96 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/05/24 15:05:51.43 mk/l0PuS0 1/22

未完成作品もおkってことなんで、
21レスほどもらいます。
忍ペンまん丸とのクロス

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-29冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305991024/
97 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:07:30.50 mk/l0PuS0 2/22


 



 窓から零れる光の中、一人少女はベッドの上で微睡んでいた。
家主が用意してくれた朝飯はもう済ませていて、
 つまり二度めの眠りを楽しんでいるわけだ。
まったくもって、良いご身分である。

 ――カラン。

 ベランダからだろうか?
 顔にかかった銀髪を払うと、少女は眼を擦りながら立ち上がった。
 大きな欠伸を手で隠す。そのまま片手で窓を開けた。






 ――目の前に映ったのは、青い、丸い物体。


98 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:08:07.09 mk/l0PuS0 3/22


 



 デジャビュ。少女はまずその言葉が思い浮かんだ。

 「なんなんだよ……」

 ポツリ、と呟くと、その青い物体がもぞりと動いた気がした。
 そのことにハッとする。もしかして、生き物なのかもしれない。
 現実味がないせいか思い付かなかったが、生き物だとしたら早く救出するのがシスターの役目である。
 少女は青い物体を引き上げようと力を込めて――、尻餅をついた。
 結果案外軽かったその物体と一緒に、ベランダに落ちる形となった。
 痛みに耐えつつも、自分が引き上げた物体を覗きこむ。
 と、同時にその物体が顔をあげるように動いた。

 ゴツン!

 額に火花が散ったような衝撃を受ける。
 涙目になっていると、

 「だ、大丈夫……?」

 小さな男の子のような声が聞こえた。
 思わずキョロキョロと辺り見回すが、誰もいない。
 それはそうだ、ここはベランダなのだから。ならばと視線を落とす。

 青い物体と思っていたのは、やけに表情豊かなペンギンだった。



99 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:08:44.80 mk/l0PuS0 4/22


 


「君はなんなのかな?」

 喋るペンギンなど初めて見た。少女の中に眠る魔導書にも書かれていない。

 「ぼくは、まん丸っていいます!」ビシッ

 違う。
 名前を聞いたわけじゃない。
 少女の目の前に座るペンギン、まん丸はビシリと短い手を伸ばした。
 その様子が可愛らしくて、まぁそんなことはどうでもいいかとも思えてくる。
 うん、シスターさんは広い心を持っているのだ。

 「お姉さんの名前はなぁに?」

 「私はインデックスだよ!」

 にこりと微笑むと、
 まん丸も照れ臭そうににこりと笑った。

 それにしても、

 「どうしてベランダにかかってたのかな?」

 「人をさがしてるの、……あれ?」

 「??」

 「ネンネンがいない……」

 まん丸は元から青い顔を一層青くして、
 ぴぃ~っと鳴きながらぐるぐるとその場で回る。
 止めなくては、と思うと同時に自身の足に躓いたのか、
 バタンと倒れた。


 

 
 ペンギンは、走るのは下手らしい。


100 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:09:22.02 mk/l0PuS0 5/22







 そういえば昨日は雨が降っていた。
 空気中の埃が洗い流されたのか、清涼な空気が頬に触れる。
 インデックスはふにゃりと表情を緩めた。

 「インデックスさん、どこに向かってるの?」

 「んふふ、頼りになる人のとこなんだよっ」

 修道服姿の少女と、ペンギンが歩いている姿は目立つ。
 平日の午前中で、
 ほとんど道行く人がいないのが幸いした。

 「最初は子萌のところに行こうと思ったんだけど、今は学校だからねー」

 「学校?」

 「うん学校なんだよー」

 緩慢な空気が二人の間に流れる。
 自分よりも年下と強く意識させられる存在に出会うのは、
 インデックスにとっては珍しいことだ。
 少し浮かれていることを自覚しつつも、まん丸を見て頬が緩むのが抑えられない。

 (可愛いなぁ……、あ)
 
 ぴたりと足が止まる。
 まん丸は前につんのめりそうになるが、危ういところでバランスを保つ。
 それにふぅ、と安堵の息を吐いた。

 「よし、ここなんだよ!」

 「ここって……お店?」

 「コンビニっていうんだけどね、とうまとここに行くとよくその人に会うんだよ!」

 薄い胸を張る。
 しかしまん丸は困ったように目尻を下げた。

「それって……会えなかったらどうするの?」

 インデックスが固まる。
 嫌な、予感がした。






「考えて、なかったんだよ……」


101 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:09:52.93 mk/l0PuS0 6/22






