909 : 一方通行「家族なンだからよ」[sage] - 2011/01/16 14:55:17.29 BcFDuR9U0 1/18シリアスでハートフルなSSです
ギャグは少なめ
※関連
一方通行「本でも買うか」
http://toaruss.blog.jp/archives/1019704265.html
一方通行「にゃあ」
http://toaruss.blog.jp/archives/1020180001.html
一方通行「オマエ本当に俺の事が嫌いなンだな」 番外個体「ううん、ミサカはあなたの事が大好きだよ」
http://toaruss.blog.jp/archives/1020820449.html
一方通行「寒ィなァ…早く帰ってあったけェ部屋でコーヒー飲みてェ…」
一方通行「なンて言ってる場合じゃねェンだよな」
一方通行「まァ何が起きたか?って言われても、細かい事を説明すりゃ色々と面倒なンだが、
本当に端的に何もかも省いて述べるとすりゃァ、つまりはこういう事だ」
一方通行「打ち止めが居なくなった」
一方通行「……いや、別に居なくなったつっても死ンだとか縁起でもねェ話じゃねェ。要はプチ家出ってやつだ」
一方通行「なンで家出したかだと? そりゃァ、俺がアイツのプリンを勝手に食っちまった……ってアイツが勘違いをしてンのが原因なわけで」
一方通行「実のところ、番外個体がプリン横領の犯人なンだが、あのクソ野郎が俺に罪を擦り付けやがったンだよ」
一方通行「ったくよォ、アイツは本当に俺の事が嫌いなンだな」
一方通行「……」
一方通行「ま、本当の事を言うと、“たかがプリンごときでギャアギャア騒ぐンじゃねェ!!牛乳と卵と砂糖でも混ぜて食ってりゃ
良いだろォが!!!”って怒鳴っちまったのが直接の原因なンじゃねェかって思わねェ事もねェけどよ」
打ち止め「うるさい!あなたにプリンの何が分かるの!? あなたなんて大っ嫌い!! このもやし!ロリコン!厨ニ病!包茎!!ばかぁ!!
ってミサカはミサカはドアを勢いよく開けて部屋を飛び出す!!うわああああん!!!この支配から卒業してやるーっ!!」
一方通行「尾崎豊かテメェは!!待てッ!!」
………
一方通行「てな感じでアイツは出て行った」
一方通行「そンなわけで俺は今ガキを探してるわけだ」
一方通行「上位個体の危機だ、妹達にも協力を仰いでる。ついでのワーストも拳で黙らせて協力させてる」
一方通行「ったくよォ、どこに行きやがったンだあの幼女は」
海原「おや、一方通行さんじゃないですか」
一方通行「話しかけられた気がするが全力で無視する。それが俺の流儀だ」
海原「……」
一方通行「ったく、どこに行きやがったンだァ?」
海原「……」
一方通行「……」スタスタ
海原「……」スタスタ
一方通行「……」スタスタスタ
海原「……」スタスタスタ
一方通行「……」ピタッ!
海原「……」ピタッ!
一方通行「………」
海原「………」
リーリーリー
一方通行「……」ダッ!
海原「……」ダッ!
一方通行「…ドアッ!!」バタッ!!
一方通行「やべェ、杖ついてンの忘れてた」
海原「大丈夫ですか?」
一方通行「なンでついてくンだよテメェは!!」
海原「すみません、つい血が騒いで」
一方通行「ストーカーの血か?この変態野郎」
海原「いえ、狩猟本能です」
一方通行「肉食系男子ってやつか」
海原「いえ、自分は草食系です」
一方通行「澄ました顔で嘘ついてンじゃねェよ」
…………
海原「えっ、ロリミサ……最終信号が行方不明!?死ねよ」
一方通行「オマエこそ死ねよ」
海原「分かりました、そういう事情なら自分も協力します」
一方通行「テメェに頼むのは癪だが、ンな事言ってる場合じゃねェな。見つけたら俺に連絡しろ」
結標「あら、あっくんじゃない」
一方通行「そンな親しい仲じゃねェだろォが」
結標「どうしたの? ロリっ子でも探してんの?」
一方通行「違ェ、ガキがどっか行っちまったンだよ」
結標「合ってるじゃない」
一方通行「オマエの言い方だとまるで俺が犯罪者みてェじゃねェか!!」
結標「えっ? あなたに襲われて逃げたんじゃないの?この犯罪ぺドフィリア」
一方通行「あァ!?」
結標「うーん、学園都市中のショタなら全員リアルタイムでどこに居るか把握してるんだけど…」
一方通行「テメェこそ犯罪者だ!!」
結標「ま、見つけたら連絡してあげるわよ」
一方通行「悪ィな」
土御門「にゃあ!」
一方通行「オマエはいいや…」
土御門「ちょっと待てい!」
一方通行「なンで今日はこンなにもグループとのエンカウント率が高ェンだよ」
土御門「何言ってんだお前? つーか海原から連絡があったんだが、最終信号が居なくなったらしいな」
一方通行「あァ」
土御門「ついに襲っちまったのか?」
一方通行「違ェっつってンだろォが!!」
土御門「冗談だ、そんなマジギレすんなよ」
土御門「ま、そういう事情なら仕方ねぇ、俺も協力してやるぜよ」
一方通行「あァ、頼む」
猫の手も借りたいってか?
