391 : ショタセラレータとラストロリータ[sage] - 2010/12/16 10:11:41.92 BfLvQJ60 1/22>>144あたりにあるショタセラレータとラストロリータの話の続きを調子にのってかいてみました。20レスくらい頂きます。小さい子がいちゃいちゃしてるの可愛いよね!
・一方通行さん(8歳)は最強アルビノ美少年だよ! 通常よりも素直で礼儀正しいよ! 打ち止めを可愛がってるよ!
・打ち止めさん(3歳)はアホ毛天使可愛いよ! 一方通行大好きだよ! 通常と喋り方が違うよ! 喋り方のウザさが五倍くらいになってるよ!
・禁書さんは弟&妹ができたみたいで嬉しいらしいよ!
・上条さんと御坂さんは小さい通行止めの可愛さに骨抜きだよ!
以上の点をおさえた上でお読み下さい。いろんなものが崩壊していますのでご注意ください。
※関連
ショタセラレータとラストロリータ
http://toaruss.blog.jp/archives/1018627791.html
打ち止め「つぎはあれー! って、ミシャカはミシャカはゴー!」キャー
一方通行「だから走るなっつってンだろォがよォ」ハァ
禁書「カボチャブランコってやつかな? 一時期安全性に問題があるから撤去されたんだけど、復活したのかな?」
それなりに広い公園は遊具やフィールドが充実している。まだ幼い可愛らしい少女は、整った顔立ちの白い少年の手を引き、面倒見の良いシスターを従えて、元気いっぱい公園内を遊びまわっている。
上条「・・・良いなぁ」ホワワン
御坂「ええ」ホワワン
全く血の繋がりのない三人がきょうだいのように戯れている光景に、上条当麻と御坂美琴はめろんめろんになっていた。時刻は昼の一時半。日はまだまだ高い。動き回ればそれなりに暑い。
御坂「あ、そういえば子どもは水分摂取が自分で上手くできないって話、聞いたことがあるわ」
上条「そうか。じゃあ飲み物でも買ってくるかな。アイツらが日射病とか熱射病え倒れたら大変だし」
ほわほわと癒されながら、二人は件の自販機に向かう。――三人から目を離したことを、後悔することになるとは気付かずに。
一方通行「しっかりつかまってろよォ!」
打ち止め「きゃー!」ワーイ!
禁書「あくせられーた、も、もうちょっとスピード落として欲しいかも・・・!」
ベクトル操作のおかげで漕ぎ手がいなくてもブランコが大きく揺れる。絶妙なバランスとスピードで落ちることはないものの、なかなかスリリングな状況だ。
数分後、インデックスのギブアップ宣言により、漸くそのレベルの遊具にしてはオーバースペックな遊びは終焉を迎えた。
禁書「あわわわわ~目がぐるぐるなんだよ~」
一方通行「ごめんなさい・・・大丈夫か?」
打ち止め「いんでっくしゅ、だいじょおぶ?」ナデナデ
禁書「大丈夫なんだよって、インデックスはインデックスは笑顔を浮かべてみるかも」
一方通行「・・・大丈夫じゃなさそォなのは、わかった」
砂場の近くのベンチに座り、三人は暫しの休息をとる。心配そうな一方通行と打ち止めに、インデックスは笑いながらで快活な声をあげる。
禁書「それじゃあもうちょっとだけ休んで、次になにするか考えよっか」
打ち止め「うん! じゃあね、ミシャカはミシャカは・・・」エートエート
