756 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage saga] - 2012/08/18 02:25:52.39 EIDZrt7AO 1/6
オッレルスさん家にしばらく住む事になった上条さんがちょっと酷いお話。
新約4巻でアピールをしていたフィアンマさんを彼が無視していたため浮かびました。
フィアンマさんが比喩表現無しに乙女。
所謂(先天的)TSですが、一人称は変化しないのでホモ臭い。
4レス程お借りします。
上条がフィアンマを無視すると決めたのは、『グレムリン』との戦いが大体治まり、しばらくオッレルス宅(=アパートメント)で暮らす事に決まったその翌日だった。
深い理由は無い。
別に、フィアンマに右腕を切られた事含む戦時中の全てについて、憎んだり、特別嫌ったりはしていない。
フィアンマはただ歪んでいて、誰からも優しくされなかったからあんな行動に出たのだろう、と上条は思っているからだ。にも関わらず、何故無視をするなどという行為に出たのか。それは、上条当麻本人にしか分からない。
フィアンマ「上条」
上条「…」
オッレルス「おはよう」
上条「あ、おはようございます」
フィアンマ「…、…上条当麻、…おはよう」
上条「……」
シルビア「あー、寝過ぎた。おはよう」
上条「おはようございます」
フィアンマ「…」
勇気を振り絞ったフィアンマの挨拶を無視し、オッレルスやシルビアの挨拶にはのんびりにこやかに返す上条。
オッレルスは不可解に思いつつも、強くフォローするでもなくフィアンマに挨拶をした。
当然の事ながら、フィアンマも返事を返す。
昼の時間も、上条はフィアンマを無視した。
夜も、フィアンマを無視し続け。
翌日、またしても挨拶を無視されたフィアンマは、色々と思考した。
原因なんて腐る程ある。
フィアンマ(第三次世界大戦、『禁書目録』の利用、右腕切断…俺様をコンテナに乗せて脱出させたあの時、ヤツは大量の失血と肉体疲労でどうかしていただけなのかもしれん)
今頃になって、憎悪がぶり返してきたのかもしれない。
じわ、とほんの少し瞳が潤み、泣かないよう唇を噛み締めると、フィアンマはめげずに好意のアピールをする事に決めた。
ただ、彼女は今まで人に好かれようとした事が無かった為、一般的な方法(対友人になりたい相手)が分からなかった。
一週間後、オッレルスに相談してみたはいいものの、言葉が足りず。
フィアンマ「…上条当麻と、親密な関係になりたいのだが」
オッレルス「……ひとまず、手作りのお菓子をあげたらどうかな」
親密になりたい、を、恋人になりたい、と受け取ったオッレルスはそんなアドバイスを授けた。
フィアンマはシルビアに頼み、手伝ってもらう形でクッキーを作った。
シルビアはオッレルスの勘違いをそのまま受けた為、告白の文句も考えてあげたのだった。
フィアンマは何かと世情(悪意など自分が接してきたものには敏い)を知らない、深窓の令嬢も真っ青な程に純粋で。
告白の文句だと気付かず、言ってみる、と頷いた。
午後。
シルビアが考え出した台詞と共にクッキーを差し出され、上条は目を瞬かせた。
フィアンマ「か、みじょう…その、」
上条「……」
フィアンマ「…悪かった。すまなかった。お前が俺様を嫌うのも最もだ。だが、俺様はお前が好きだ、お前が俺、俺様を、きら、きらいでも…無視、されても…」
オッレルス(が、頑張れ…)
上条に一週間もの間自分だけ無視された言葉を思い出して涙を目に溜めていきつつ、小さい紙袋(クッキー入り)を差し出すフィアンマの姿はどこからどう見ても告白する女性の姿に見えた。
上条はようやく無視をやめ、紙袋を受け取った後、沈黙に耐えきれず泣き出したフィアンマの頭をおずおずと撫でた。
上条「…嫌いな訳じゃなくて、…女だって知って、何か…何か、話し辛くなっちまって…ごめん。えっと、ありがとな」
それ以外の策略もそれなりにあったのかもしれないが、フィアンマにとってそれは問題ではなかった。
上条に返事をしてもらえたから、もうそれだけでいい。
上条「……いや、本音言うと」
フィアンマ「…?」
上条(気の強い女の子には冷たく当たった方が良いって聞いたから。俺もフィアンマの事そういう意味で好きになっちまったし、来た当初うっかり全裸にしちゃった負い目もあったからぎこちないっていうのもあったけど」
フィアンマ「…別に服を破かれたのは致し方ないと思っているが。…そういう意味で好きとはどういう意味だ」
上条「途中から声に出て…!? ええと、その、フィアンマ、も…俺の事好き、なんだよ、な?(恋愛的な意味で)」
フィアンマ「…? 俺様はお前が好きだが(恩人及び友人的な意味で)」
761 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage saga] - 2012/08/18 02:29:55.76 EIDZrt7AO 6/6
つづく、だろうか。
いや、続かない(反語)。
スペースいただきました。
長々と失礼しました。