225 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga] - 2011/09/04 16:00:43.08 mKgAvRTDo 1/4

小ネタで2レスもらいます

グロ、猟奇表現っぽいものを含むので注意
あえて言うなら欠陥通行だけど一方さんの愛は一方通行です

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-33冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314623016/
226 : とある狂気の偏愛通行[sage saga] - 2011/09/04 16:01:33.16 mKgAvRTDo 2/4



幼い頃から子供らしい玩具は何一つ与えられなかった。

友人も一人としていない。

例え友人らしい人間が出来たとしても、結局は死ぬか、
そうでなければいずれ彼自身の手で殺すことになるだけだった。

彼に与えられたのはグロテスクな色合いの薬と電極と、苦痛と絶望――そして強すぎる能力だけ。


「彼女達は人形だ。君のために作られた、ただの人形。何も気に病む必要はない」

とある施設のとある実験室。
血を流して倒れゆく少女を呆然と眺めながら、一方通行はその声を聞いていた。
確かに死を目前にしてなお、恐怖すら映らぬその瞳は人形のグラスアイのよう。

――人形。

言われた言葉を心中で繰り返す。

――ただ一人、一方通行のために用意された人形。

それは少年に初めて、そして唯一与えられた“子供らしい玩具”だった。




227 : とある狂気の偏愛通行[sage saga] - 2011/09/04 16:02:17.78 mKgAvRTDo 3/4



  ◆ ◇ ◆


路地裏を少女が走っていた。
息は散り散りに乱れ、衣服も乱れ、体のあちこちには血が滲んでいる。
手にしたおもちゃの兵隊が重かった。
唯一『狂気』に対抗出来るはずのそれも今の少女にとってはただの重荷でしかない。

「……ぎゃは!」

誰もいない路地に響き渡るのは少女の息遣いと、そして狂気に満ちた少年の笑い声。

「ンだァ? 愉快にケツ振りやがって誘ってンのかァ!?」

その声は楽しげで、狂おしげで、そして愛おしげで。
ふ、と空気が揺らいだ。
走っているはずの少女の首筋に添えられた冷たい手はいったい何なのか。
それを理解する暇もないまま、少女は耳元を熱い吐息と共にくすぐる優しい声を聞く。

目前に迫った死への恐怖が少女には理解できない。
しかしその重圧は確実に彼女のすべてを圧迫していた。

「そンなことしなくたって、俺はオマエしか見てねェから」

それはまるで恋人に囁く声のようだ。

「……なァ、今回はどォして欲しい?
2535号の時は俺を必死で呼んでたまらねェ声で喘いでくれたし、5820号の時は血液をぜェンぶ俺にくれたよなァ。
6978号の時は髪の毛の一本一本全てから瞳の奥、可愛い可愛い唇の先も、皮膚の裏側も綺麗な心臓も見せてくれた。
9321号を食べた時は本当に一つになれたンだって……思わずイく所だったわ。
……なァ、今回はどォしようか?」

「ッ……」

いや、事実この白い少年は模造品の少女に愛を囁いているつもりなのだろう。
例えそれがいくら偏執的なものであろうと、いい加減少女とて気がついていた。

「そォだ。剥製にして飾ろうか。……オマエは俺の可愛い可愛いお人形だもンなァ」

ライフルを構えようと脳に電気信号を送ったときにはもう遅かった。
触れられた首筋から少女の体はすでに全てが掌握されていて、もう指を一本動かすことすら叶わない。

ザザ、と脳内がまるでノイズが走ったかのように明滅する。

どうしてこうなったのか。
黒に染まりつつある思考の僅かな領域を使って少女は思う。
まだ物と化した少女達が三桁代だった頃は少年の態度はここまで異常なものではなかったように思う。
彼の精神が徐々におかしくなっていったのは確か1000号を殺した頃だったか。

「……愛してる、俺の欠陥電気」

――その声を最後に、10031号の個としての意識は途絶えた。






続かない。




228 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage] - 2011/09/04 16:03:06.89 mKgAvRTDo 4/4

おわり

ヤンデレールガンとか病み止めさんとか病み条さんとか結構見るけど
意外にヤンデレータって見ない気がしたんだよね もともと病んでるからかなぁ

という訳で原作とは違うベクトルで病んでいただきました

この後上条さんと一緒にいる10032号を見て嫉妬心爆発させたり、
最終的に実験を止める選択をした妹達を見て絶望に狂ったりするのを妄想したけど
男のヤンデレって誰得っていうか面倒になったので続きません