一方通行「気分が悪ィなら無理すンなよ」
禁書「うーん・・・じゃああんまり動き回らなくっても良いし、そこの砂場で遊ぶっていうのはどうかな?」
打ち止め「わーい! おしろつくるのってミシャカはミシャカはがんばってみる!」
禁書「らすとおーだーはどういったお城が良いのかな? 日本の姫路城とか、中国の紫禁城とか、インドのタージマハルとか、ドイツのノイエシュタイン城とか、お城にもいろいろあるんだよ」
打ち止め「うーん、わかんないけど、ぜんぶ!」
一方通行「・・・まかせろ」グッ
禁書「(あくせられーたの目が本気なんだよ・・・!)」
三人が砂場に向かった、そのときだった。
???「あら、砂遊び?」
誰かが声をかけてきた。高校生くらいの知らない人だ。長い髪を頭の後ろで二つに分けて束ね、ブレザーを肩に羽織らせている。インナーのような薄いピンク色の包帯状の布を胸に巻いているだけで、ブラウスなどは着ていない。スカートは短く、警棒のようなものをベルトからぶら下げている。
そんな、明らかに怪しい女だった。
???「うふふ、可愛いのね、お名前は?」ウフフフフ
その怪しい女が、怪しい笑みを浮かべながら三人に――視線はアルビノの少年にロックオンして――近付いてくる。
???「あ、そうそう、お姉さんはね、結標淡希っていうのよ」ウフフフフ
結標「お名前は? 一緒に遊ぼっか? 何作る?」ウフフフフフフフフフ
ゾゾゾゾゾッ! と悪寒が一方通行の背に走った。しかし、最悪なことに気配は一つではない。
???「おやおや、奇遇ですね」
こちらも高校生くらいに見える、知らない人だった。仕立ての良いスーツを着て、人の良い笑みを浮かべた好青年。しかし、どこか得体の知れない感じと妙な気配を放っていて、外見とのギャップがあるぶんだけ余計に不気味である。
そんな、明らかに怪しい男だった。
???「自分も混ぜていただけると嬉しいのですがね」アハハハハ
その怪しい男が、怪しい笑みを浮かべながら三人に――視線はアホ毛の少女にロックオンして――近付いてくる。
???「あ、怖がらないでくださいね。私は海原と言います」アハハハハハハハ
海原「アステカですとお城というよりは、神殿の方が有名なんですけどね。頑張って作りますよ、小さい御坂さん」アハハハハハ
一方通行「・・・・・・何者だ、オマエら」
結・海「「通りすがりの子ども好きよ(ですよ)」」ニヤニヤニヤニヤハァハァハァハァハァ
にたり、と歪んだ笑みを浮かべた二人が、じわじわと三人に近付いてくる。
禁書「な、何をしようとしているんだよ!」
年長者として、気丈な様子で子ども二人を庇おうとするインデックス。
結標「ただ私はそこの可愛い男の子と一緒に遊びたいだけよ?」ニッコリ
海原「私もそこの可愛い小さい御坂さんとちょっと戯れてみたいだけですよ?」ニッコリ
良い笑顔を浮かべた二人。しかし、どこかどす黒いものを感じた。しかも何だか息が荒い。
幼い少年は考える。この二人は何者なのか、と。
もしかしたら――実験個体として自分を連れに来た研究者あるいはその手先か? そして自分だけではなくて・・・打ち止めまでも狙っている?
・・・あのクソったれな実験を、打ち止めにまでもやろうというのか?