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――



 珍しく早くに目が覚めた。
 時計を見ると針は9時過ぎを指している。
 今日は急に連絡でも入らない限りは、何も予定が入っていない。
 二度寝をしてもいいのだが、珍しくそんな気分にもならない。
 とりあえずコーヒーでも飲もうと、リビングの扉を開けた。

 「あなた今日は早起きさんなのねって
 ミサカはミサカはあなたと時計を見比べながらびっくりしてみる!」

 「あァ……他の奴は?」

 「黄泉川は学校だし、残り二人はまだ寝てるよ! 
ってミサカはミサカは暗に一人で寂しかったことを主張してみたり」

 ふぅん、と欠伸を噛みしめながら適当に返事をする。
 キッチンに行き、冷蔵庫から買い置きのコーヒーを取り出す。
 見るとあと残り一本しかなかった。
 あとで買いに行かなくてはと思いながら、
 グビリ、と杯をあおった。


102 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:10:47.52 mk/l0PuS0 7/22






 「お出かけするならミサカもつれてって! 
 ってミサカはミサカはあなたの腕にぎゅっと抱きついてみるっ」

 駄々をこねられ、仕方なく打ち止めも連れていくことになった。
 結局打ち止めに対して甘いのだと自分を叱咤する。

 「なンも買わねェぞ」

 「あなたとお出かけすることが楽しいのって
 ミサカはミサカは頬を膨らませてみたりっ」

 ――この野暮天め。
 見当違いのことをいう少年に、打ち止めは心の中で密かに悪態を吐いた。
 花があしらわれた華奢な作りのサンダルを履くと、
 打ち止めは一方通行よりも先に玄関から外に飛び出す。

 「あれ?」

 「どうした?」







 「これなんだろう、
 ってミサカはミサカは玄関先に落ちていたものを摘まんでみる」

 また厄介事でも降りかかってきたのだろうか。
 打ち止めの摘まんだ緑色の物体に目線をやりながら、
 一方通行ははぁと大きな溜息を吐き出した。


103 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:11:20.94 mk/l0PuS0 8/22






 緑色の物体は粘土のように見えたが、いかんせん蠢いている。
 一方通行としてはアメーバのようであまり可愛らしいものには見えないのだが、
 打ち止めはこの蠢く粘土をえらく気に入ったようだった。

 「おい、それも連れていくのかァ?」

 「うん! 可愛いんだもんってミサカはミサカは緩む頬を抑えきれない!」

 「オリジナルといい、オマエといい、わかんねェ趣味してンなァ……」

 これが何かの能力だったら? その可能性は否定しきれない。
 打ち止めの掌に乗せられたそれを見て、眉を潜めた。

 (注意しとく必要があンなァ……)



 それが、笑ったように蠢いた。

 
 「    」
     

104 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:11:51.40 mk/l0PuS0 9/22





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――



 インデックスは困っていた。
 何せ行けば会えると思っていた人間が見つからないのだ。
 自信満々にまん丸に言ってみせた手前ばつが悪い。
 彼女の中で、まん丸に対しお姉さんぶりたかったということもある。

 「どうしよう……」

 まん丸は困っていた。
 自分のために行動してくれた少女が項垂れる姿を見て。

 「どうしよう……」
 
 「ごめんね、まん丸。私ばかなことをしたんだよ」
 
 彼女の目が潤む。
 
 「い、インデックスさん。大丈夫だよ、ネンネンはね。
 ネンネンは木の上で寝てて川に落ちてね、
 タカにつかまって食べられそうになってね、
 ダムからも落ちてまたどんどん流されてね、
 それでも一月後にちゃんと帰ってきたことがあるんだから」

 一体ネンネンとはどういうものなのだろう。
 インデックスはぽかんと口を開ける。
 まぁ説明しようにも、動く粘土と言う他ないのだが。
 インデックスのその様子を見て、まん丸はほっとしたように息を吐いた。
 
