35 : 上条「露出の会?」[] - 2012/02/06 00:06:32.54 +mIY4lIDO 1/8

6レスいただきます
シリアス過多な下ネタ?注意

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-36冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328256460/
36 : 上条「露出の会?」[] - 2012/02/06 00:07:22.69 +mIY4lIDO 2/8





上条「もうすぐ……春、だな」

黒子「そうですわね……」

上条「……あ、あのよ」

黒子「……何ですの?」

上条「……何でもない」

黒子「……そうですか」


何故、こんなことになっているのだろう。
上条当麻は途方にくれながらも、夕陽を背中に受けて思う。
二人の座るベンチの影が、闇に溶けていく。
横をちらと見ると、細い線で描かれた横顔があり、慌てて視線を前に戻す。
初めは、ささいな好奇心だったのだ。
休み時間、学校のパソコンでインターネットを弄くっていたときのことである。


――「露出の会……?」カチカチッ
――「……何だこれ」


そこで見たのは、新しい世界だった。
投稿された写真と、掲示板しかないシンプルなサイトであったが――上条当麻は、魅了されたのである。
その、背徳にまみれた世界に。
光の中で、それこそ光のような存在を守ってきた上条当麻には、それは新鮮であった。




37 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2012/02/06 00:07:56.50 +mIY4lIDO 3/8





――「第一ステップは、下着を穿かない……か」


ギリギリ可能だろう第一ステップ。これがもし、最初から全裸で街に繰り出す――などだったら、上条当麻も過ちを起こすことはなかったのかもしれない。
しかし現実は数奇なものだ。
上条当麻が、ギリギリ、大丈夫だろう――やってみても、試してみてもいいだろう! と思える範囲だったのだから。
それからの上条当麻は違った。
口癖であった「不幸だ」という言葉を口に出すことも減り、代わりに――


――「カミやん、最近明るくなったなぁ」

――「何か良いことあったのかにゃー?」

――「とうま、最近ご機嫌だね!」


気分が良く、周りの評判も良い。
これは、上条当麻を次のステップに進ませるには充分だった。


――「第二ステップ……が、ふむ」


上条当麻は次の日から、ぴっしりと学ランの前を閉めるようになった。
男は、守るべき存在が多いほど強くなる。
そのときの上条当麻は、自身の両胸と股間に目線を送りながらそう言ったという。
日に日に、上条当麻は――自身の興奮が抑えきれなくなっているのを感じていた。



38 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2012/02/06 00:08:24.00 +mIY4lIDO 4/8





――「第三ステップ……は、っ!? パスワードだと!?」ガタガタッ


そんな中での――絶望。上条当麻はまさに顔面蒼白になった。
まさか――まさか、こんなトラップがあっただなんて!
そんな中で掲示板に上がったレス、それが――


――「ようやく第五ステップに進みましたの! ……だって?」


嫉妬、羨望、様々な感情が入り交じる中、上条当麻は閃いた。


――「もしかしたら、パスワードを教えてもらえるんじゃないか?」


そう考えてからの上条当麻は早かった。
接触をはかり、まずは露出についてのトークで相手の気分をおだて――そしてようやく、上条当麻はターゲットに会う約束を取り付けたのであった。
ちなみに何故掲示板上で教えないのか、それは簡単なことだ。
掲示板は、誰にでも見ることができる。
そこでパスワードを教えるなんてしたら――厳しい罰則があるのだという。
ならばメールは?
そう、メールならば可能だ。
しかし、上条当麻は――そして相手も――思ったのだ。
ニッチな趣味を持つもの同士、仲良くしたい。
――友達に、なりたい!
ただただ、純粋に、そう思ったのである。




39 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2012/02/06 00:08:50.06 +mIY4lIDO 5/8





そして現在――上条当麻は悩んでいた。


上条(もしかして……本当に白井、なのか?)