そこまで考えると、少年の予感は恐怖へと変貌する。
一方通行「・・・っ、シスター!」
禁書「!」
一方通行はインデックスの手を引っ張り、打ち止めと共に自分の背に来るようにすると、砂場の砂を蹴り上げた。
ベクトル操作で無数の散弾となった砂粒が、怪しい二人組に襲い掛かる。一瞬生れた隙に、一方通行はとん、とインデックスと打ち止めの背をおす。
一方通行「逃げろ! ここは俺が何とかする!」
禁書「あくせられーたも一緒に行くんだよ!」
一方通行「大丈夫だ! 行け!」
少年は一人だった。ずっとずっと一人だった。幼かった少年は、最強になるために暗い闇の中に放り込まれてから、ずっとずっとずっと一人だった。
実験動物を見るような目で、あるいはバケモノを見るような目で、己を見る研究者(オトナタチ)しか知らなかった。
だから、今朝見知らぬ場所で目覚めた自分に対し、一瞬きょとんとした表情を浮かべた後で、「おっはよーございまーす! って、ミシャカはミシャカはあしゃのあいさつをしてみぅ!」と満面の笑みで懐いてきた初対面の少女に対して、少年は非常な驚きを覚えた。
自分を恐れることもなく慕ってくる少女に多大なる動揺と戸惑いを感じながらも、彼は嬉しかった。
兄弟が欲しかったのかもしれない。家族が欲しかったのかもしれない。友だちが欲しかったのかもしれない。関係性の名前などどうでも良かった。少年は、自分以外の他者との優しい繋がりを、いつだって求めていた。
暗闇の底でずっとずっと孤独だった少年の前に、突然現れた存在を、大切にしたい、失いたくないと、彼はシンプルにしかし強く願った。
だから。
一方通行「行け!」
そんな少女に害をなすような存在を、少年は許すことができなかった。
少年は知っている。自分の能力が『人を殺すことが出来る』能力だということを。少年は、能力の発動の結果あるいはその能力を使った実験の延長で、自身の意志がないにも関わらず何人もの人間が死んでしまったことを知っている。
ソレを今ココでしてしまえば、きっと自分は再び少女の前に立つことは出来ないのだろう。それは酷く悲しくて、寂しくて、辛いことだった。それでも、一方通行は満足だった。
一瞬でも自分に幸福というものを教えてくれた少女が、闇を知らずにすむのなら。
結標「いたたたた・・・ちょっと君、やんちゃすぎるんじゃないの?」
座標移動を使って一方通行のもとにルパンダイブ(ただし脱がない)をしてくる結標を反射とベクトル操作で撹乱し、
海原「こんな攻撃をして、小さい御坂さんに当たったらどうするんですか!」
とさり気無く少女たちの方に移動しようとする海原(ニコニコハァハァ)に、再び砂の散弾をぶつけながら、一方通行は己の大切なモノを守るために立ち向かう。
悲痛な決意を胸中に秘めた少年にむかって、大声で泣く打ち止めを抱かかえながらインデックスは叫ぶ。
禁書「とうまたちを呼んでくるから! 信じて! あなたは、一人じゃないんだよ?」
打ち止め「やぁああだぁぁああああ!!!!! あくしゃりゃっ、れーたと、ぃ、っしょ、なの!!!!!!!!!!」ビェェエエエエエエン
禁書「約束して! ・・・絶対に、自分が傷付くようなことをしないって!!!!!」
一方通行「・・・行け」
必死になって訴えかける少女たちに対して、一方通行はほんの少しだけ表情を崩して告げる。
笑顔を浮かべようとしたのだができなかった。少年が最後に笑ったのがあまりにも遠い昔すぎて、笑顔をどうやって作ればよいのか忘れてしまっていたから。強張った口元は、まるで泣くのを堪えているように見えた。
次の瞬間、逃げ出した少女たちの背後を守るかのようにしてガラガラと遊具が倒れた。その傍らに立って少年は感情の色のない瞳で襲撃者を睨みつける。
結標「やんちゃな子を躾けなおすってのも悪くないわよね。あと君、ハーフパンツじゃなくって短パンにすべきじゃないかしら?」フフフフフ
海原「歪みない変態ですね。小さい御坂さんには手を出さないでください」フゥ
結標「あら、ロリコンストーカーに言われたくはないわ。今度はペドストーカー?」
海原「違いますよ。まあ小さい御坂さんとは仲良くなりたいとは思いますが、あくまでも本命は御坂さんです」フンス
一方通行「(研究者じゃねェかもしれねェが・・・少なくとも男の方は潰さねェと、打ち止めが危ない) ・・・行くぞォ、変態ども」
一方通行は掴んだ遊具をベクトル操作で投げつける。轟! という音を響かせながら、それは先ほどまで二人が立っていた場所に突き刺さる。
海原「危ないですね。子どもに怪我をさせる気はないのですが」
悠々とかわした海原は、謎の少年に見せ付けるようにして黒曜石のナイフを取り出す。
海原「でも行き過ぎたやんちゃはスキルアウトとかわりませんよ? お仕置きですね」
結標「・・・その台詞、所かまわず電撃出すあんたのストーカー先に言えば?」
海原「御坂さんは良いんですよ(あ、でも御坂さんにお仕置きというシチュエーションは悪くはないですよね)」フフフフフ
結標「まあストーカーバカは置いといて、君のハーフパンツを座標移動で短パンに交換よ!」トリャアッ!
