インデックス「とうまとうま!」
上条「なんだインデックス、ご飯ならさっき食べただろ?」
インデックス「むう…。その言い方だと私が食べ物の事しか考えて無いように聞こえるんだけど?」
上条「いや実際その通りじゃ インデックス「とうまー!!」ガブッ
上条「不幸だああああ!!!」
―――
上条「いてて…。で、インデックスさん。改めて用件をお聞かせ願いましょうか?」
インデックス「うん、あのね、ちょっと言いにくいんだけどお金が欲しいんだよ」
上条「へっ?お金?食べ物なら一緒に買いに行くけど」
インデックス「違う!違わないんだけど違うんだよ!」
上条「…どういうことでせうか?まぁ少しならいいけど」
インデックス「えっと、千円貸して欲しいんだよ…。ダメかな?」
上条(…!インデックスが控えな態度で物事を頼んでいる!珍し過ぎて上条さんちょっとドキリとしちゃいましたよ!)
インデックス「ダメ…かな…?」
上条「(さらに上目遣い!上条さんKOです!)いいぜ、でも何に使うんだ?」
インデックス「ありがとう!でもそれはちょっと秘密にしたいかも…」
上条「どうしても?」
インデックス「どうしても!」
ピンポーン
小萌「はーい。あっ、シスターちゃん、待ってましたよー」
インデックス「こんにちはこもえ。今日はよろしくお願いするんだよ!」
小萌「いえいえ、先生は恋する乙女の味方なのですよー」
インデックス「そ、そういうのとはちょっと違うんだよ!別に私はとうまの事なんか!」
小萌「ふふふー、まぁ私はもう何も言いませんよー?」
インデックス「こもえー?」
小萌「ふふふー」
姫神「中に入らず玄関で。何をやっているの?」
インデックス「あいさ!あいさも今日はよろしくね!」
姫神「よろしく。今日は協力する。でもライバルである事も忘れないで」
インデックス「うう…。とりあえず早速作りたいかも」
小萌「そうですねー。ではシスターちゃん、まずは買い物に行きましょー」
姫神「とにもかくにも。材料が必要。ラッピングも大事」
小萌「シスターちゃんお金はありますかー?無ければ私が出しますけど」
インデックス「今回はとうまに借りてきたから大丈夫なんだよ。とうまに渡すのにとうまから借りるのも変かもしれないけど…」
姫神「大丈夫。きっと上条君も許してくれる」
小萌「そうですよー。では行きましょう!」
インデックス「大きいお店…。うっかりしてると迷いそうなんだよ」
小萌「シスターちゃんはこのデパートに来た事無いですか?なら大人の私にしっかりと着いてきて下さいね」
インデックス(…自分がしっかりしなきゃダメかも…)
姫神(小萌の見た目で。その発言はおかしい)
小萌「二人とも、何か失礼な事を考えてませんかー?」
イン 姫「気のせい(なんだよ)」
小萌「ともかくまずはラッピングを買いに行きますよー」
雑貨コーナー
インデックス「何を買えばいいのかな?」
姫神「とりあえず。リボン。入れる器。箱。もしくは袋が必要」
小萌「さらに手紙入りだと効果抜群ですよー」
インデックス「手紙?何を書けばいいのかな?」
姫神「渡す相手に対して。思っている事を書く。これ基本」
インデックス「思っている事…」
小萌「感謝の言葉だったり愛の言葉だったりですかねー」
インデックス「愛の!?ちょ、ちょっとなんか難しいかも!」
姫神「大丈夫。素直な気持ちを書くだけだから」
インデックス「素直な気持ち…。わかった、手紙も書くんだよ!」
小萌「ふふふ、では買うものを決めますよー」
小萌「とりあえず入れるアルミの器はまとめて買いましょー」
姫神「リボンと箱は。バラバラが良いと思う」
インデックス「あいさと一緒のじゃダメなの?」
姫神「上条君には。自分のセンスで渡したい」
インデックス「確かにその通りかも」
小萌「じゃあそれぞれ良さそうなモノを探しましょー」
―――
インデックス「あっ、これがいいかも!」
しかし棚の少し上の方にありインデックスの背では届かない。ちょっとジャンプもするのだがやっぱりギリギリ届かない。
