絹旗「……超ヒマです。観たい映画もないですし」
打止「あーあ、ヒマだなあ、あの人は出かけちゃったし……ってミサカはミサカはため息ついてみる」
ドンッ
打止「きゃっ!」
絹旗「……何かチビが超ぶつかりました」
絹旗「どこ見て歩いてんですか。その目は超飾りなんですか?」
打止「そ、そっちこそ不注意だったじゃない、ってミサカはミサカは怒ってみる!」
絹旗「ぐぬぬ」
打止「ぐぬぬ」
上条「おやアレは……よお打ち止め。こんなところでどうしたんだ?」
打止「あ、ちょうどいいところに助け舟! ってミサカはミサカは喜んでみる!」
絹旗「なんか超ウニ頭が出てきました。超めんど臭いです」
打止「この人がぶつかっておいて失礼なの、ってミサカはミサカは自分を棚にあげてみる!」
絹旗「自分を棚にあげてみるって……超自覚してんじゃねーですか」
打止「全く非を認めないあなたよりはマシだよね、ってミサカはミサカは非難してみる!」
絹旗「生意気です超チビのくせに」
打止「あなただって子供のくせに! ってミサカはミサカは……」
絹旗「語尾長いです、超マヌケです」
打止「そっちこそ超超うるさい町長なの!? ってミサカはミサカは言い返してみるっ」
上条「まあまあ落ち着けよ打ち止め……そっちのお前も許してやってくれよ」
二人「ムカムカイライラ」
上条(ところでこっちのコは誰だ? 打ち止めの友達かな)
上条「……まあ、大体の事情は分かった。不注意でぶつかっちまったんだよな?」
上条「でもなあ、それくらいでケンカするなんて。……さてはお前ら、腹減ってるんだろ?」
二人「……は?」
上条「腹ぺこはいかんよな、腹ぺこは。ウチのシスターも腹が減るとイライラしだすからな」
上条「と、いうわけでだ」
上条「――――お前ら、オレの家でパン作ってけ」
打止(パンツ――――!?)
絹旗(――――食ってけ!?)
打止(ヤバいよヤバいよこの人が変態だったなんてミサカネットワークにも書いてなかったよ、
ってミサカはミサカはとりあえず新情報を一斉送信してみる)ガクブル
絹旗(キモいです超キモいですガキにぶつかっただけなのにこんな超変態が出てくるなんて超キモいです)ガクブル
上条(うむ、いがみ合う二人を共同作業させることで仲直りさせつつ、
美味しい物で思い出づくりさせる……素晴らしい作戦じゃないか)
絹旗「キモいです! 超近づかないでください!」
上条「なっ――!?」ガーン
打止「さすがのミサカもそれは無理かもってミサカはミサカは後ずさり……」
上条「ななっ――――!?」ガガーン
上条「……そうか、お前らも『男のくせにパン作っちゃうなんてキモい』とか言う気だな?」
絹旗「それ以前の問題だって気がついてない辺りが超キモいです」
打止「男も女も関係無しにパンツ食ったら変態かも……ってミサカはミサカは想像しただけでおぇっぷ」
上条「馬鹿な。パン作って何が悪いっていうんだ?」
打止「むしろ何でパンツ食っちゃうなんて発想になったのか分からないってミサカはミサカは混乱してみる……」
絹旗「超食べ物じゃない物を口に運ぶ神経が超理解出来ないです。この超変態」
上条「……オレもな、同居人にせがまれて初めてパン作ったときは面倒クセェなぁと思ったよ」
絹旗「何いきなり超語りだしてんですか」
上条「しかもいざ挑戦してみると大失敗だ。とても食べられたもんじゃなかった」
打止「当たり前だと思うよってミサカはミサカは呆れてみたり」
上条「でもな……その同居人は美味しい美味しいって、オレのを食べてくれたんだよ」
絹旗「やべぇ超キモイです」
上条「オレは止めたよ。無理すんなって。でもアイツはさ
『とうまが一生懸命パン作ってくれたんだから、美味しくないはずがないんだよ』って言ってくれたんだ」