上条(いやいやいやそんな)

上条(つか! 「デスノ」さんは漫画好きな男の人じゃないのかよ!? 名前的に!!)

上条(……あー、どうすっかな)

上条(わかんねぇ。間違ってたら「間違ってました」ですまねぇし)

黒子「……あの」

上条「はひ!?」ビクッ

黒子「……その、あの……が、学ラン、そんなにぴっしりと閉めて苦しくはないんですの?」

上条(――っ)

上条「だ、大丈夫だ!」

上条(これは、どっちだ!? 知っててか、いや普通の会話だとしても有り得る――っ)

黒子「そ、そうですの」ソワ

上条「そっそれよりお前ずいぶんデカイコートを着てるんだな!」

黒子「」ビクッ

上条「お前らってスカート短いからさ、スカート見えないから穿いてないみたいに見えるな――……って」

上条(あ、あれこれセクハラ?)

上条「……え、えっと白井?」

黒子「……」

上条(まずった!?)




40 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2012/02/06 00:09:17.76 +mIY4lIDO 6/8





上条「い、いやセクハラとかじゃ……っ」

黒子「……デスノ、ですの。あなたはソゲブさんでよろしいですか?」

上条「っ」

黒子「――おそらく、このコートの下は、あなたの学ランの下と一緒ですわ」

上条「白井……いや、デスノさん……」

黒子「すこし、驚いてしまいましたの。まさか、あなただとは――いえ、申し訳ございません。……パスワード、ですわよね」


黒子は少し肩を震わせたかと思うと、パッと顔をあげた。
その表情は笑ってはいるが、どこか陰りがあって――。気がつくと、上条当麻は強く黒子の細い肩を掴んでいた。


上条「それより……っなんで! なんでお前がこんなこと!!」


――失言。言ってしまった後に口を抑える。
これはステップ五までいっている彼女に言う――言っていい言葉ではない。
白井は睫毛を伏せると、はぁと息を吐いた。


黒子「――それは、あなたも一緒ではないですか?」

上条「……え――」

黒子「わたくし、お姉さまを敬愛しております」

上条「……」

黒子「お姉さまはとてもお強い――けれど、とても弱い方」

黒子「守られるだけでなく、守りたいと」

黒子「――お姉さまの、パートナーでいたいと思っていますの」

黒子「あなたも、……守りたい存在があるのでは?」

上条「……そう、だな。悪かった。何でこんなこと――なんて、バカな質問だったな」

黒子「えぇ……守るべきが多いほど、強くなる。そして、その守るべきものを捨て、本当に大切なものを守れたときこそ――」

上条「わかってる」

黒子「――そうでしたわね」クスッ




41 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2012/02/06 00:09:47.66 +mIY4lIDO 7/8




黒子は立ち上がった。影が地面を走り、伸びる。
風がコートを捲りあげるが――黒子は、抑えない。


黒子「パスワードを教える前に一つ、お聞きしなくてはなりませんの」

上条「――おう」

黒子「――あなたは、大切なものを守るために、全裸になれますの?」


夕陽を背に受けた黒子の顔はよく見えなかった。
しかし、と上条当麻は拳を握りしめる。
自然と唇が弓を描いているのがわかった。
上条当麻はその熱い決意を胸に灯しながら、腹からわきあげてくる熱情そのままに、叫ぶ。


上条「もちろん!」


守るべきもの。
人によってそのベクトルは違くとも、その思いは同じである。
上条当麻は白井黒子に笑い、白井黒子は上条当麻に笑う。
二人の気持ちが、本当に繋ぎあった瞬間であった。









上条「――で、パスワードって何なんだ?」

黒子「管理人さんがいらっしゃるんですけれどね、その方のハンドルネームだそうでして」

黒子「漢字がちょっと変わっていまして――」カチカチ

黒子「――悪世羅、さんだそうですわ」


おわり

42 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2012/02/06 00:10:40.60 +mIY4lIDO 8/8

おわり
僕は穿いているおパンツ派です