インデックス「うーん…よいしょ!…お店の人を呼んだ方がいいか 「よいしょ。これでいいのかしら?」
インデックス「あっ、ありがとうなんだよ!って短髪?」
美琴「だから短髪言うな!」
インデックス「短髪は短髪なんだよ!」
美琴「…はあ、まぁいいわ。アンタ何してんの?」
インデックス「買い物なんだよ」
美琴「あの、ほら、アイツは一緒なの?」
インデックス「とうまの事?とうまは居ないよ。それに、今は居てほしくないかも…」
美琴「今は?…ああ、アンタも作るのね」
インデックス「『も』、って事は短髪も作るの?」
美琴「…ま、まあそういうことよ」
インデックス「短髪も手作り?」
美琴「『も』って事はそっちもか。そうよ、買うってのはなんかねー」
インデックス「ついに短髪も素直になったんだね」
美琴「な!べ、別にアイツの事がそういうのとかではなくてこれはただのお礼…そうお礼!去年は色々あったからそのお礼!だからそんなんじゃなくて!」
インデックス「私はとうまに、とは言ってないんだよ?」
美琴「…!」
語るに落ちるとはこの事を言うのだろう。真っ赤な顔をして必死に否定をしていた自分を美琴は少し恨んだ。
美琴「そうよ!アイツに渡すつもり!悪い!?」
インデックス「だから何も言ってないんだよ…。まぁお互い渡せるように頑張ろうね」
美琴「…はぁ、そうね。そっちも頑張りなさいよ、じゃね」
インデックス「バイバイ短髪!」
美琴「だから短髪って言うなっつうの!」
―――
小萌「シスターちゃん、見つかりましたかー?」
インデックス「うん!これにするんだよ!」
小萌「なかなか可愛いですねー。でもそれ四つ入りのセットですよ?」
インデックス「うん、それで良いんだよ!」
小萌「なるほど、では材料を買って帰りましょうか」
戻って小萌ハウス
小萌「では作りますよー」
イン 姫「おー」
小萌「まずは買ってきた板チョコを湯せんで溶かしますよー」
インデックス「うん!よいしょ、よいしょ」
姫神「焦げないように。気をつけて」
インデックス「よいしょ、よいしょ。全部溶けたかも!」
小萌「ではこの型に合わせて入れますよー」
インデックス「ハート型って、ちょっと恥ずかしいんだよ…」
姫神「今更。何を言ってるの」
小萌「そういう日だから気にしないのが一番です!」
その後、型に入れて冷蔵庫で冷やして固めて出してラッピングとかしました。
―――
小萌「さて、明日まで溶けないように十分気をつけて下さいね」
インデックス「本当に助かったんだよ!こもえ、ありがとう!」
小萌「いえいえ、でもシスターちゃん。残り三つは誰に渡すんですか?」
インデックス「それはね、私の大切な人に贈るんだよ!」
小萌「そうですかー。では結果を後でキチンと教えて下さいねー」
インデックス「分かったんだよ!バイバイこもえ!あいさ!」
姫神「うん。頑張って」
小萌「頑張って下さいねー」
―翌日、2月14日。天気、寒空ながらも晴れ
インデックス「とうまとうま!今日は早く帰って来るのかな?」
上条「うーん、いつも通りだと思うけど。何かあるのか?」
インデックス「ううん、何でもないんだよ。ただ今日はやっかい事に首突っ込んじゃダメだよ?」
上条「上条さんは好き好んで巻き込まれてる訳じゃないんですの事よー。じゃな、行ってくる」
インデックス「いってらっしゃーい」
インデックス「さてと、渡しに行くんだよ!」
―――
風斬「こんにちは。今日はどうしたの?」
インデックス「ひょうか!これあげるんだよ!」
風斬「これは…もしかして、チョコレート?」
インデックス「うん!あげるからキチンと食べてね!じゃ、私は忙しいからまたねー」
風斬「あっ、えっ?行っちゃった…」
―――
ステイル「全く、何の用事があって呼び出したのかね?」
神裂「そういいながら無理やり用事を作って学園都市に向かったのは誰ですか?」
ステイル「いや!それは別に… インデックス「おーい!ステイルー!かおりー!」