海原「って結標さん、児童用短パン常備ですか?!」エエエ
一方通行「反射ァ!」
海原「反射されて自分のズボンが短パンに?! ぱっつんぱっつんなんですけど?!」ギャー
結標「うわ、ないわー」ドンビキ
一方通行「キモイ」
海原「酷っ?! あれ、って言うか反射? そして白髪赤眼って・・・どこかで」
結標「短パンはまだまだあるのよ! 座標移動!」ソォレイッ!
一方通行「反射ァ!」
海原「またこっちに?! 児童用短パン二枚重ね?! きつい、二重の意味できついですよ?!!?!?! どんな拷問なんですかぁぁああああああ!!!!!!!!!!!! 助けてぇショチトルぅぅぅぅうううううう!!!!!!!!!!!!!!」
結標「訴えたら勝てるレベルね」パシャパシャ
海原「何で写真撮ってるんですか!? そろそろ泣きますよ?!」
一方通行「キモイ」
結標「まあ犯罪レベルすぎるわね。戻してあげるわ」シュン
海原「あ、ありがとうございます・・・ショチトル、エツァリお兄ちゃんは頑張ったよ・・・」サメザメ
結標「うっさい海原。さてと、私をここまで梃子摺らせるだなんて、やるわね君」
一方通行「・・・知るか」
結標「そろそろ良い子になって、お姉さんといちゃいちゃしましょう♪ 協力しなさいよ、海原」
海原「横暴ですよ・・・まあここまできたんですし、犯罪にならない程度なら良いでしょう」ハァ
一方通行「つーかよォ、とっくの昔に犯罪の域に達してるだろうが、この変態ども」
だん、とベクトルと操作して三メートルほど飛び上がった一方通行は、掴みあげた一握の砂を四方八方から降らせるように二人にぶつける。
トラ(ry槍でそれを相殺した海原と、座標移動で辛くも避けた結標。既に何度も使ったこの技を、二人が避けるくらいのことを一方通行は予想していた。目的は、一瞬でも隙を作ることだった。トン、と飛び乗った遊具を蹴倒す。ベキボキバキッと轟音を上げた鉄製の遊具が、ぐにゃりと支柱を曲げながら二人に襲い掛かる。
だが、それも難なく弾かれる。
一方通行は、確かに最強だった。まだ8歳である現時点でさえ、目の前の二人よりレベルが高い。しかし、一方通行の二倍近く生き、そして現在進行形で暗部に所属している超能力者と魔術師と比べて、彼には圧倒的に経験値が足りなかった。
さらに最悪なことに、結標も海原も、彼に正しい意味での『攻撃』をしようとはしていなかった。銃弾を向けられれば反射してそのまま貫通させる。物理的に攻撃してこようとすれば二倍の力に跳ね返す。しかし、二人とも一方通行に対してそれを行なわなかった。
結標は単純に、可愛らしい少年をぎゅっと抱き締めてクンカクンカスーハースーハー(ryしてお持ち帰りしたい、というだけだった。海原は単純に、この少年を通じて小さい御坂さん(=打ち止め)ときゃっきゃうふふしてあわよくば御坂さん本人にも近付けたら、というだけだった。
つまり二人には、『捕獲』する意志はあっても、怪我をさせてまで攻撃しよう、という意志はない。
そのことが一方通行を迷わせる。今まで彼が人を殺す、あるいは怪我をさせるといった事態に陥ったとき、その原因は『相手側からの攻撃』を一方通行が反射させたことによるものだった。言い逃れするようだが、彼は加害者であったとしても、あくまでも消極的かつ受動的にしか他者を傷つけたことがない。更に言えば、それらは実験の上の出来事だ。
攻撃をしてこない相手に対して、一方通行は『自分で攻撃』するしかない。しかも、これは実験ではない。
少年は葛藤する。この二人を倒すには、『自分で攻撃』しなければならない。自らが進んで他者を傷つけ――最悪の場合、殺してしまう結果になるかもしれない。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
