497 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] - 2011/02/27 14:08:29.75 AopjXtGW0 1/12>>217-227 でゲームというタイトルのSSを投稿した者です。
第七弾を10レス投下します。
ゲーム
http://toaruss.blog.jp/archives/1020819472.html
ゲーム2
http://toaruss.blog.jp/archives/1021119662.html
ゲーム3
http://toaruss.blog.jp/archives/1021518666.html
ゲーム4
http://toaruss.blog.jp/archives/1024156995.html
ゲーム5
http://toaruss.blog.jp/archives/1024419578.html
ゲーム6
http://toaruss.blog.jp/archives/1024507083.html
10032「ようやく身の回りも落ち着きました、とミサカは前回の騒ぎを振り返ります」
10032「何日も関係各所に頭を下げて回り、著作権を勉強し、それ以外の時間を謹慎して
過ごしてきましたが……それもようやく終わりです、とミサカは思わず涙が……」グスッ
10032「おっと。 いけませんね、とミサカは涙を拭きます」ゴシゴシ
10032「辛い日々でしたが、もう大丈夫です、とミサカは涙の数だけ強くなったことを主張します」
10032「この程度でめげるミサカではありません。 これからバシバシプロデュースしていきますよ!
とミサカは意気込みます」
10032「そして今度こそ、大ヒットゲームを目指すのです」フンッ
10032「さあ! 復帰第一弾でゲームを持ち込んでくるのはどのミサカですか!?
とミサカは勢いづきます!」
打ち止め「……」
10032「これはダメかも分からんね、とミサカは早くも挫折しそうです」
10032「上位個体って……いやいやねーよ、とミサカは呟きます」
10032「どうせアレだろ、セロリとのイチャイチャキャッキャッなゲームだろ?」
10032「こっちはもう飽き飽きだよ。 いい加減捻りが無さ過ぎんだよ」
10032「オマエの自己願望の塊をプレイしても楽しくねぇんだよ。 ……ちったあ考えてくれよぉ」
10032「大体セロリ攻略とか一部妹達以外のどこに需要あるんだよ?
ニッチ過ぎるんだよマーケティング失敗してんだよ期待外れなんだあbbbb……」
打ち止め「……」
10032「あ、あれ? あんまり痛くない? とミサカは常に無い軽いお仕置きに困惑します」
打ち止め「……」
10032「上位個体……何ですか、その訴えかけるような瞳は、とミサカは上位個体の迫力にたじろぎ
ます」
打ち止め「……」
10032「……すみませんでした、とミサカは頭を下げます」ペコッ
10032「まだあなたのゲームを受け取ってもいないのに……つい早合点してしまいました。
どうやら思った以上に精神的に不安定になっていたようです、とミサカは自己を分析します」
10032「冷静さを失って酷いことを言ってしまいました。
プロデューサー失格です、とミサカは自分を卑下します」
10032「本当にすみません、とミサカは頭を下げたまま重ねて謝罪します」
10032「今日限りこのミサカはプロデューサーの座を降ります、とミサカは宣言します。
後任には他のミサカを任命しますのでそれまで待って……!」
打ち止め フルフル
10032「……上位個体?」
打ち止め ジー
10032「あなたは……まだこのミサカにプロデューサーを続けろというのですか、
とミサカは上位個体の真意を量ります」
打ち止め ニコッ
10032「……」
10032「逃げることは許しませんか。
あなたは厳しいのですね、とミサカは上位個体の評価を改めます」
10032「そうですね、一度始めたことを投げ出すのはミサカの沽券に関わります、
とミサカは拳を握り締めます」グッ
10032「先程の発言は撤回します。
ミサカはこれからもプロデューサーとして辣腕を振るいます、とミサカは上位個体と約束します」
打ち止め ニコニコ
10032「では改めて……あなたの作ったゲームを見せてもらえますか、
とミサカは上位個体に頼みます」
打ち止め スッ
10032「ありがとうございます。 どれ……」
『ミサカとあの人のどきどき☆ラブラブ大作戦』
10032「フ・ザ・ケ・ル・なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!
とミサカは怒髪天を衝きます!!!!」ダンッ
打ち止め グッ
10032「グッ、じゃねぇっ!! この幼女、自分が何をやらかしたか分かってんのかっ!?」
10032「一レス前のいい雰囲気が台無しだよ!
