美琴「ちょっとアンタ」
何でもないような当たり前の一日の終わりに
ただ、偶然姿を見かけただけで
その日は特別な日になる
上条「なんだ御坂か。何か用か」
美琴「別に用ってわけじゃ無いけど」
ただ、声を聞きたかっただけ
もちろんそんな事を口に出せるほど
素直な性格はしていない
美琴「何よ。用がなきゃ話し掛けちゃいけないほどの大物なわけ? アンタって」
上条「そうじゃねぇけどさ」
美琴「だったら別にいいでしょ」
上条「いいけど、俺が急いでる時は見逃せよ。特売とか、まじゅ……、特売とか」
美琴「そんなに特売が大事なわけ?」
彼が言いかけてやめた言葉を、聞きなおす事はしない
秘密があるのは、何となくわかっている
でも、踏み込んでいく勇気はない
こういう事には、臆病になってしまう
上条「大事に決まってんだろ。貧乏学生なめんなよ」
にやりと笑いながら彼が言う
つられて笑ってしまう
それを嬉しいと感じた事が
ちょっと恥ずかしくて
美琴「じゃあ、見逃してあげない事も無いわね」
上条「すごく上から言うな、お前」
つい、ひねくれた事を言ってしまう
だって突然、「私はあなたと一緒にいると嬉しいの」
そんな事をいえるようにはなれない
美琴「で、今は暇なの?」
上条「まぁな」
美琴「そっか。じゃ、ちょっと散歩でもしない」
上条「俺もお前もそういう柄じゃないだろ」
美琴「はぁん? なぁんですってぇ?」
上条「いや、何でも。じゃ、散歩すっか」
一緒に歩けるだけで
ドキドキする
でも、自分だけなのだろう
でも、いつか
美琴「うん、いこっか」
上条「おぅ」
彼にもこの気持ちを感じるようになって欲しい
ただ、一緒にいる事で
了
702 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] - 2011/01/12 18:07:02.78 a3QR2OeD0 3/3以上です
片思いキャラほど応援したくなります。ステイルとかむぎのんとか
お目汚し失礼しました