209 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[saga] - 2011/05/07 18:00:11.43 Oa6b2r4AO 1/9

投下が無くて満足出来ねえ
7レス程もらいます、百合子ネタなので苦手な人はごめんなさい
三巻の内容、特に恋愛要素はありません…多分

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-28冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304353296/
210 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」1/7[saga] - 2011/05/07 18:01:01.89 Oa6b2r4AO 2/9



一方通行「オマエはよく頑張ったよ。だから――楽になれ」

 一方通行の両手が上条に向かって伸びていく。
その手は触れただけで人間の命など簡単に奪ってしまう暗黒の手だ。
もちろん、『天災』と呼ばれる上条も例外ではない。
一方通行の手に包まれたが最後、上条の体は二度と動く事は無くなってしまう。

上条「く、そ――――おおおおおお!」

 上条は目を瞑り、玉砕覚悟で右腕を振り上げた。
しかし、恐怖により少し足が震えていた為か、上条はバランスを崩してしまった。
結果、一方通行に向かって倒れるような形になってしまう。
反射的に受け身を取ろうとしたのか握っていた拳も力無く開いてしまっている。
そして狙いの定まっていないその右手は、


ふにゃん、と。何か柔らかい感触と共に、右手は一方通行の胸部に触れていた。


「え?」

 むしろ最初に驚いたのは触られた一方通行ではなく、触った上条の方であっただろう。
上条の右手は今も一方通行の胸部に触れており、試しに力を入れてみるとやはり、
ふにゃん、と柔らかい感触を確かめる事が出来る。

一方通行「――き、きゃァァァァァ!!!」

 と違和感たっぷりの叫びが操車場にこだました。

211 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」2/7[saga] - 2011/05/07 18:01:29.80 Oa6b2r4AO 3/9



 ちなみに現在、上条はそのまま倒れたせいか一方通行を押し倒しているような形になっている。
一方通行の叫びを目の前で聞いた上条は、その疑問を本人にぶつけてみる事にした。

上条「え? もしかしてお前、女の子……?」

一方通行「……悪ィかよ」

上条「ま、マジで? でもお前、さっき自分の事を『俺』って」

一方通行「女だからって、自分の事を『俺』って言っちゃ悪いンですかァ!?」

 一方通行は顔を赤くしながらそう答えた。
もともと肌が白いせいか、赤くなったかどうかがはっきりと見てわかる。
先程まで戦っていたとは思えない、どこか間抜けな会話は続く。

上条「いや、悪くは無いけど……変じゃないか? 他の誰かに言われたりするだろ」

一方通行「……周りに人なンて、居なかったンだよ」

 と言いながら一方通行は目を背けた。
聞いてはいけない質問だったのか、と上条はばつが悪くなる。

上条「あー……すまん。何かごめんな」

一方通行「……チッ、別にいいけどよ、そろそろどいてくンねェか」

上条「へっ?」

一方通行「……いつまでも胸揉ンでンじゃねェって言ってンだよ!」

 そう言った一方通行の顔はやはり赤かった。

212 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」3/7[saga] - 2011/05/07 18:03:02.21 Oa6b2r4AO 4/9



上条「あっ、わ、悪い! 今退くから!」

 改めて自分が女の子を押し倒しているという状況に気付き、上条は素早く起き上がった。
そして上条は、無意識に一方通行を起こすために右手を差し出す。

上条「大丈夫か? ごめん、痛かったよな。ほら、掴まってくれ」

一方通行「……オマエ、頭大丈夫か?」

上条「え?」

一方通行「さっきまで俺達は戦ってたンだ。
      その相手に無防備に手を差し出すなンて意味わかンねェだろが」

上条「あっ……」

 一方通行に言われて初めて、上条は自分が何をするためにここに来たのかを思い出した。

上条「そうだ、実験! 俺はお前を倒して実験を止めるんだよ!」

一方通行「あァ、オマエは俺を倒して実験を止めに来た。
      だったら、俺なンかを助ける暇あったらとっとと殴りやがれ」

 一方通行は地面に背中をつけたまま動こうとせず、
その姿からは戦う意志など全く感じられない。
上条にまたしても一つの疑問が浮かぶ。

上条「……お前、本当に悪い奴なのか?」

一方通行「ハァ? いきなりふざけた事言ってンじゃねェよ」

上条「いや、お前が本当に一万人も殺したとは思えなくて」

213 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」4/7[saga] - 2011/05/07 18:03:32.97 Oa6b2r4AO 5/9