それでも、あの少女を、そして周囲の人を守るためには、両手の指をワサワサさせている怪しげなこの二人組を何とかしなければならない。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
迷いは捨てなければならない。遅かれ早かれ、きっと自分は自らの手で人を殺すような実験をさせられるであろうことを、闇の中にいる少年は予感していた。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
クソったれな実験で意味のわからない『観測』だの『測定』だののために人を傷付けたり殺すよりは、大切な少女を守るために人を傷付けたり殺したりするほうが、まだ正当性がある、と少年は自分自身に思い込ませる。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
優しくて、温かくて、そして何よりも明るかった。そんな一瞬の幻想(しあわせ)を守るために、少年は己の有するものならば全てを差し出そうと決意をかためる。
コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ
このハァハァしている変態どもが、二度と打ち止めを狙うことがないように。狙ったことを後悔するように。完膚なきまでに、容赦なく、同情することなく、一切の感情を排除して、ボロボロに、粉々になるまで、叩き潰してやる、と。
コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ
血を吐くような絶叫が、細い少年の喉から溢れ出す。
コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ
一方通行「死ねェェェえええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
だが――
「歯を食いしばれよ、変態ども――」
幼い少年の幻想(こうふく)は――
「――俺の保護者(代理)としての怒りは、ちっとばっか響くぞ」
破られることはなかった――
結標「ビブルチ!?」
海原「この電りゅ・・・?! ご、がぁぁぁああああああああ」ゴ、ゴホウビト、オモイ…タ…イ…
ツンツン頭の少年の拳によって跳ね飛ばされた変態女と、学園都市第三位の放つ紫電によって跳ね飛ばされた変態男。
呆然とした一方通行が、次に認識したものは、
禁書「大丈夫だった? あくせられーた」
と、心配して駆け寄ってくるシスターと、
打ち止め「うゎわわああああああああああん」
大声で泣きながら、自分にしがみ付いてくる打ち止めだった。
時は数分前に遡る。場所は件の自動販売機の前だ。
土御門「かみやーん、こんなところで超電磁砲と何やってるんだにゃー? デート? デート?」
御坂「デデデデデデデデート???!!!!?!?!?!?!???」//////
上条「何言ってんだよ土御門。子守だよ子守」
御坂「//////」オーバーヒート
土御門「(残酷なんだぜい) 子守? バイトでもしてるのかにゃー?」
上条「いや、一方通行と打ち止めがさ、いきなり小さくなっちゃって」
土御門「・・・はぁ?」
上条「お前も見ればわかるよ。めっちゃ可愛いし癒されるから」
土御門「意味がわからないんだぜよ」
上条「俺もびっくりしたけど、本当に可愛いんだぜ? 原因不明だからって一応幻想殺しを試してみたけど、変化なしでさ。黄泉川先生に頼まれて、今日はそのまま預かってるんだ」
土御門「・・・俺も見せてもらってよいかにゃー?」
上条「おう! 原因調べるの手伝ってくれよ! あ、ただし変なことするんじゃねーぞ」
禁書「とう、ま!」ダッシュ!
