117 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/11 07:11:04.14 BdTx183Do 1/13少し借ります
浜面滝壺麦野のハンバーグの作り方の話です
【関連】
浜面・絹旗・黒夜の焼きそばの話
http://toaruss.blog.jp/archives/1045204212.html
浜面・絹旗・黒夜の料理の話
http://toaruss.blog.jp/archives/1045204447.html
滝壺「はまづら。最近きぬはたとくろよるに料理教えているって本当?」
浜面「おう。簡単なやつだけどな。
少しでも興味持ってくれればいいと思ってな」
麦野「なぁ。だったら少し教えてくれると嬉しいんだけどさ。
浜面が作る分厚いハンバーグってどうやってるの?
3センチもあったら中まで火が通る前に黒焦げになっちゃうじゃん」
滝壺「うん。不思議だよね。
普通のフライパンでハンバーグ作ると暑さ1センチが限界だと思うんだけど」
浜面「んなの簡単だよ。オーブンレンジを使えばいいだけさ。
取っ手が取れるフライパンならそのままレンジに入れられるだろ?
そのまま200度で6分火を通せばいいのさ」
麦野「なるほどね、オーブンレンジか」
滝壺「あ、でもはまづらが前にハンバーグ作ってくれたときはオーブン使わなかったよ?」
麦野「そうなの?
じゃあフライパンだけであのハンバーグ作れるの?」
浜面「あー、そっちね。作れるさ。
少し手間はかかるけど厚めのハンバーグを芯まで火を通す方法はある」
麦野「じゃあ教えなさいよ。いろんな本読んだけれど火の通し方までは書いてないんだよ」
滝壺「だよね。最初に中火とか何分とかは書いてあるけどそれ以上はないよね」
浜面「うっし、わかった。じゃあこれから作って見せようじゃあないか。
百聞は一見に如かずってな」
浜面「材料はこれだ。
①合いびき肉 人数×200g
②玉ねぎ 人数×半個
③食パン 人数×二分の一枚
④牛乳 食パンが浸かるぐらい
⑤卵 1個
⑥ナツメグ 適量
⑦塩・胡椒 適量
⑧じゃがいも 大1個
⑨人参 大1個
⑩ケチャップ 適量
⑪ウスターソース 適量
⑫日本酒 適量 」
滝壺「一人200gもあるんだ、あのハンバーグ」
麦野「でもさ、浜面。
私が知りたいのはハンバーグの焼き方だから添え物は別にいらないんだけどさ」
浜面「ふっふっふ。実はこのじゃがいもと人参が重要なんだよなあ」
浜面「まず、食パンをちぎって牛乳にひたす。形が崩れるぐらいになるまでな。
お麩を使うといいって何かにあったけど、正直あんまり味変わらなかったし食パンの方が手軽なんで」
麦野「へぇ。お麩を使うとなにがいいのさ」
浜面「肉汁を閉じ込めておく効果が高いんだとよ。俺はあんまり違いわからなかったけどな」
浜面「次に玉ねぎをみじん切りにする。
これもちょっとコツがあってだな、最初に頭としっぽを切り落としておくんだ。
しっぽというか、根っこか。
そうしてから軸方向に真っ二つにする。そうすると皮が簡単に剥けるんだぜ?」
麦野「へぇ。皮を剥くのにも方法があるんだ」
浜面「……なんか、麦野がそう言うと少し卑猥だな」
麦野「な、何言い出すんだっ! この馬鹿っ! 変態っ!」
滝壺「セクハラ上等のはまづらはちょっと応援できない。
そういう話はわたしと二人っきりの時にするべき」
麦野「あ、アンタら……もうそんな関係なんだ……」
滝壺「ううん。勘違いするむぎのも応援できない。
でもセクハラ発言大好きな癖に言われると顔赤いむぎのは、かわいい」
麦野「滝壺っ! アンタねぇ……」
浜面「いいから続けるぞ。
玉ねぎを微塵切りにする。
半球になってるのをまず水平方向にスライス、次に縦に包丁を入れる。
最後に繊維を断つ方向に切っていく」
麦野「浜面、猫の手じゃないんだ」
浜面「俺、手がでかいから。親指で包丁の腹を押す形で切ってるわ。
味が変わるわけじゃないから別にいいだろ?」
滝壺「危なくはないの?」
浜面「慣れてるからな。
さて、微塵切りにした玉ねぎを炒める。
俺は一回ラップなしで電子レンジでチンしてから炒めてるな。そのほうが早いから」
浜面「焦げないように気をつけながら飴色になるまで炒める、と」
滝壺「色が変わるのが早いよ。レンジ使ったからかな」
麦野「なるほどね。一回水分飛ばしてるし熱せられてるから火が通るのが早いんだ」
浜面「使えるものは使わないとな。
カレーを作るときにも有効なんだぜ?