 「あは、心配させちゃったかも。ごめんね。ありがとう」

 目尻に少し堪っていた涙を拭う。
 ぐうううと、音が響いた。
 彼女は顔を真っ赤にして、申し訳なさそうに笑った。

 「ほっとしたらお腹が空いちゃったんだよ……」




105 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:12:31.46 mk/l0PuS0 10/22


 



 念雅流の家事は当番制である。
 また旅の途中での料理はまん丸に一任されていたこともあり、
 当然まん丸は上手いとはいえないものの料理ができた。
 ネンネン探しを手伝ってくれるお礼として、
 インデックスに料理をつくってあげようと一旦学生寮に戻った次第である。
 
 「材料はある?」
 
 「えっとね、そこのれいぞうこって奴に入ってるかも」

 「この白い箱かな?」

 まん丸にとって、冷蔵庫は未知のものであった。
 ご飯を炊くのにも釜戸を使う山奥に住んでいたのだから、当然といえば当然であった。
 この箱は、どう開ければいいのだろうか。
 とりあえず箱は上から入れるものだ、まん丸はそう判断をすると、

 「たあっ」

 つるつるとした表面の一定間隔毎にある窪みに足をかけてよじ登り始めた。
 当然登るものではないため、登りにくい。

 「まん丸……何してるのかな」

 そんなところに声を掛けられたものだから、
 驚いて足を滑らせてしまったのも仕方ないと言えるだろう。
 


106 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:13:03.48 mk/l0PuS0 11/22







 ばだっ。
 落ちた弾みで、冷蔵庫の窪みが引っ張られたのか、勢い良く開いた。
 それが追撃とばかりに、まん丸の頭にぶつかる。
 
 「いたたたた」

 「だ、大丈夫?」

 「うん。れいぞうこは何か入ってる?」

 涙目になりつつも、
 まん丸は当初の目的を聞いた。
 
 「えっと……」

 冷蔵庫の中身を覗いたインデックスは絶句する。
 毎日放課後にスーパーに行ってとうまが買ってきてくれているのは知っていたが、
 いや知っていたからこそ、こうも何もないとは思わなかった。

 「……調味料しかないんだよ」

 調味料だけでは、さすがに何も作れないだろう。
 家主が用意してくれた昼食はあるが、まだ昼前で、
 それを食べたら夕食まで保たないことは明白であった。
 しかしこれ以上まん丸を困らせるわけにもいかないと、
 インデックスは「やっぱりお腹は空いていない」のだと訂正しようとまん丸に向き直る。
 しかしまあタイミングの悪いことに、

 ぐうううううううう、と

 先ほどよりも盛大に、インデックスの腹の虫の音が響いた。


107 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[sage] - 2011/05/24 15:13:32.29 mk/l0PuS0 12/22





 「ぼくに良い考えがあるよ!」

 二度目の腹の虫を鳴かせ、泣きそうになっていたインデックスにまん丸はニッコリと笑った。
 背負っていたリュックサックを床におろしたかと思うと、何枚もの折り紙を取り出す。
 
 「折り紙……?」

 「うん!」
 
 躊躇いなくどんどんと紙を折っていく。
 外国人にとって、折り紙は芸術である。もし折れと言われても折れる自信はない。
 鶴とか何なの、あれ。
 それを、指のないペンギンの手で瞬く間に完成していく様は、
 お伽噺に出てくる魔法のようだとインデックスは思う。

 「完成! にんじんときゅうりと豚肉とキャベツです」

 「凄い……」

 まん丸は照れ臭そうに頬を染め、ふにゃりと顔をだらけさせた。
 しかし、これをどうするのだろうか。
 おままごとじゃあるまいし、これを食事にするわけにもいかないだろう。
 その疑問が顔に出ていたのか、

 「大丈夫だよ」

 そう言って、完成した折り紙を宙に放り投げる。



108 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:14:18.93 mk/l0PuS0 13/22










 ――「本物になあれ!」










 まん丸が叫んだと同時に、折り紙は姿を変えた。
 にんじんもきゅうりも、どれも新鮮な食材に見える。
 なんと驚くべきことに、
 確かに折り紙だったはずのものが、言葉通り本物に変わっていたのだ。

109 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:14:53.52 mk/l0PuS0 14/22