上条「ん? インデックス、どうしたんだ?」
打ち止め「びええええええええ」ワアアアアアアン
御坂「は! 打ち止めがめちゃめちゃ泣いてるじゃない!」リセイサンガログインシマシタ
土御門「(ほ、本当に打ち止めが小さくなっている・・・だと・・・)」
禁書「変な二人組みに、急に襲われそうになって・・・っ!」
上条・御坂「「何だと?!(何ですって?!)」」
禁書「今、あっちであくせられーたが一人で止めてるんだよ! お願い、とうま、短髪。あくせられーたを助けて!」
御坂「当然よ!」
上条「行くぞ!」
土御門「俺もついていくぜよ」
インデックスの示す方向に向かって、御坂美琴は走り出す。
突然小さくなったという一方通行に、最も動揺したのは実は彼女だったのかもしれない。一万人もの自分の妹を殺して、自分を絶望の淵へと追い込んだ悪魔が、打ち止めの世話を焼く優しさをもった、あまりにも可愛らしい少年だったから。だからこそ、朝の一悶着に繋がるわけだが、それも致し方あるまい。
その朝の一悶着の中で、御坂美琴は少年の発した一言が酷く心に引っ掛かった。
『悪口とかもォ言われなれてるから気にしねェっつってンだろ』
周囲から悪意を向けられることを、さも当然と言った口調で、さらりとなんの感情の色もなく語った一方通行。
御坂美琴はそれに衝撃を受けた。まだ幼さの残る少年が、悪口を言われて傷付かないはずがない。少なくとも自分はそうだ。それなのに、それを『当たり前のこと』として少年は受け入れている。
それが、何故だか酷く悲しかった。
『あの人はね、本当は実験をやりたくなかったんじゃないかなって、ミサカはミサカは一つの推測をお姉様に告げてみる』
打ち止めからその話を聞いたとき、ふざけるな、バカにするなと思った。アイツは悪魔だ。クローンとは言え大量虐殺者だ。実験をやりたくなかっただと? 許せない。
それでも、感情の色なく自分に向けられた敵意を当然のものとして認識している幼い少年を見たとき、御坂美琴の胸に一つの疑問が過ぎった。…彼の白い悪魔の本質を自分も研究者もそしてきっと自分を掬い上げた上条当麻でさえも、気付くことができなかったのではないか? と。
悪意を当然のものとして受け入れることしか許されない世界にずっとずっと閉じ込められていたのだとしたら。
その悪意を、そして全ての感情を、反射することで自分を守ろうと考えたのだとしたら。
バケモノとして認識されたまま、人間らしい心をぶちぶちとぶちぶちとぶちぶちと潰され続けてきたのだとしたら。
御坂美琴は走り続ける。
――誰かが、あの少年の優しい心を、認めてあげていたとしたら
御坂美琴の手のひらに、バチバチと紫電が生まれる。
――妹達は死ななかったかもしれないし、一方通行は殺さなくてよかったかもしれない
御坂美琴は、怪しげな古い革製の布のようなものを身体に巻きつけた、どこか見覚えのある男にその紫電の照準を当てる。
――ifの話は、しても仕方のないことだとはわかっている、でも、だからこそ
「く、」
――もし、今がいつかの過去に続いているとするならば
「ら、」
――もし、今がどこかの未来に続いているとするならば
「えぇぇええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
――どうか、もう二度と、あんな悲劇が起こりませんように
紫電は音速の三倍の速さで変態男を飲み込んだ。
意識を取り戻したとき、結標と海原は拘束されていた。
上条「・・・どういうことなのか」
御坂「説明してもらいましょうかねぇ?」
真っ黒い笑みを浮かべた二人が詰め寄ってくる。その後ろでは、糾弾するように睨みつけてくる修道女と、未だに涙の乾かない少女を抱えた少年が並んでいた。そしてその隣で、何とも微妙な表情を浮かべた土御門がいる。
土御門「(わ~い☆ 『グループ』勢揃いしちゃったんだにゃー)」アハハハハ
結標・海原「「そ、それは・・・」」
ところで。暗部の組織の一つである『グループ』は、目的を同じにした小集団である。それぞれがそれぞれの利益のために動き、そのためならば他者を利用することを辞さない。必要とあらば即座に切って捨てる。故に、一つの組織とはいえ、仲間意識は限りなく希薄である。