ちょっとでもこの幼女を見直したミサカがバカだったよ!」
打ち止め エヘッ
10032「止めろ! そんなペ○ちゃんみたいに舌を出して笑うのは止めろ!
なんかムカつくんだよ!!」ダンッ
10032「どう見てもセロリ攻略ゲームじゃねぇか!
結局いつものパターンだよ! また商品化できねぇよ!」
10032「またプロデュース失敗だよ! ちょっとでも信じたミサカがバカだっだぁbbbbbb」
打ち止め プンプン
10032「取り乱してすみません、とミサカは痛む体を押して謝罪します。 ……痛ぇ」
打ち止め ジロッ
10032「うっ……分かっています上位個体。
もう取り乱したりしません、ちゃんとゲームします、とミサカは誓います」
10032「番外個体の例もあります。これだって良作の可能性は十二分にあるはずです、
とミサカは自分に言い聞かせます。 ……大丈夫、大丈夫」ブツブツ
打ち止め プクーッ
10032「頬を膨らませないで下さい可愛くありません、とミサカは上位個体にツッコミつつゲームを開始します」カタカタ
『ヒーローを選択してください』
10032「……ッ! これは、とミサカは言葉をなくします」
打ち止め フフン
『ヒーローを選択してください
⇒1:一方通行
2:上条当麻 』
10032「一方通行だけでなくあの人の名が……いいえ油断してはいけません。
きっとまたウニとかそういうオチが付くのでしょうと、ミサカは警戒します」カタカタ
上条『俺の名は上条当麻。 幻想殺しを右手に宿す高校生だ。
不幸体質であらゆる不幸に襲われるけど、俺は今日も元気です』
10032「本物だーっ!! 上位個体愛してるーっ!!
とミサカは飛び上がって体中で喜びを表します!」ヒャッホーイ
打ち止め ドヤッ
10032「この時ばかりは上位個体のドヤ顔が天使の笑みに見えます、とミサカは手放しで褒めます」
10032「ああっ。 しかもヒロインは全員ミサカではないですか!
このミサカを始めキャラが立っている妹達と上位個体、番外個体にお姉様まで勢揃い」
10032「タイトルの『ミサカとあの人』とはこういう意味だったのですね、
とミサカは上位個体の深い配慮に感服します」
10032「……ミサカがあの人に攻略されるゲームなんて……まるで夢のようです、
とミサカは興奮を抑えられません」
10032「素晴らしきかな『どきラブ大作戦』! これぞミサカのミサカによるミサカのための
ゲームです! とミサカは賞賛の言葉を送ります」
打ち止め ウンウン
10032「なるほど、このゲームには『恋愛』『いちゃラブ』の二つのパートが存在するのですね、
とミサカは改めてゲームのシステムを確認します」
10032「『恋愛』パートでは、最初に選択したヒーローで好きなミサカを一人攻略します」
10032「晴れて恋人同士になると『いちゃラブ』パートへと移行します。
このパートでは某恋愛プラスのようにリアルタイムでの恋人生活を体験できます」
10032「更にパートが移行する際、プレイヤーの視点はヒーローから『恋愛』パートで
攻略したミサカへと移動します」
10032「つまり『いちゃラブ』パートでは最初に選択したヒーローを相手に、プレイヤーは甘い蜜月
を楽しむのです、とミサカは説明を終えます」
10032「分かりますか?
つまりこのゲームは、『恋愛』パートでこのミサカに恋焦がれるあの人を存分に観察し」
10032「『いちゃラブ』パートでミサカに夢中なあの人とキャッキャウフフして過ごすのです」
10032「一粒で二度美味しい素晴らしい構成です、とミサカは上位個体を褒め称えます」カタカタ
上条『(最近、御坂妹とよく会うよな。
不幸続きな上条さんだけど、これだけは良いことが続きますよ)』
10032『それでですね、その時ミサカのイヌが……』
上条『ははっ。 ウチのスフィンクスも似たようなことを……』
上条『(イヌの話題になると、ホント楽しそうにするよな)』
上条『(普段あまり表情を変えないけど、この時は本当に楽しい笑顔浮かべるんだ)』
上条『(……)』
上条『(可愛いよなぁ)』
上条『(い、今なら手ぇ繋げるんじゃないか)』ゴクリッ
上条『(御坂妹は楽しそうだし雰囲気は間違いなく良い。
もしかしなくても千載一遇のチャンスなんじゃ……?)』
上条『(そうだよ上条当麻、これは御坂妹との距離を縮める絶好のチャンス!