一方通行「オマエが思う悪い奴ってのはどンなのかわかンねェが、
      少なくとも二万人のクローン相手に実験してる人間が普通とは言えねェな」

上条「ああ……しかもお前はもう一万人も殺しているというのも事実だ」

一方通行「……? 何言ってンの、オマエ」

上条「えっ? 『絶対能力者進化計画』の書類には、二万人の殺害って書いてあったが……」

一方通行「あァ……納得した、それ古いヤツだ」

上条「ど、どういうこと?」

一方通行「簡単に言うと、俺は一人も殺してなンていねェ。
      っつうかそんな頭悪ィ事する訳ねェだろ」

上条「……でも路地裏に血が!」

一方通行「路地裏? あァ、アレはペンキだ。業者さンが置いてたペンキ倒しちまって。
     でも、キチンと弁償はしたからなァ!」

上条「えっと……お前、いいヤツ?」

一方通行「だから知らねェって」

上条「……じゃあ今までの妹達はどうなってんの?」

一方通行「さァ? 知りてェンなら一緒に聞きに行くか?」

上条「遠慮しとく……なんか拍子抜けした」

一方通行「そっか、まァいいけどよ」

214 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」5/7[saga] - 2011/05/07 18:04:56.51 Oa6b2r4AO 6/9



 最早二人に戦う意志は無い。
一方通行も自然と自分の力で立ち上がり、上条の方を真っ直ぐ見つめる。
その瞳はなぜか紅く、上条はその瞳をただ見つめかえしていた。
服についた砂を払いながら、ただ黙っている上条に対し一方通行は口を開く。


一方通行「でもよォ、俺は一応最強の能力者なンだぜ?
      オマエは勝負を挑ンで来たってコトは、勝てる自信があったのか?」

 その質問に上条は自らの右手を前に出し答えた。

上条「ああ、この右手は幻想殺しっていって……説明するよりも体験してもらった方が早いかな」

一方通行「体験? どォすりゃいいンだよ」

上条「ちょっとお前も右手出してくれよ」

一方通行「……? こォか?」

 一方通行は訝しげに思いながらも同じように右手を前に出す。
その白い手を上条の傷が目立つ手が包み込んだ。

一方通行「なっ……! 何すンだよ!」

上条「いいからいいから。ちょっと右手で能力使ってみ」

一方通行「はァ? オマエ、死ぬかもしンねェぞ?」

上条「大丈夫だって」

一方通行「どォなっても……あれ? えっ? なンで?」

上条「これが俺の右手、幻想殺しさ」

215 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」6/7[saga] - 2011/05/07 18:05:36.55 Oa6b2r4AO 7/9



一方通行「何だコレ!? すげェ! もっと試してみてもいいか!?」

上条「あ、ああ、別にいいけど。でも右手以外は駄目だぞ」

 一方通行は瞳をキラキラさせながら上条の右手を触り続ける。
右手に感じる体温が少しこそばゆいと思うのは、一方通行を女性と意識してしまうからだろうか。

一方通行「うわァ……へェ……ほほォ」

上条(……何なんだこの状況は)

 飽きもせずに右手を弄り続ける一方通行、それを見つめる上条。
二人の不思議な時間は何も変わらずただ過ぎていく。
色々試しているうちに、一方通行は上条の右手に自らの手、そして指を絡めていた。

 良く考えてみると、女の子が嬉しそうに自らの手を握っているのだ。
そう上条が気付いた時、急に恥ずかしさが襲ってきた。

上条「なあ、一方通行……」

一方通行「ン、どォした?」

上条「楽しそうなところ悪いんだけど、ちょっと恥ずかしいんだが……」

一方通行「あっ……悪ィ、ちょっと夢中になってた」

 上条がそう言うと、なぜか一方通行は寂しそうに下を向いてしまった。

上条「いや、別に離さなくてもいいぞ……」

一方通行「えっ? いいのかァ!?」

216 : 一方通行「最っ高に面白ェぞ、オマエ!」7/7[saga] - 2011/05/07 18:06:38.32 Oa6b2r4AO 8/9



 上条の言葉を聞いて再び一方通行は嬉しそうに右手を包み込んだ。
効果音をつけるならパアッ、というのが良く似合う。

 このままだと朝になっても右手は解放されないかもしれない、
というより右手だけ持っていかれそうだ。

上条(……何でそんなに嬉しそうなんだろう)

そんな上条の気持ちにお構いなく、一方通行は変わらず右手を弄り続ける。
上条はその疑問を一方通行に思い切ってぶつけてみることにした。

上条「……何でそんなに楽しそうなの?」

一方通行「は、はァ!? 別に楽しくなンて!」

上条「じゃあ、もう離してもいいか?」

一方通行「えっ……? それは……」

上条「冗談だって。触っててもいいけどさ、理由くらい教えてくれよ」

 答えるかどうか少し迷った後、上条の目を見つめながら一方通行は口を開いた。

一方通行「……人の手に触れるのなンて久しぶりだったからよォ、つい……」

 と、照れくさそうに答える一方通行の頬には少し赤みが差していた。
そんな女の子っぽい仕草を見て上条は、

上条「……やば、グッときた」

 とか言ったとか言わないとか。


217 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage] - 2011/05/07 18:07:38.61 Oa6b2r4AO 9/9

同じようなネタがあったらごめんなさい、っつうか普通にありそうだ…
どうも失礼しました