繰り返そう。たまたま共通した利益や目的の為に結びついた集団がグループである。だから、『結標淡希は自分の身を守るために、海原看光貴を犠牲にすることを厭わない』。
結標「すみません、コイツに言われてやりました」
海原「ちょ、ちょっと?!!?!! 何を言い出すんですか、結標さぁぁぁあああああんんんん???!?!?!!!?!」
御坂「ほう」バチバチ
海原「(御坂さんの蔑んだ目・・・これはこれで捨てがたいのですか、できればもっと愛情溢れる眼差しを頂たかったですね・・・)」トオイメ
上条「覚悟はイイかァ? この三下がよォ・・・あァ?」ゴゴゴゴゴゴ
土御門「かみやん、怒りのあまり口調がおかしくなってるんだにゃー」
上条「離せ、土御門! コイツを殺せない!」
土御門「えーと、かみやん? 超電磁砲もおさえておさえて。尋問はちょっと俺に任せてもらって、あのちみっ子たちを落ち着かせてやるんだぜい」
上条「う・・・」
御坂「・・・わかったわよ」
五人の視線を浴びながら、土御門は今回の元凶である二人をしょっ引いてゆく。
土御門「これはいったいどういうことなんだ?」ヒソヒソ
海原「自分は無実ですよ?! ただ御坂さんに似た小さい可愛い子がいたから、一緒に遊ぼうと思っただけですよ?」ヒソヒソ
結標「私だって無実よ?! ただ可愛いしょたっこがいたから、仲良くなろうと思っただけよ?」ヒソヒソ
土御門「・・・よーく解った。有罪だということが」ヒソヒソ
変態コンビ「「そ、そんな!!」」ガーン
土御門「ここで衝撃の報告だ。何が原因か解らないが、あの白い子どもは『一方通行』で、あの小さい超電磁砲は『打ち止め』が・・・子ども化?したものらしい」ヒソヒソ
海原「なん・・・ですって・・・?」ヒソヒソ
結標「あの可愛らしいしょたっこが、あの一方通行だって言うの・・・?」ガーン
土御門「ああそうだ。まあ確かに面影があるといえばある」ヒソヒソ
海原「ど、どういったことなのでしょうか?」ヒソヒソ
土御門「さっぱりだ。ただし幻想殺しでももとに戻らないとすれば、科学でも魔術でもない『何か』が原因かもしれない」ヒソヒソ
結標「一方通行・・・ショタ・・・短パン・・・10歳以下・・・青い果実でしょ・・・」ブツブツ
結標「決めた・・・私決めたわ!」ピキーン
土御門「ど、どうした?」
海原「どうなさったんですか?」
結標「私は・・・私は、あの小さくなった可愛い可愛い可愛い一方通行とあとついでだから打ち止めを、あらゆる悪から、災いから守ってみせる! そのためなら、こんな忌々しい傷だって乗り越えてみせる!!!」
土御門「」
海原「」
結標「今日から『グループ』はあの二人の絶対的な守護者となるのよ!」
海原「は、はぁ?」
土御門「うーん、でも一方通行と打ち止めという二つのカードを確保し続けることは、発想としてはあながち悪くはないんだぜい」ヒソヒソ
海原「そりゃそうですけど」
結標「そういうわけだから、昨日の敵は今日の友! 幻想殺し、超電磁砲! 私たちがその二人の可愛い子どもたちを、あらゆるものから守ってあげる!」
上条「何言ってんだよ」
御坂「信用できないわね」
禁書「寧ろあいつらからこの二人を守るべきなんだよ」
打ち止め「ひっくひっく」ギュウウウウウウウ
一方通行「よしよし」ナデナデ
上条「ってか、土御門はあいつらの知り合いなのか?」
御坂「そもそも『グループ』って何よ」
土御門「(わ~い☆ 暗部組織ばれちゃったんだにゃー)」アハハハハ
海原「(あはははは、御坂さんに『グループ』の存在を知られてしまいました)」アハハハハ
結標「『グループ』は『グループ』よ。いい、何かあったらすぐ呼んで? 私の能力はレベル4の座標移動――1秒としないうちに、助けに行くから」キリッ
結標「それに、あなたたちのためなら――私はレベル5の壁だって、乗り越えてみせるわ」キリッ
上条「コイツらを守る戦力が増えることは嬉しいけどさ・・・信用しきれないっていうか」
結標「それは行動で返して行くから。ね、一方通行、だから、その・・・困ったときは、」クネクネ
結標「『淡希お姉ちゃん』って、言ってね」ネ?