で、飴色になった玉ねぎは一回ボールに移して粗熱を取っておく。
ひき肉をこねる時に火傷しちゃうからな」
浜面「粗熱を取った玉ねぎ、牛乳に浸した食パン、そしてひき肉を同じボールに入れる。
そこに卵を割り入れて。
で、ナツメグ、塩胡椒で下味を付ける」
滝壺「ナツメグが入ってるとハンバーグも一味違うよね」
麦野「入れる入れないは本によってまちまちだけどさ」
浜面「本当にいい肉を使うんだったらいらないんだろうけどな。
で、これを一様になるまでこねる、と」
麦野「ハンバーグを作ってる感が一番する時だね。私も嫌いじゃない」
滝壺「手がベタベタになるけどね」
浜面「……なんか滝壺の言い回しを聞いてると料理できそうなんだが」
滝壺「できるよ? でも何故かむぎのが料理させてくれないんだ」
麦野「いや、あのね? 滝壺の料理って人を選ぶからさ。ははは」
浜面「? できるのならやってほしいとこなんだが」
麦野「私がやってるんだからいいだろ? それとも文句あるのか?」
浜面「麦野は料理しても後片付けしないからなぁ。洗い物全部俺なんだぞ?
後片付けまでが料理だからな」
麦野「悪かったわよ。今度から洗い物もちゃんとするから。
ほら、さっさと進めて」
浜面「? いいけどよ。
じゃあ、タネがコネ終わったら休ませておく。
その間にじゃがいもと人参を切るぞ」
麦野「じゃがいもって綺麗に皮向くの最初は難しかったわよね」
浜面「りんごみたいに滑らかじゃないからな。でも慣れだ、慣れ。
じゃがいもは横方向に大きめにスライスしておくぞ。厚さ1センチ弱が目安だな。
人参も同じ程度の厚さに揃えておこう」
滝壺「もう少し小さいほうが食べやすいと思うんだけど」
浜面「実はこのじゃがいもの大きさが分厚いハンバーグ焼くときのコツなんだよな」
麦野「うん? じゃがいもの切り方とハンバーグの焼き方になんの関連性があるのさ」
浜面「見てのお楽しみだな。あ、皮は取っておくぞ。
細く切ってキンピラにしてもいいし味噌汁を作るときの野菜ダシとしても使えるんだ」
麦野「へぇ。私はいつも捨ててたよ」
浜面「農薬が怖いとか言う奴は捨てても構わないと思うけど、野菜で一番栄養が豊富なのは皮の周辺だから。
俺はただ捨てちゃうのはもったいないと思ってる」
浜面「いよいよ焼きに入るぜ。
たっぷりの油を引いたフライパンを強火で煙が出るまで加熱する。
充分温まったら形を整えたタネを入れる。きちんと叩いて空気を出しておくのがコツだぞ」
滝壺「お肉が焼ける匂いって食欲をそそるよね」
麦野「ああ、でもこれだけ油があるとカロリー高そう」
浜面「焦げ付かなけりゃ別に使わなくてもいいぜ? テフロン加工のフライパンとかさ。
焼け目がついたあとフライパンの上で滑らせることができるんならどうだっていいさ」
浜面「両面をしっかりと焼く。型崩れしない程度にな。で、いっかいハンバーグを取り出す、と」
麦野「え? 浜面、それじゃ中まで火が通ってないんじゃないの?」
