429 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage] - 2011/04/22 18:12:42.41 ziVk+Jvf0 1/7番外通行で4,5レスもらいます。
生理ネタです。
つまり下ネタありです。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」
その叫び声が黄泉川家にこだました時、リビングには一方通行しかいなかった。
普段は不精な一方通行も、これだけ明確なSOSを聞いて平静ではいられなかった。
カチッとチョーカーのスイッチをオンにし、ピューマ並みの速度で、悲鳴の発生元へと駆け付ける。
まるでヒーローのような行動。
「どうしたァアアア!!??」
「入ってくんなあああああああああ!!!!」
惜しむらくは、彼がまさしくヒーローであったことだろう。
悲鳴の発生元はトイレ、今まさに下着を下ろしている番外個体であった。
「ンでェ? いったい何があったンですかァ?」
トイレの扉の前で立ち尽くす一方通行。
「あなた絶対許さないから。殺してやる。その白髪を一本一本抜いてやる」
「どうもすみませンでしたァ」
「二兆回死ね」
どうも気のない謝罪を繰り返してるように見える一方通行であるが、実は本当に申し訳なく思っている。
一方通行がトイレに侵入した後、激昂した番外個体は、一方通行に蹴りを喰らわした。
しかし前述したように、その際一方通行は能力を使用していた。
結果、自分の蹴りをくらった番外個体はひっくり返って、下着を下ろしたままみっともない姿をさらしていたのだった。
みっともないという言い方がアレなら、扇情的と言おうか官能的と言おうか…。
「あーもー!! 一方通行は殺して殺して殺したいけど、とりあえず聞いてよ、一方通行!!」
「はいなンですか」
「これを見…じゃなくて! あの、その、ええと…」
「…股から血が出た件に関してか?」
「そう! って何で知って…見たの!? 私の下着見たの!?」
トイレに入った際、一番最初に見えたのがそれであるということを、一方通行は黙っておいた。
「いやまあその…」
「許さない! お姉様に言いつけてやる! 一方通行が無理やり私の下着を覗いて、あまつさえ能力をつかって、私のあああああそこを見ようとしたって! 見たって! 舐めまわしながら見たって言いつけてやる!」
「落ち着け番外個体! その言い方は語弊っつゥか明らかに間違った箇所がある!!」
とりあえず番外個体をなだめた。
夕方の犬のように叫び吠える番外個体を、小一時間はなだめた。
というかまだ下着は脱いだままなのだろうか。
「それでェ、いったい何がどうしたっていうンだ?」
「いや、だから血が…」
「あン? 生理じゃねェの?」
「生理? それって新出単語?」
「あ?」
いまこの女はいったい何を言ったのだろうか。
生理を知らない?
冗談にしても笑えない。
賭けてもいい、打ち止めでも知っているはずだ。
彼女と話していると、意外と教養があることに気付く。
少なくともあの三下よりかは話せるだろう。
(三下なら神曲と聞いて、やっぱ天体観測は神曲だよなと答えるに違いない)
しかしそれは不思議なことではない。
学習装置、それによってミサカシリーズのクローンは、短時間で高校生並みの知識、あるいはもっと専門的な知識、技術を習得することが出来る。
恋愛の機微や友達の作り方、最新のファッションを知らなくても、中学生程度の保健の知識は当然身についているはずだ。
だのに、これは…?
「お前、本当に知らねェのか…?」
「整理整頓のこと、じゃないよね? あーもう、早く教えてよ、意地悪しないでさー!」
コホン、と咳払いをして、一方通行は己の持つ潤沢な知識を番外個体に披露した。
曰く、女性の体には月経という仕組みが備わっている。
曰く、それは十代に始まり、年をとることで閉経する。
曰く、それは女性が子供を産むために必要なことで、病気でも何でもない。
曰く、今夜は赤飯だ。
静かに聞いていた番外個体は、やっと声を発した。
「マジで?」
「大マジだ。お前が痔主じゃないってンならな」
「ちげえし!」
ドン! と扉を叩く番外個体。
生理でイライラしているのだろうかとも思ったが、いつもこうであった。
「いや、赤ちゃんが女性から生まれるってのは知ってるけどさあ、何その面倒な準備。産まない人間にとっちゃ激しく邪魔じゃん。ちゃんとそういうこと考えて設計してよね。少なくとも事前に要るかどうか確認すべきだと思うわ…」ブツブツ
「…うゥン、とりあえずナプキンでも買ってくるかァ」
「あ、あのさ、その前に…」
「うン?」
「とりあえず、替えのパンツ持ってきてくんない?」
小一時間下着を下ろしっぱなしの番外個体。