上条「」
御坂「」
禁書「」
土御門「」
海原「」
一方通行「・・・」
打ち止め「ぐすんぐすん」
上条「ず、ずるいぞ! なあ一方通行、打ち止め、俺のこと、ちょっと『当麻お兄ちゃん』って言ってみてくれないかな」ドキドキ
御坂「ならなら! 私も『美琴お姉ちゃん』って言ってみて!」ドキドキ
禁書「わ、私も『インデックスお姉ちゃん』って言ってみてほしいかも」ドキドキ
土御門「俺のことを兄と呼んで良いのは舞夏だけなんだぜよ」
打ち止め「えーと、『とぉまおにぃちゃん』、に、『みことおねぇたん』、に、『いんでっくしゅおねぇちゃん』?」クビヲカシゲテミタリ
上 御 禁「「「ぐ、っはぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!!!!!」」」クリティカル
海原「打ち止めさん、ぜひ、ぜひ私を海原・・・いえ、『エツァリお兄ちゃん』と!」ドキドキハァハァ
一方通行「・・・・・・淡希お姉ちゃん」
結標「なななななな何かしら?????(か、可愛いすぎる)」ドキドキドキドキ
一方通行「あの変態がァ、打ち止めのこと変な目で見てて怖いンですけどォ」
結標「うぅうううぅぅぅうううなぁあああああぁぁぁあああばぁぁあああああぁああぁらぁぁああぁぁぁああ!!!!!!!!」
海原「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」アッー
とある晴れた日の昼下がりの公園で、一方通行(8歳)と打ち止め(3歳)は、『グループ』という学園都市暗部の中でも優秀な組織を味方につけることに成功した。
しかし、幼い彼らはまだ知らない。
暗部の闇は、どこまでも深いということを。
暗部の組織は、『グループ』だけではないということを。
打ち止め「ねぇねぇ、ミシャカはミシャカは、く、え、れ、ぷ? たべたい!」クイクイ
一方通行「ン、『クレープ』のことか? ・・・一個だと多いから、半分こなァ」ナデナデ
打ち止め「うん、くえれぷ! ミシャカはミシャカはあくせりゃれーたとはんぶんこしゅる!」ワーイ
一方通行「だから『クレープ』だっての。どれが良いンだ?」
打ち止め「いちごとくりーむの!」
上 御 禁 結 海「「「「「(可愛いなあ)」」」」」メロンメロンデレンデレン
土御門「こうかは ばつぐんだー ぜよ」
413 : ショタセラレータとラストロリータおわり[saga] - 2010/12/16 10:32:54.90 BfLvQJ60 22/22以上です。ほのぼのを目指したのに、暗部を出すとどうしてもシリアスになりますね。あと地の文難しかったです・・・読みにくかったら申し訳ありません。
あとコピペミス申し訳ありませんでしたorz 誤字脱字は脳内補完をよろしくお願いします。
最後に言い訳ですが、結標も海原も大好きです。『グループ』が変態集団だって言うんだったら・・・まずは、その幻想はぶち殺す!
そして終ってみたら、一方通行さん(8歳)と打ち止めさん(3歳)の出番が少なかった・・・あれれれれ?
それではお付き合いくださってありがとうございました。ではではノシ