上条「それでようやく分かったんだ。重要なのは、味とか食感なんかじゃなくて……大切な人を想う気持ちなんだよ!」
打止「うん……よく分かるよ。大切なのは気持ちだもんね……ってミサカはミサカは納得してみる」
絹旗「あれ? 超納得しちゃうんですか? 超急展開です」
上条「なあ、お前らにはいないのか? 大切に思う大好きな人っていうのが」
打止「み、ミサカはあの人とか、それに、あなたとか大好きだよってミサカはミサカは言ってみる」テレテレ
絹旗「なに超告白してんですか。超毒されちゃったんですか」
上条「そうか、そいつは嬉しいな。じゃあオレと一緒にパン作ってくれるか?」
打止「う、うん! 愛情たっぷり込めてパンツ食ってあげるってミサカはミサカは承諾してみる!」
絹旗「ちょっと意味わかんないです」
上条「そっちのお前はいないのか? 一緒にパン作ってくれる大切な人ってのがさ」
絹旗「……超いないですよそんなの」
絹旗(一瞬、シャケ弁パンツとか鯖缶パンツとか超わけのわからない光景が浮かびましたけど)
上条「分かった。ならこうしよう」
上条「――――俺がありったけの思いを込めて、お前のパン作ってやる!」
絹旗「え…………?」ドキッ
上条「だからお前は俺のためにパン作ってくれ!!」
絹旗「ええええっ!?」ズキュゥゥン
絹旗(そ、そんな――そんな超思ってくれる人なんて超初めてです)
絹旗(俺のためにパンツ食ってくれ、だなんて)
絹旗(これはいわゆる、超、プ、プロポーズというやつですか!?)
絹旗「で、でも、パンツ食ったことなんて超ないですし」
打止「ミサカも……あなたのためならパンツ食ってもいいかもって思うけど
……したことがないのってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」
上条「大丈夫だ!」
上条「――いいぜ、お前らがパン作ったことないっていうのなら」
上条「まずはそのふざけた幻想をこんがり焼き上げます」
打止「やだ……すっごくカッコイイよってミサカはミサカは……身体が火照っちゃう///」ポーッ
絹旗「こ、こんな気持ちになるなんて超初めてです……超パンツが台なしになりました///」ジワッ
上条「ところで、お前の名前まだ聞いてなかったな。俺は上条当麻、よろしくな!」
絹旗「き、絹旗最愛です。ふつつか者ですが超よろしくお願いします」
打止「ミサカは打ち止めって呼ばれてるよ!よろしくねキヌハタ!ってミサカはミサカはお辞儀してみる!」
絹旗「私はチビに言ったんじゃないんですけど。超ちがいます」
打止「ぶぅーっ! せっかく名乗ったのにその態度はないかもってミサカはミサカは……」
上条(あ、アレ? 二人は知り合いじゃなかったんだ……まあいいか)
上条「じゃあ自己紹介も済んだし、俺の家に行くぞー」
二人「おー」
絹旗(上条当麻、絹旗最愛……結婚したら、上条最愛……)
打止「ねえねえキヌハタ……ってミサカはミサカはコッソリ耳打ちしてみる」
絹旗「何ですか……って顔が超近いですよ」
打止「ミサカが先なんだからね……ってミサカはミサカは権利を主張してみる」
絹旗「先……?」
打止「だから……ミサカが先にあの人のパンツ食ってあげる約束したんだからねってミサカはミサカは念を押してみる」
絹旗「超そういうことですか……先にパンツ食ってあげるのは自分だと言いたい訳ですね?」
打止「うん!」
絹旗(まあ、お互いにパンツ食ったことない超初心者ですし……)
絹旗(当麻は超優しく教えてくれるでしょうけど、やっぱり自信ないですし……)
絹旗「……打ち止めが先で超かまいませんよ」
打止「やったあ! これであの人の脱ぎたてパンツの温もりはミサカ独占だね!