 紙の味がする、
 あまり美味しいとは言えない食事を堪能した後、
 インデックスはまん丸に向き直った。

 「さっきのあれは、なんなのかな?」

 あれは、魔術ではない。
 インデックスはそう判断した。
 超能力なのかもしれないが、そうだというなら、一体どのようなものなのか。
 
 「あれは、本物になあれっていう術だよ」

 あれま
 
 思わずずっこける。
 いやまぁ聞き方も悪かったが。

 「違うんだよ、えっと、そう! 術っていうのは何なのかな?」

 「念法だよ」

 「念法?」
 
 「えっとね、ネンガ様が言うには……」

 真の健康状態により、
 意念によりあらゆることが可能になる、それが念法である。
 
 言葉をなぞるように、たどたどしい言葉で説明する。
 インデックスは思う。
 以前小萌が言っていた、「自分だけの現実」と少し似ているかもしれない。
 どちらにせよ、念法というのは、
 才能、が大部分を占める術なのだろう。
 このまん丸と言うペンギンは、ひょっとしたらとても凄いんじゃないか?
 インデックスがじっとまん丸を見ると、
 まん丸は小さく、「僕もよくわかってないんだ」と恥ずかしそうに呟く。
 きゅん、とした。
 いちいち心をくすぐる行動をするペンギンである。

 

110 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:15:29.66 mk/l0PuS0 15/22




 
 「じゃあ、ベランダに掛かっていたのも
 “念法”が関係するのかな?」

 「うーん、人を捜していて、
 間違ってビルから落ちちゃったのをサトルさんが助けてくれたんだけど……」

 サトルさんとは誰なのだろう。
 不思議に思ったが、質問攻めにするのも酷だ。
 きっとその組織の中での仲間か何かなのだろう、と
 インデックスは自身を納得させた。

 「……人?」

 「うん。えっとね、ネンガ様からのお使いなんだ」

 少し誇らしげに言う。
 そのネンガ様とやらを、尊敬しているのだろう。
 しかし、わかった。
 その人探しをしている途中で、仲間であるネンネンとはぐれたと。

 インデックスはお茶を一口、喉に流し込んだ。 

 さぁどうしようか。
 ネンネンというまん丸の友達を捜してあげなくてはいけない。
 夕方になるまで待って、
 とうまに相談するのでもいいだろう。
 小萌に協力を頼めば、もっと早く見つかるかもしれない。
 けれど、
 それまで何もしないというのも居心地が悪い。


111 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:15:57.60 mk/l0PuS0 16/22





 
 「ネンネンが好きそうな場所とかってあるかな?」
 
 まん丸は首を傾げると、うーんとうなった。
 
 「ネンガさまの座布団が好きみたいだけどなぁ」

 「それは、何か違う気がするんだよ……」

 うんうんと唸るまん丸。
 これ以上考えても思いつかないだろう。
 先ほどから時間も経ったし、
 コンビニにまた行ってみるかと提案しながら立ち上がる。
 
 「ありがとう」

 インデックスは、微笑んだ。
 ぽかぽかと、胸が暖かくなったのを感じる。
 まん丸は自然と笑みが零れていたことに気づき、
 またにっこりとインデックスに向かって微笑み返した。








 (そういえば、聞き逃しちゃったけど捜してる人って誰なのかな)

 

112 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:16:29.70 mk/l0PuS0 17/22



 ――そして、二人は先ほどのコンビニに戻ってきたわけで。
 もう太陽も真上に届きそうで、
 食べたばかりだというのにインデックスのお腹にはもう余裕が出来はじめていた。
 くぅ、と可愛い音が鳴る。
 まん丸は、顔を真っ赤にさせた。
 そういえば、先ほどはインデックスしか食べていない。
 
 「ご、ごめんなんだよ……」

 「ううん、ボクがお腹空いてないって言ったんだから!」

 「でも……」

 しょぼん、と項垂れる。
 
 「そうだ! ボクじいやさんから貰ったお金を持ってるんだ」

 「……?」

 「このこんびにってところで、何か買えるんじゃないかな」

 小銭入れを掲げ、自動ドアの前に立つ。
 しかし、開かない。

 「あれ?」

 (これって前に立ったら開くんじゃないの?)