下着はさぞかしカピカピになっているだろうと思いながら、あァと返事をして、一方通行は番外個体の部屋へと向かった。
「えェと、どう渡しゃいいンだァ?」
「じゃ、扉の下において、あっち向いてて」
「おゥ。あっ、そういえばトイレの中にナプキン置いてあるだろォ?」
「ナプキンって…この青い袋の? ああ、ナプキンって書いてあるね」
「誰のか知らねェが、とりあえずそれ使っときな。そンで今夜あいつらが帰ってきたときにでも相談すりゃいい」
「いや、でも、それは恥ずかしいかなーって」
「あン? 何が」
「だから、相談すること」
「…少なくとも、俺に言うよりかは恥ずかしくないだろうよ」
「あなたは無理やり見たんじゃないか! 本当殺したいと思ってるからね! 今なら殺意で殺せる気がするよ! この右手にたまった信じられないくらいの力をあなたに届かせる術がないのが残念だ!!」
「あァ、うン、ごめンなさい」
「…ところでさ」
「うン」
「これってどうやるの?」
「うン? いや、袋に書いてあるンじゃねェの普通」
「いや、書いてあるけどさ…よく分かんない」
「言っとくが手伝わねェぞ。俺も知らンし」
「誰が! …あ、あのさ、第一位の演算能力を持ってして何とか…」
「どンだけ恥ずかしい目にあうか分からねェ訳じゃねェだろォ?」
「いや、えー? 何これ訳わかんない。はー?」
「…おィ! 入ンぞこら! 文句言うンじゃねェぞ!?」
そもそも番外個体はナプキンの根本的なコンセプトを理解しておらず、下着の中に敷くという発想が思いつかなかったらしい。
じゃあ一体お前はナプキンをどうしようとしていたんだと一方通行は疑問に思ったが、初めてというのはそういうものなのかもしれない。
かくいう一方通行も、生えてねェのか、と発言して蹴りを喰らったようである(今回は能力はオフにしてあった)。
初めてというのはそういうものなのである。
装着完了。
「な~んか恥ずかしいなあ…オムツじゃん。ねえ、オムツじゃん」
「オムツじゃねェだろ」
「形は違うけどさ、要は漏らしちゃうからとめちゃおうってことでしょ? 同じことだよ」
「自虐に走ンなよ。お前はこれから…少なくとも、30年はそれと付き合うことになるンだ」
「うげー、嫌だなあ。代わってよ、第一位でしょ」
「無理ですゥ」
グチグチと呟く番外個体だが、その顔は先ほどの下着のように真っ赤である。
大方恥ずかしさを隠すために饒舌になっているのだろうが、一方通行は平然とした風を装っており、あまり甲斐が無い。
もちろん彼も平静ではいられないだろうが、あまりの異常事態に一定程度以上の思考を停止している様子である。
「あー、赤飯も用意しねェとなァ」
「何それ」
「こういう時には赤飯を食うもンらしい。生理ってなァ子供を産めるようになるって訳でェ、まァ大人になった証、それを祝うってこったな」
正直なところ、彼女に月経が訪れるものかどうかは不明であったため、ホッとしている気持ちはある。
通常それは一種の通過儀礼なのだが、これは素直に喜ぶべきことだろう。
俺がそう思うのも変な話だ、と一方通行は自嘲した。
そういった一方通行の気持ちも知らず、番外個体はにやにやと笑っている。
「大人ねえ。確かに大人の階段を上った気はするよ」
「…お前さァ、いや、別に疚しい気持ちなンてこれっぽっちも無いンだが…くれぐれも今日起こったことを人に話すンじゃねェぞ?」
「どうかなあ。わっかんないなあ。もしかしたら最終信号にチクっちゃうかもね。ぎゃは」
「マジで止めろよ。マジで。振りとかじゃなくマジで止めろ」
「ぎゃはははははは!! 必死すぎだろ第一位!」
「クソがァ…」
「あー、最悪」
「…」
「本当昨日からすごいダルいんだけど」
「…」
「悪いけど、あなたに構ってる余裕なんてないの」
「分ァってるよ。構えなんて言ってねェだろ」
「何それ。少しは優しくしようとか思わないの? 本当女心が分かんないんだね」
「ごめンなさい」
「…」
「…」
「もっとミサカに構えよ!」
「お前が構うなっつったンだろォが!」
「そこはさーもっとさー私の気持ちをくんでさー。可愛そうなミサカ、優しく撫でてあげようってしてよねー」
「ンなの俺のキャラじゃねェよ…」
「あーもう!! 皆死ねばいいのに! 死ね! 爆発しろ! ふしゃー!!」
「…」
「うー、にゃー…だるいだるいだるいイライライライラするぅうううう、あふんっ」ポフッ
「いいから、黙れ」ナデナデ
「…何その態度、むかつく」
「結局むかつくンじゃねェか」
「うっさい」
「…」
「止めないでよ、生理おさまるまで撫でてよ」
「30年もかァ、そりゃ大変だなァ」
435 : とあるミサカの初潮体験[sage saga] - 2011/04/22 18:19:12.38 ziVk+Jvf0 7/7以上です。
負の感情ってさびしさとかも含みますよね。
一方さんにもっと甘えたらいいと思います。