ってミサカはミサカは口を滑らせ……あ」
絹旗「……な!! 超そういうことだったんですね!?」
絹旗(私も打ち止めも、当麻のパンツ食ってあげる約束をしました)
絹旗(しかし、実際には当麻の脱ぎたてパンツは一枚しか存在し得ない!)
絹旗(後手に回れば、冷めきった残り物パンツか、洗濯済みの鮮度の悪いパンツを食べることになる……)
絹旗(初心者のくせに、そこまで頭が回るなんて……まさかこのチビ)
絹旗(暗部の人間!?)
絹旗「……私としたことが、どうやら敵の実力を超見誤っていたようですね」
打止「ミ、ミサカが先にパンツ食ってあげるんだからね!
キヌハタも承諾したんだから文句は言わせないよってミサカはミサカは……」
絹旗「なら私は、まだ洗濯していない脱ぎっぱなしパンツを超いただきます」
打止「なっ……!?」
絹旗「昨晩脱いでから、一晩寝かして風味が熟成されたパンツ……その深い味わいは超私のものです」
打止「そ、それは……」
絹旗「おやおや? まさか両方とも欲しいなんて超浅ましいことは言いませんよね?」
絹旗「どうしても超熟パンツが食べたいのなら……脱ぎたてパンツと交換です」
打止「くっ、ううう」
打止「そ、その手には乗らないよ! 大体そんな超熟パンツがあるかどうかも分からないもん! ってミサカはミサカは騙されかけたり!」
絹旗(くっ……こうも簡単にブラフを見抜かれるとは……私も超マヌケですね)
打止「キヌハタがそんな汚い手を使ってくるなら……ミサカだって実力行使するよ! ってミサカはミサカはダッシュ!」
打止「ねえねえ! ミサカが一番にあなたのホカホカパンツ食ってあげるからね! って抱きつきアピールしてみる!」ダキッ
上条「わっ!? どうしたんだ急に」
絹旗「ず、ずるいですよ! 超ズルいです! 私が先に超ホカホカパンツ食ってみたいです!」
上条「オイオイまたケンカか? いい加減にしろよ」
二人「がうがう」
上条「やれやれ……どっちが先だなんて関係ないだろ」
上条「二人一緒に……いや俺達全員でパン作って、仲良くお腹いっぱいの幸せを堪能すればいいんじゃないか!」
二人「あ……!」
打止(やっぱりこの人……)ドキドキ
絹旗(超ステキ過ぎます……)ヌレヌレ
打止「……ごめんなさい、キヌハタ。ミサカは独り占めすることばっかり考えてたの……ってミサカはミサカは」
絹旗「いえ、私のほうこそ超済みませんでした……」
打止「一緒に食べようね! ってミサカはミサカは仲直りの握手!」
絹旗「はい。……なんだか握手って、照れ臭いですけど……超わるくないです」
上条「うんうん良かった良かった」
上条「それじゃあ改めて、俺の家に行くぞー」
二人「おー」
上条(いやー、この前は何故だかパンツを脱がされかけたり…)
上条(パンツを口に突っ込まれそうになったり、半脱ぎパンツをペロペロしたり色々あったけど……)
上条(今日は楽しくパンづくりができそうだ!)
上条(ケンカする二人を仲直りさせることも出来たしな!)
上条「ただいまーインデックス」
禁書「お帰りなさいなんだよ当麻! もう準備は出来てるんだよ!」
上条「サンキュー! よおしそれじゃあ、絹旗、打ち止め!」
上条「美味しいパン、作ろうぜ!!」
951 : 完[] - 2010/11/17 16:19:34.32 HvZA7fg0 13/13以上です!
まだまだ未熟者ですが、能力者同士の熱いバトルがクールに描写できるよう頑張りました!
それでは失礼します!
関連
土御門「カミやんはパン作ったことあるかにゃー?」
http://toaruss.blog.jp/archives/1016329832.html