 


 カッカッカッ

 

 杖がアルファベットを叩く音が聞こえた。
 自動ドアの前で立ちつくしているまん丸から目を離し、
 インデックスは後ろを振り返る。
 ベールのような白い帽子がふわりと風になびいた。

 「あれれ?」
 
 少女特有の高い声。
 この声を、インデックスは知っていた。
 
 「オマエ、三下のとこの……」

 「あ」
 
 後ろの様子に気付いたまん丸も振り返る。
 そこには、
 異様なほどに白い男と、
 明るい茶髪をはねさせた溌剌とした表情が可愛らしい、
 幼い少女がいた。

 「インデックスさん、だあれ?」



113 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:17:01.14 mk/l0PuS0 18/22



















 まん丸「あ、ネンネン」

 ネンネン「」コクリ



114 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:17:47.68 mk/l0PuS0 19/22

 


 一方通行「何だァ? このアメーバ、オマエのか?」

 禁書目録「私の、ってわけじゃないんだよ……」

 禁書目録(……ネンネンって本当に粘土だったんだね)ポカーン

 打ち止め「わぁ、わぁ! なぁに、このペンギンさん! 
 ってミサカはミサカは興味津々に目を輝かせてみる!」

 まん丸「こんにちはー」ペコリ

 打ち止め「わわわ! 礼儀正しいのね! 
 ってミサカはミサカは負けずに丁寧にお辞儀を返してみたり」ペコリ

 一方通行(このペンギン、喋った、だと……?)

 ネンネン「」ウネウネ

 まん丸「よかったぁ」ニコニコ

 ネンネン「」ニコニコ




115 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:18:29.68 mk/l0PuS0 20/22




 
 打ち止め「うぅー、あの子があっちにいっちゃったことにミサカはミサカは落ち込んでみる」

 一方通行「諦めろォ。……ってかオマエは、なンなンだ?」

 まん丸「ボクはまん丸っていいます!」ハイ

 一方通行「……」

 打ち止め「たぶんこの人は、あなたが何で人間の言葉を話せるのか聞いているんだと思うの。
 ってミサカはミサカは推測を立ててみる」

 一方通行(実験動物とかか……?)
 
 禁書目録「たぶん白い人は思っているようなことじゃないかも……」

 禁書目録(あれ? けど私もよくまん丸のこと知らないかも)

 まん丸「サッカーが得意です!」ハイ

 禁書目録(……ま、いいよね)ニヘラ

 打ち止め「んーよくわからないけど……
 まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」ギュッ

 まん丸「わわわっ」

 禁書目録「わ、わたしも抱きつくんだよ!」ギュッ





 一方通行(……まァ、敵じゃないか)

 一方通行(つーか、結局これはなンなンだ?)ツマミ

 ネンネン「」ツママレ


116 : 打ち止め「まん丸可愛いーってミサカはミサカは抱きついてみたり!」[saga] - 2011/05/24 15:19:05.63 mk/l0PuS0 21/22




 
 まん丸「そうだ! こんびにに入るんだった」テトテト

 自動ドア「」シーン

 まん丸「……」

 一方通行「……あァ」ナルホド

 打ち止め「えっと、たぶん身長が足りないんだと思うの」

 まん丸「?」ワカッテナイ

 打ち止め「ミサカたちと一緒に入ればいいよって
 ミサカはミサカは提案してみる」

 禁書目録「いいのかな?」

 一方通行「……あァ」

 まん丸「ありがとう!」ペコリ

 一方通行「……」カッカッ


 ウィーン


 打ち止め「あ、待って! って
 ミサカはミサカはあなたのことを必死に追いかけてみたり!」

 まん丸「」タッタッタッ

 コケッ

 禁書目録「大丈夫?」

 まん丸「う、うん……」グスッ

 ネンネン「」アワアワ

 禁書目録「……」ジー

 ネンネン「」?

 禁書目録「……本当に、ネンネンって粘土だったんだね」ジー

 まん丸「」ムッ

 まん丸「信じてなかったの!」プンプン

 禁書目録「も、もちろん信じてたかも!」アワアワ








 打ち止め「おーい、早くー! ってミサカはミサカは呼びかけてみる!」オーイ

 禁書目録「あ! ごめんなさいなんだよ!」



117 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/05/24 15:21:59.92 mk/l0PuS0 22/22

終わりです
多いな、すまんこ
じいやさんの先代がアレイスターと繋がりがあって、
動物を忍者にしたのはアレイスターのプランに関わっているとか
色々考えてたけど、クロスの難しさに頓挫した。
頓挫って漢字難しいな書けないわ