【打ち止めのおさんぽ】
「ふんふふーん♪」
「あーってミサカはミサカは大発見!」
「ん?」
「オオクワガタって高値で売れるってヨシカワが言ってた! だからこれもってミサカはミサカはでかいクワガタを指差して期待してみたり!」
「クワガタ呼ばわりは酷いのよ、嬢ちゃん」
「クワガタって大きくなると喋れるの、ってミサカはミサカは疑問を口にしてみたりっ」
「嬢ちゃん、大体俺はクワガタじゃないのよな」
「??」
「俺は――」
シャキーン
「ヘラクレスオオカブトなのよー!」
「なんか良く分かんないけどバイバイってミサカはミサカは猛ダッシュ!」
「」
【打ち止めのおさんぽ、の続き】
「てれってれー♪」
ドンッ
「あ、ごめんなさいってミサカはミサカは全力で謝罪!」
「なんですの? って小さいお姉様ぁ!?」
「お姉ちゃんの方が大きいからお姉ちゃんはそっちだよってミサカはミサカは指摘してみる!」
「あわわわ」
「っ! 本能的に危険を感じたからバイバイってミサカはミサカは――」
「テレポートですの♪」
「うわぁってミサカはミサカは逃げ場がないのを絶望してみたり……」
「黒子おおぉぉぉ!」ビリビリ
「あうっ」クロコゲ
「あっ、お姉様ーってミサカはミサカはお姉様にダイビング!」
「全く、あたしに似てりゃなんでもいいのかっつうの。打ち止め、久しぶりね」
「久しぶりってミサカはミサカは……グスッ……ウェーン」
「ちょっ泣かないでよっ」
「だって……グスッ……怖かったんだもん……ヒック……」
「よしよし、あたしがそばにいるから泣かないの」
「うん……。あ。ところでお姉様は暇? ってミサカはミサカはありがちなセリフを言ってみる」
「ま、まぁ暇だけど……」
「デートしないの? ってミサカはミサカはお姉様の恋の進展を期待してみたり」
「べべべべ別にあいつに恋なんて――」
「私、あいつなんて言ってないよってミサカはミサカは大成功!」
「えっえっ!?」
「早くしないと盗られちゃうよ。特に下位個体とかにってミサカはミサカは注意してみたり」
「あの子達?」
「この前もネットワーク使って熱く語ってたよってミサカはミサカは再び注意っ!」
「……」
「あ、あそこにお目当ての人がって……お姉様行くの速い……」
【打ち止めのおさんぽ、の続きの続き】
「らんらんらん♪」
「あら、一方通行のお相手じゃない」
「なんで知ってるのってミサカはミサカは身の危険を再び感じてみたり」
「再び? ……一方通行の待ち受けが貴女なのよ」
「胸に包帯ぐるぐるのお姉ちゃんはなんで知ってるの? ってミサカはミサカはあの人を盗られないか……」
「あんなもやし要らないわ」
「良かったってミサカはミサカはいちなんさってまたいちなん!」
「多分使い方違うわよ?」
「私は結標淡希。よろしくね打ち止め」
「うん、ムスジメ! ってミサカはミサカはさっそくフレンドリー!」ギュ
「わっ……かっかわいい……/////」
「ムスジメってショタコンなんでしょってミサカはミサカは確認してみる」
「なんで初対面でそれ知ってんの? 可愛い子が好きなの」
「カミングアウトしても私はあの人のだよってミサカはミサカは衝撃告白してみたりっ、キャー!」
「のろけないの、悲しくなってくるでしょ」
「? うん」
「バイバイムスジメってミサカはミサカは手を振ってみたり」
「らんらんるるるー♪」
「るーるーるー……」
「キツネ来ないよね……」ショボン
「るーるーるー♪」
「あなたは。誰?」
「あなたは誰ってミサカはミサカはおうむ返し」
「私は。姫神愛沙」
「ヒメガミお姉ちゃんこんにちは! ってミサカはミサカはキツネじゃないけど挨拶してみたりっ」
「はい。こんにちは(キツネ?)」
「打ち止めちゃん。分かった」
「それにしても影が薄いねってミサカはミサカはうわわわ消えないで!」
「大丈夫。消えない」
「そんなヒメガミお姉ちゃんにダイビングってミサカはミサカはみぞおち辺りをどっしんっ!」ドスッ
「……私。強くなった?」
「影薄いけど温かいってミサカはミサカは抱き枕」ギュ
「可愛い。欲しい、抱き枕」ギュ
「あれ、姫神……と打ち止め、何やってんだ?」
「!! 上条君が。私に気付いた……」
「『抱き枕』ってミサカはミサカは抱き枕っ」ギュ
「上条君。そういう事」ギュ
「??? (なんだかわからんが平和だなぁ)」
【打ち止めのおさんぽ、のおわり】
「ちゅっちゅっちゅわわ~♪」
「あれ、ここどこってミサカはミサカは迷子疑惑!?」
「どどどどどーしよー!!」
「おいガキ、邪魔だどけ」