猫じゃねぇけど
そんなこんなで…
特別な事情(ロリ)により同意してくれたグループの協力もあり、ついに俺はガキを見つけた
打ち止め「あっ」
一方通行「やっと見つけたぞクソガキ」
打ち止め「……」
一方通行「……」
一方通行「悪かった」
打ち止め「えっ」
一方通行「悪かったな、オマエの気持ちも考えねェで…」
打ち止め「……」
一方通行「だから、戻ってきてくれねェか?」
打ち止め「……うん、ミサカもミサカも大人気なかったね…ごめんなさい…」
一方通行「なンでオマエが謝るンだよ」
打ち止め「ごめんなさい…」
一方通行「……帰るぞ」
そう言い、俺は打ち止めの手を握った。
まるで氷の様に冷たくなった小さな手を。
最低だ…
もちろん、打ち止めが家出したこの状況の事もある。
だがこの場合の最低は違う。最低なのは、俺はコイツの事をなんも分かっちゃいなかったという事だ。
“悪かった“なんて所詮は口先だけ、上辺だけの謝罪。社会人の社交辞令と同レベルの空っぽな言葉。
一方通行「コンビニに寄ってくぞ。コーヒーがもうねェンだ。ついでだからオマエの好きなもンも買ってやる」
打ち止め「うん♪」
所詮はコンビニに行けば100円で買えるプリン。そんなものにいちいちムキになるなんざ、あまりにも馬鹿気てる。
一方通行「ったく、大変だったンだぞ。ちっこいから探すのに苦労した」
打ち止め「ごめんね…でも嬉しいよ。ミサカの事を一生懸命探してくれたんでしょ?」
それでも、そんな下らない物でもこのガキにとっては大切な物であり、本気で怒るに値する事だったらしい。
本当に悔しくて、でもガキだから力じゃ抵抗できない。だから家出という形で自分の憤りを表現しようとした。
それがコイツの精一杯の抵抗であり、それでいてコイツなりに一生懸命自分の気持ちを伝えようとしてたんだ。
力じゃ抵抗できないから。弱い自分じゃ、叫んでも本気で耳を傾けちゃくれないから…
俺がこれっぽっちも理解しようとしなかったから。そして未だに理解しようとしないから。
だから、そんなんだから、俺はこんな事を言っちまったんだ。
一方通行「こンだけ苦労したのに、その原因がたかがプリンだなンて笑い話にもなりゃしねェぞ」
一瞬だった。
冷たくなった打ち止めの小さな手の感触を失った事に気付いた時には、すでにアイツは俺の前方を全力で駆け抜けていた。
一方通行「なッ!?」
本来ならチョーカーのスイッチでも入れりゃすぐに追いつくはずだった。
このクソガキが、わざわざ充電中に家出しなくてもいいだろ。
一方通行「待て!! 待てっつってンだろォが!!!」
打ち止め「うるさい!!うるさいうるさいうるさい!! あなたなんか大っ嫌い!!!」
所詮は子供の足。本気で走らなくても簡単に追い付くはず。
だが、今さらだが俺は杖をついている。
人間は二本足で走る生き物であって、三本足で上手く走れる様に体が作られちゃいねぇからな。
一方通行「ハァ…はァ…クソッ!!」
速い。ガキのくせに。ロシアじゃ死にかけてたくせにとにかく速い。だが、こっちも子供相手に後れを取るわけにはいかねぇ。
つーか、ちゃんと前見て走ってんのか? 信号とかちゃんと見ろよ。
一方通行「打ち止めァッ!!」
言わんこっちゃねぇ
このクソガキが、赤信号と青信号の区別もつかねぇのかよ。
一方通行「止まれェッ!!打ち止めァッ!!!」
打ち止め「えっ!?」
止まった。素直に止まりやがった。よりにも寄って横断歩道の真ん中で。
しかも赤信号のだ。
後々になって思い返せば、この時チョーカーのスイッチを入れてりゃ何事も無く済んだはずだった。
あの時こうしてれば。こんな簡単な事だったのに、なんで気付かなかったのか?