浜面「ああ、生だろうな。こっからがテクニックってやつだ。
ハンバーグを取り出したフライパンにじゃがいもと人参を敷く。
その上に、ハンバーグを載せる、と」
滝壺「これじゃ火が通らないよ? 遠赤外線ってわけでもないようだし」
麦野「うん。これじゃあハンバーグがフライパンから浮いているだけじゃない」
浜面「こっからだ、こっから。
ここにハンバーグに触れない程度に水を差す。そして蓋を閉める」
滝壺「蒸気で蒸し焼きにするってこと?」
浜面「その通り! 大体6分が目安かな。水がなくなったらもう一度入れておこうな」
麦野「なるほどねぇ。
直接フライパンに接してないからそれ以上焦げたりはしないし、蒸し焼きにする間にじゃがいもにも人参にも火が通るわけだ」
浜面「よくできてるだろ。
で、焼きあがったら一回皿に盛り付けておいてフライパンに残った肉汁に酒、ケチャップ、ウスターソースを入れて煮詰める。
出来上がったソースをハンバーグにかけて完成だ!
乾燥パセリや乾燥バジルを振りかけてもいいぞ」
滝壺「美味しそうだね。すっごいボリューム」
麦野「この肉の厚みのワイルドさを出せなかったんだよなぁ。見た目でガツンとくるっていかにも男の料理だよね」
浜面「盛りつけの皿は温めておいたけど鉄板ほど蓄熱はしないからすぐ食わないと不味くなるぞ。
あとはご飯を盛り付けて、と」
麦野「はいはい。ありがたくいただくわよ」
滝壺「いただきます。
……うん、美味しいね、これ」
麦野「きつめのナツメグがいい感じだね。確かに一味違うわ」
滝壺「肉汁がたっぷりのハンバーグが口の中に入ると脳がすごく満足するよね」
麦野「あー、わかる。電流が走るっていうかさ、一発で気持ちよくなっちゃう。
ダイエットとか忘れちゃうわよね」
滝壺「じゃがいもも人参もハンバーグの肉汁が入った水で茹でられてるからか、ソースとよく合うよ」
麦野「でも、少しは脂を切るものも欲しかったかな。その分ご飯が進んじゃう。
クレソンとかあるといいかもね、色合い的にも」
浜面「そこらあたりは自分で作るときにやってくれよ」
麦野「うん。ごちそうさま。美味しかったわよ?」
滝壺「ごちそうさま。ボリューム的にも大満足だった」
浜面「お粗末さまでした。ネタバレしてみれば大したことじゃなかっただろ?」
麦野「ハンバーグを蒸すって考えつくのがすごいわよ。どうしても焼くっていうのが頭の中にあるもの。
こんなのどんな本にも載ってなかった」
滝壺「うん。まるで蒲焼みたいだよね」
浜面「正直に白状しちまうと、これはテレビで見て覚えた方法なんだよな。だから俺のオリジナルじゃあない」
麦野「でもそれを知っているっていうのはやっぱり強みよ。オリジナルとかそういうのは関係なしに。
浜面の方が私よりも料理に関心があったってことの証左よね。
正直威張ってもいいと思うわよ?」
浜面「それはどうも。でも学園都市の生徒は俺以上に料理できるやつは多いと思うぜ?