「助けてってミサカはミサカは……」ウルウル
「お、おい泣くなよ! 怖がらせたのは悪かったから! な!」アセアセ
「チクショウ、常識が通用しねぇのは俺だけで十分だ……」
「アイスいっぱいありがとってミサカはミサカはハジケルスマイル!」ペロペロ
「食いながら話す常識のなさは気に入ったぜ、お嬢ちゃん」
「むむむ。なんだかあなたからはあの人みたいな匂いがするってミサカはミサカの第六感」
「あの人っつーのは誰だかわかんねぇが……なんだかいい気がしねぇな」
「わぁ、あなたも翼があるんだねってミサカはミサカは驚いてみたり!」
「……も? まぁいいが……。触ってみるか?」
「いいのー!?」
「ちょっとだけな」
「もふもふ気持ちいいもふもふってミサカはミサカはもふもふもふもふ……」モフモフ
「もふもふもふもふももふふもふふももももふもふ………ってなんでしまうのーってミサカはミサカはぶーたれてみたりっ」
「おっと、今日はこれまでだ」
「今度会ったらまたしてくれる? ってミサカはミサカはさりげない約束をしてみる」
「あぁ、また今度な」
「もふもふバイバイもふもふーってミサカはミサカはそろそろ帰りたい……」
「それにしてもここ知らないとこだよってミサカはミサカはさっきの人に聞くの忘れた!」
「うーん……あ、あのお姉ちゃん達に聞いてみよ!」タタタッ
イラッシャイマセー
「結局、平和が一番な訳よ」
「超平和です」
「平和の電波が四方八方から……」
「あーつまんねぇ」
「ほら! 麦茶にコーラにメロンフロートにアイスティー! 平和は平等じゃないな、俺にも分けてくれっ!」
「オレンジジュースがないよってミサカはミサカは怒ってみる!」プンプン
「「「「「え」」」」」
「ここどこってミサカはミサカは目的最優先」
「この子超誰ですか?」
「浜面ぁ、あんたの隠し子?」
「結局、浜面のって訳よ」
「はまづら……さすがにおうえんできない」
「ちげぇよちげぇだろ!」
「なんでミサカの事無視するのーってミサカはミサカはちょっとしょんぼり……」
「超迷子って事ですか」
「うん、そうだよ、リスのお姉ちゃんってミサカはミサカはジッと見てみる」ジー
「にしても可愛い訳よ」
「当たり前だよ、お姉様の遺伝だもんってミサカはミサカはぶろんどびしょうじょに言ってみる」
「姉いるんだ。可愛いね」ナデナデ
「ナデナデされるとふにゃふにゃあ……」
「ちなみにここはファミレスなんだがこいつ知ってて居るだろ」
「ちょっとオレンジジュースまだなのハマヅラってミサカはミサカは真似してみる」
「お前らのせいで真似してんじゃねえか!」
「がんばってはまづら」
「超ドンマイです」
「私もあの人とファミレス来たことあるってミサカはミサカは懐かしんでみたりっ」
「あの人?」
「結局、保護者かなんかじゃない訳?」
「隠し子の超保護者……」
「はーまづらぁ、どーでもいいけど鮭弁足んねぇよブチ殺されてぇのか!」
「麦野はもう少しこのガキの事気にしろよ!」
「それよりガキンチョの中のガキンチョ。あんたうちらのこと怖くないの? 特にあの浜面とか」
「確かに超元スキルアウトでしたからね。私だったら超話しかけようとしません」
「だって危ない目にあっても強いあの人に守ってもらえるからってミサカはミサカは信じてる。
何があっても私の味方であり続けてくれるって約束してくれたの」
「超……いい話ですね」ウル
「結局、愛が一番な訳よ」ウル
「ガキンチョの中のガキンチョ……愛されてて……良かったにゃー」ウルウル
(むぎのがねこかぶりはじめた……感動してかな? それよりこの子おそわれてもだいじょうぶだと思う)
「でも、お姉ちゃん達は元から怖くなかったにゃーってミサカはミサカは安心してた!」
「ありがとーお姉ちゃん達ーってミサカはミサカは感謝してますっ!!」
「おいクソガキ。こンなとこに居やがったか。帰ンぞ」
「あー、強い人がやっと迎えに来てくれたってミサカはミサカはいたいいたいチョップしないで!」
「やっとォ? 迎えに来るゥ? 俺が来ること前提で勝手に居なくなンないでくれませンかァ!?」
「で、今日はどンな迷惑掛けてきたンだァ?」
「迷惑じゃないもんってミサカはミサカはやめてやめて暴力禁止っ!」
「ったく、少しはじっとしてろクソガキ」
「ぶー」(-3-)
「じゃ今度は一緒におさんぽしよってミサカはミサカは特別に手綱を握らせてあげる!」
「ませてンじゃねェぞクソガキ」
「じー」ウルウル
「………………」
チッ……わーったよ……帰ンぞ
うん!