なんて、良くある話だろう。誰もが経験するだろう後の祭り。後悔先に立たず。
だが、本当に必死な時は、頭より先に体が動いちまうわけだ。
杖をついていたとは思えねぇ、その杖さえも放り投げ、自分でも信じられねぇくらいの速さと跳躍で、俺は打ち止めを庇った。
まるで何かのドラマだな。だが現実でこんな事が起きたら、しかもその原因がプリンだったなんて本気で笑えねぇ。
重たい衝撃が容赦なく襲いかかる。自分の体が地面を離れたのが分かった。
蹴られた空き缶ってのはきっとこんな感覚なんだろう。
同時に抱きしめていた打ち止めの感触も消えた。
あのガキは無事か? それだけ分かれば良い…
この程度の衝撃なんざ、今まで何度か経験してきた。ぶっちゃけエイワスや大天使ほどじゃねェ。
だが、それでも能力が無きゃ俺はただの人間だ。そんくらい言われなくても分かってる。
やべぇ、意識が…
一方通行「ッ……」
意識が無くなる境目で、打ち止めの顔が見えた。
涙と鼻水で顔がグシャグシャだ。情けねェツラしやがって。
つっても、一番情けねェのはどう見ても俺だな。
とりあえず、無事で良かった……本当に…良かっ……
神様…もうわがままを言わないから…一生に一度のお願いだから…
プリンなんていらないから、家出したりしないから
あの人をかえして……!!
おィおィ、ンな下らねェ事に一生に一度の願いを使うンじゃねェ
つーか、ここはどこだ…俺は……誰だ…?
一方通行? なンだそりゃ? そンな道路標識みてェな……
あァ、俺の名前なのか……良い名前じゃねェか
そうだ…俺はクソッタレの悪党で…怪物で……最強の能力者で…幼い娘が好きだがけしてロリコンじゃなくて…
違ェ、もっと大切な事があったはずだ……
俺は…
俺はあのガキの…打ち止めの……
一方通行「ン……あ……」
うすぼんやりとした視界に、白い天井が写る。
けたたましい女の声と、聞き覚えのある男の声が聞こえる。
そんでもって、シャレんなんねぇくれぇの衝撃が俺の腹を襲う。
おいおい、こっちはテメェを庇って車にはねられ…
そうか、俺は車にはねられたのか。
打ち止め「……」
……なんか言えよ。喋れよ。せめて顔を見せろよ。
そんな布団の顔を埋められたまま黙られちゃ、俺もどうすれば良いか分からねぇだろ。
冥土帰し「お帰り、まあ幸い相手が軽自動車だったってのもあるんだろうけど、それでも良く助かったね。電極無しで能力を使ったのかね?」
一方通行「ンなわけねェだろ」
番外個体「チッ、生きてたか。ガッカリだよ」
一方通行「おィ、目が赤ェぞ。何か悲しい事でもあったのか?」
番外個体「うるさい!!馬鹿ッ!!」
一方通行「悪ィな、心配させたみてェで」
番外個体「別に心配なんかしてないし…」
打ち止め「うぅっ…ぐすっ…ひぐっ…うぁぁ…」
一方通行「打ち止め…」
打ち止め「ごめんなさい…もう…しないから…ごめんなさい…もう迷惑かけないからって…ミサカは…」
一方通行「……別に、ンな事気にすンじゃねェよ」
打ち止め「だって!!…ぐすっ…」
一方通行「迷惑をかけンのもかけられンのも当たり前の話だろォが」
そうだ…俺は打ち止めの…
一方通行「家族なンだからよ」
打ち止め「…うん……」
やっと顔をあげた。酷ェ顔だ。
それでも柔らかい髪を優しく撫でてやると、少しはいつもの鬱陶しい笑顔に戻る。
いつもこんくらいに汐らしければこっちも楽なんだが、まったく家族という関係は色々と面倒だ。
だが、悪くはねェ…
本日の出費
治療費 500000円 無保険、学園都市未成年保障のみ
プリン 100円
大切な家族 プライスレス
924 : 一方通行「家族なンだからよ」[sage] - 2011/01/16 15:20:10.51 BcFDuR9U0 16/18いぜうです、ありがとうございました
925 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/01/16 15:22:47.48 qgyDUmrh0 17/18またおm(ry
926 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/01/16 15:25:44.72 Xwvu6+Sso 18/18毎回出費がヤベェw