神裂「お久しぶりです。ところで今日はどうしたのですか?」
ステイル「もしかして何か事件でもあったかい?」
インデックス「違う違う!今日はこれを渡したくて呼んだんだよ。わざわざごめんね、はい、あげる!」
ステイル「あ、ありがとう。これは一体なんだい?」
神裂「(そういえば今日は…なるほど)…ふふふ、良かったですねステイル」
インデックス「それはかおりと二人で一つなんだよ。量は少し多めだから仲良く食べてね!」
ステイル「へ?まぁ貰えるなら有り難く頂くよ、ありがとう」
インデックス「うん、感謝して欲しいんだよ!じゃあ私は行くから、バイバイ!」
神裂「えっ、はい。…もしかしてこれだけのために?」
ステイル「…とりあえず開けてみようか」
―――
小萌「シスターちゃん、誰にあげるんでしょうねー。…あら?」
小萌「まったく、肝心のチョコレートを忘れてますよー。って良く見たら紙が貼ってありますね」
『こもえへ』
小萌「…シスターちゃんはやっぱりいい子ですね。でも一緒に作ったから中身は分かっているんですがねー、ふふふ」
小萌「せっかく貰ったのだから開けてみましょうか」
―――
それぞれの場所でラッピングを解き中身を見る。するとそこにはインデックスからの手紙が入っていた。
『ひょうかへ
ひょうかは私のこの街での初めてのともだちです。あっ、でもスフィンクスが居るから人間としてね。
ひょうかはきっと色々大変な事があるのかな?もしつらい事があったらいつでも言って欲しいかも。
だって私達はともだちなんだよ!だから遠慮しなくていいかも!
また一緒に遊びに行こうね!絶対だからね!』
風斬「…大丈夫。ともだちだから、何かあったらきちんと頼るから…」
―――
『かおり、ステイルへ
最初は怖がってごめんなさい。きっと二人とも辛かったと思うけど、私のためだったんだよね。
でも今では二人の事は大好きなんだよ!それに二人と居るとなんだか安心する。きっと昔の私達はすごく仲良しだったんだね!
これからもずっと、仲良くして欲しいんだよ。最後に、ありがとう、かおり、ステイル』
ステイル「なあ…」
神裂「なんですか…」
ステイル「泣いてもいいよね、僕…」
神裂「…ええ」
―――
『こもえへ
こもえは私にすごく優しくしてくれてる。見た目はアレだけどお母さんってもし居たらこんな人だったらいいなあってたまに思うんだよ。
これからも色々教えてくれると嬉しいかも。あと美味しいごはんもお願いするんだよ!
あととうまのほしゅう?っいうてのは無くならないのかな?まぁ多分とうまが悪いと思うからしょうがないよね。
とうまと私、合わせてこれからもよろしくお願いするんだよ!』
小萌「…シスターちゃんは、先生を泣かせてどういうつもりなんですかねー」
小萌「シスターちゃんも、もう私の生徒なんですよ…ふふふ」
感謝の気持ちを伝える日、素直な気持ちを伝える日、そういう日だと小萌は教えてくれた。だからその気持ちを手紙に乗せて、大切な人に贈った。
さぁ、渡す相手はあと一人。きっとたくさんの思いを受け取って帰って来るだろう。もしかしたらまた嫉妬して噛みついてしまうかもしれない。でも今日だけは少し我慢しよう。感謝の思い、そして素直な気持ちを伝えよう。
残り一箱のチョコレート。中には手紙は入っていない。この一箱を渡す相手、その相手には直接言葉で伝えたい。何故だか不思議とそう思えた。
外から足音が聞こえる。このチョコレートの持ち主がやって来た。さぁ、思い切りの笑顔で迎えてやろう。
「ただいまー」
「おかえりなんだよ!とうま!」
667 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/02 19:18:24.52 WxAtttaAO 11/11以上で投下を終わります、何レス頂くか書いてませんでした…申し訳無いです
なんかクサい展開になったのも許して頂けるとありがたいです。失礼しました