ないだろ。要はうちらが両想いならそれで問題ないはずじゃねぇの」


麦野「…うん。でも、本当に、本当に私でいいの?

アイテムのメンバーで私よりかわいい奴ばっかだよ?

フレンダは金髪で目が青くてほりが深くてきれいだし、絹旗はまだ中学生だけど、

かわいげがあって、滝壺だっていつもはぼんやりしてるけど、

決して悪口とか言わない子だし、私より、あッ…」


浜面「俺はお前に惚れたんだから関係ない」チュ


浜面と麦野はキスをした。しばらくして唇を離す。

859 : 浜面と麦野SS11[sage] - 2010/09/22 15:21:39.70 IYbPan20 11/13

麦野「情けないこと言ってご、ごめん、あ、後、ありがとう」


浜面「お前に悩んだ顔似合わないって。笑ってろよそっちのほうがその…あの…可愛いです」カァ


キスまでして何照れてんだかと思う麦野。


アイテムの面々にはまた今度場を設けてちゃんと付き合った事を言おう。


浜面「お?もう5時かそろそろ行くか。麦野今眠い?」


麦野「ちょっと眠いけど、どうしたの?」


浜面「いい場所があんのよ。よかったらいかね?」


麦野「いいわよ?どこなの?」


浜面「秘密!あ、顔洗っていいか?ベタベタしちまってさ」


麦野「あぁ、そこにある洗顔使っていいわよ」


洗顔が済むとエレベーターで下に降り、Vellfireのドアを開ける。


外に出てみるとわずかに空が明るくなってきていた。


日の出まであと1時間くらいだ。

860 : 浜面と麦野SS12[sage] - 2010/09/22 15:24:03.70 IYbPan20 12/13

浜面「じゃ行きますか」

キーを回すと勢いのいいエンジン音が。ブォォン


麦野「浜面の好きな曲かけてよ?」


はいよと答える浜面はipodに手を伸ばす。


♪~It’s Friday I want to play, on Saturday don’t want to stay , at home

Thinking of you so let me party all night long.♪


♪~I’ve been waiting for so long ねぇ、ホントにそれでいいの?

Broken promises,甘い言葉に誘われて yeah~♪


学園都市の夜が更けようとしている時に浜面と麦野を乗せたVellfireは軽快に走って行った



高速に乗ると学園都市と23区のゲートを越える。

レベル5の麦野は浜面がかつて作った偽造免許証でゲートの認証を通過できた。


麦野「どこまで行くのかにゃー☆浜面クン!」


浜面「レインボーブリッジ。多分この時間だとレインボーブリッジ渡る

ときにちょうど日の出だぞ。あとその話し方反則だからやめてくれ…かわいすぎる」カァ


861 : 浜面と麦野SSラスト[sage] - 2010/09/22 15:27:28.29 IYbPan20 13/13

カーステレオからは浜面選曲の曲が流れ続けている。


今度カラオケデートした時に歌ってやろうかな?と麦野は考えていた。


♪~誰の為でもない…

自分との戦いをいつまでも

後戻りはできないよ 今からじゃ

負けるわけにはいかないよ

変えることのできない 運命 抱き締めちゃおうよ~♪


学園都市を出て40分ほど経過し、見えてきた。太陽の明かりが微妙に出てきている。


間に合うか?と内心懸念していた浜面。


♪~you bring light in… ~♪


♪~step back it’s Ridge Racer…Ridge Racer

He gives me what I need

One more win it’s ridge racer…ridge racer

I feel the need for speed~♪


麦野「あ!」

浜面「お!」


二人がレインボーブリッジに差し掛かった時にちょうど日が昇ってきていた。


麦野「きれい…すごい。日出なんて殆ど見たことなかったから…」


浜面「確かにそうだよなぁ。自分の悩みとかどうでもよくなるぜ」


麦野「今日はありがとね。浜面」


浜面「また今度二人でどっか行こう。これからはよろしくな。麦野」


麦野「うん。大好きだよ。浜面」チュ


おしまい。


いろいろどうしようもなく駄目な作品ですが、

麦野と浜面っていう組み合わせが最強だからいてもたっても

いられず書いてしまいました。

すれ汚し本当に申し訳ございませんでした。