一人暮らし、もしくは寮生と二人暮らしでも自炊できないと困る環境のやつばかりだからな」
滝壺「それはそうだよね。きぬはたも言ってたけど、私たちはちょっと特別な環境で生きてきたから。
普通、とはちょっと違うんだよね」
麦野「しょうがないさ。
正直私はまだ『あっち側』から抜けきれてないけどこういうところからでも変わらなきゃなんないんだろうね」
浜面「……俺がどうこう言えることじゃあないだろうけど、絹旗も、黒夜も、フレメアも。
そして麦野も滝壺も幸せになって欲しいと思うし俺はそのための努力をしたいとも思ってる」
麦野「な、なによ。急に真面目な顔して」
浜面「いや。ただのチンピラの戯言だよ。
だからこういうことだったらいつだって相談に乗るぜ?」
麦野「……ありがと。でも人殺しが幸せになれる世界って間違っていると思うわよ」
滝壺「……うん。私もそう思う。むぎのほどじゃないけど私も殺してる。幸せになっていいのかなって疑問に思ってる。
けどはまづらがそう言ってくれるのはすごく嬉しい」
浜面「はは、カッコつけすぎたかな。俺もまっとうな生き方してないしな。
けど、図々しくあがいてもいいと思うぜ?
せっかく暗部なんてものがなくなったんだ。美味いもの食って幸せになれるんならそれでいいんじゃないか?」
麦野「本当、図々しい考えよね。
でも―――いいか。他の誰でもないアンタがそう言うのなら、さ」
滝壺「美味しいものを食べると幸せになる、か。いい言葉だね。
うん、久しぶりに私も何か作ってみようかな」
麦野「……え?」
浜面「へぇぇ。滝壺の料理か、楽しみだな」
滝壺「うん。期待していていいよ。得意のトンカツを作るからね」
麦野「浜面、ちょっと耳貸して」
浜面「なんだよ」
麦野「(前、滝壺が作ったトンカツさ。中が緑色でぶよぶよしてたのよ)」
浜面「へ?」
麦野「(クロレラかなんかで作ったタンパク質かと思ったんだけど違うのよ。
すごく生臭かったのよ。
洗ってないナマのモツみたいだったのよ。絹旗なんて一発でK.O.よ)」
浜面「…………」
麦野「私は不幸にはなりたくないからアンタに任せるわ。じゃ」
浜面「ちょっと麦野さん!? どこ行くおつもり!? お願い、置いてかないでっ!!!」
麦野「ごっめーん、滝壺。ちょっと用事思い出しちゃった。
今日は遅くなるから私の分はいいわ。多分絹旗とかも用事あると思うから。
全員の分、浜面にたっぷり食べさせてあげて幸せにしてあげてね」
おまけ
絹旗「じゃがいもの皮のキンピラはなかなか噛み切れないんで正直お勧めはできません。
ですが、そこが気にならなければ超美味しいです」
黒夜「作り方は次の通りだよ。
①じゃがいもの皮を小さく切る。
②熱したフライパンにゴマ油をひく。
③皮を炒めて火が通ったらオイスターソースと醤油と白ごまを入れる。
材料費はタダみたいなものだから試しに作ってみるといいかもね」
絹旗「次に野菜ダシの取り方です」
黒夜「①野菜くずをネットか何かに入れて置く。あとで取りやすいから。
②沸騰したお湯に日本酒を少し入れて野菜くずを入れたネットを投入。
③五分ぐらい煮込む。
鰹節や煮干みたいに強いダシはでない。すごく薄いダシだけど野菜の栄養は全部取れるよ。
味噌汁を作るときに野菜ダシ入りのお湯を使えばOK。
ただ捨てるのが勿体無いという人はやってみるといいんじゃないかな。
正直、こんなことやるんなら栄養補助剤飲んだほうが早いとは思うけどさ」
絹旗「黒夜、それを言ったら超オシマイです」
129 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/11 07:20:22.67 BdTx183Do 13/13以上です
どうにもこうにも滝壺さんはメシマズの印象があって困る