今こそ男を見せる時っ)』
上条『(いやしかし、いきなり手を繋いで迷惑がられたらどうする?
御坂妹に嫌われるのだけは耐えられない。 でも手を繋ぎたいっ)』
上条『(どうする俺!?)』
『1:手を繋ぐ』
『2:手を繋がない』
10032「はぅぅ……上条当麻、なんと可愛いのでしょうか、とミサカはため息をつきます」
10032「迷惑だなんてとんでもないです。
どうぞ遠慮なく握ってください、とミサカは1を選択します」カタカタ
上条『(良しやるぞ……っ。 けどあくまで自然に、さりげなく)』ドキドキ
10032「早く、早く来て下さい上条当麻、とミサカは胸の高鳴りが止まりません」ドキドキ
上条『(今だ!)』ギュッ
10032『! 上条当麻、とミサカは突然のことに驚いてしまいます』
上条『いや、これは……っ』カーッ
10032『嬉しいです上条当麻、とミサカはあなたに微笑みます』
10032『ですから……手を離そうとしないで下さい、とミサカはあなたの手を握り返します///』
上条『御坂妹……』
上条『(御坂妹の手、暖かくて柔らかくて気持ちいいなぁ)』
上条『(赤くなった顔が新鮮で……なんて言うかもう……凄ぇ可愛い)』
10032「……ッ」プルプル
10032「ああ……っもう堪りません! 可愛過ぎます! とミサカは身悶えしてしまいますぅ」プルプル
打ち止め「……」
~数時間後~
10032「グッジョブです、とミサカは上位個体に賞賛の言葉を送ります。
これで何回目でしょうか? 大判振る舞いですね」
10032「しかし問題が一つあります。
肖像権の問題があるので、上条当麻と一方通行に使用許可を取らないといけません、
とミサカは冷静な判断を下します」
打ち止め チッチッチ
10032「やはり許可を取ってありましたか。 抜け目が無いですね、とミサカはほくそ笑みます」
10032「後はこのミサカに任せてください。 お疲れ様でした、とミサカは上位個体を労います」
打ち止め バイバイ スタスタスタ
10032「……これから忙しくなりますね。 ですが」
10032「今度こそミサカプロデュース大成功です、とミサカは勝利を確信します」グッ
この後10032号は『どきラブ大作戦』をやる片手間に製品の量産を開始する。
片手間と言ってもかつて無いほどに気力が充実した10032号は瞬く間に製品を完成させ、即売会への
準備を進めていった。
そして迎えた即売会当日
10032「……」
10032「……後数分で即売会も終わりですか……とミサカは時間を確認します」
10032「……」
10032「……いらっしゃーい、『どきラブ大作戦』揃ってますよー、とミサカは呼びかけます」
10032「……」
10032「……誰も来てくれません、とミサカは在庫の山を見つめながら呟きます」
10032「全く……一つも売れません、とミサカは非情な現実に心が折れました……」
10032「……」
10032「考えてみれば無理ない話だったのです」
10032「前半はギャルゲー後半は乙女ゲー……しかも内容が上条当麻と一方通行に偏っています」
10032「最初からミサカ以外をターゲットにしていなかった……完全なるミサ得ゲーム。
それがミサカ以外の人間に受け入れられる訳がありませんでした」
10032「……とミサカは分析します」
10032「MNWにアップロードしてしまったので妹達は買いに来てくれません……
お姉様にも試作品を渡してしまったので、やはり買いに来てはくれません……とミサカは」
ピンポンパンポーン
アナウンサー『ただ今を持ちまして、即売会は全て終了しました。 皆様お疲れ様でした』
パチパチパチパチ
オツカレー オツカレサマー
パチパチパチパチ
10032「……張り切って一万個も作ってしまい……ミサカはどうすれば、
とミサカは形式的に手を叩きつつ途方に暮れます」パチパチ
10032「こんなはずでは無かったのに……こんなはずでは、とミサカは……うぅ」パチパチ
10032「ぅ……くっ……えぐっ……うぅぅぅ」パチ…パチ…
10032「……ふぇぇぇぇぇぇん」グスグス
508 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] - 2011/02/27 14:34:50.10 AopjXtGW0 12/12以上です。
泣きべそをかく女の子も素敵だと思い泣かせてしまいました。