31 : とある二位の深層心理[] - 2013/09/21 01:35:29.95 jEYr2jdp0 1/8
新約8巻に垣根が登場したので、カブトムシと新約6巻に出てきたカブトムシの思う垣根象との会話
少々ややこいです←私だけかもしれませんが
そこは黒かった
上を見ても、下を見ても、どこを見ても
ただ、黒かった
その名の通りどちらが正しい方向なのかも分からないほどの
真っ暗闇の中に一人
白い少年がいた
髪も手足も服でさえも白い少年がいた
しばらく少年はぼんやりと立っていると
少年の目の前に誰かが現れた
「よぉ」
誰かはそんな軽い調子で少年に声をかけた
一人は真っ白な
もう一人は真っ白ではない少年だった
2人は顔も背丈も服装もすべて同じだった
違うとすれば白いか白くないか、そして目の色
これくらいだった
「久しぶりだな。"俺"」
「えぇ、もう会うことはないと思っていましたよ。"私"」
「言うねぇ。つーかさ、思ったんだけど。
……"俺"の敬語キャラってキツくね?あれだけのことしたのにさ?」
「知りませんよ。私に聞かないでください。」
・・・
「あー、あれか? 元が"俺"だから、あえて敬語でしゃべってんのか?
なんたってお前は"俺"の良い子ちゃんの側面だけを抽出した人格だもんな?」
「私の話聞いてました? それに……何が言いたいのか分かりません。」
「口調、物腰、『誰かのために』が前提の行動……どれも"俺"とは正反対だろ?」
「偶然じゃありませんか?」
「なわけねぇだろ。それに、表の人間が必ずしも敬語で話すわけでもねぇし?」
「初春さんだって敬語ですよ」
「第三位も表の人間だろ」
「白井さんも丁寧な言葉使いです」
「ですのはですの! だろ。だが、髪の長い女はそんなことないじゃねぇか
さらに言えば? 最終信号も金髪のガキも違うよな?」
「打ち止めさんとフレメアさんです! そんな言い方をしないでください…! 『妹達』の方たちだってっ……」
「最近は崩れてきたけどな。ぶっちゃけ『アレ』らを人間として扱うかは微妙なとこだがな」
「っ!! 彼女たちは立派な人です!」
「そう、だよな。あいつらが人間じゃなければ、お前はなんだ? ってなるもんな!
どこからが"垣根帝督"でどこまでが能力だなんて、曖昧ではっきりと区切ることも区別することもできない。『人』というよりも『人に近いもの』と言った方が正しいかもしれない。そう言い切って諦めるか?
それとも、どこぞのヒーロー様にそんなことは関係ないと言ってもらってその場しのぎのその場限りの言葉でもかけてもらうか?」
「………」
「まっ、今言及することでもねぇな。お前が勝手に悩んで決めればいい。受け入れるか、一時の安心感を得るか
……よし、話を戻すか」
「よく、しゃべりますね。本当に」
「それがお前の思う"俺"だろ?」
「………」
「まただんまりかよ。
えぇっと、とりあえず表の人間だからといって敬語で話すわけではない。ここまで話したよな?
つまり、お前っていう良い子ちゃんは"俺"という存在を入れ替わった今でも特別意識し、嫌悪している! だから、正反対であろうとするんだ! どうだ? 図星だろ?」
「……ただの書き分けのためじゃないですか?」
「いきなりメタなこと言うなよ。」
「関係ありません。今は私が"垣根帝督"それでいいじゃないですか」
「それでいいなら"俺"はここにいないはずなんだが?
なんせ"俺"はお前が予想し想像したモノだからな」
「もうこれ以上こんな会話に付き合っていられません。これで失礼します」
そう言い切ると白い少年は目の前の少年から逃げるように消えてしまった
もう二度と来たくないと言いたそうなな顔をして
一人暗闇の中にいる少年は呟く
独り言のように、自分に言い聞かせるように
「いや、お前はまた来るよ。」
ここに来たことを故意に忘れようと、不本意に忘れようと
お前が"垣根帝督"である限り"俺"はずっといる
"俺"はお前の心の深くに、線引きも区切りもなく絡みついているからな
どうしようもなく、切り離せない
お前の心の闇が消えるその日まで
「またな」
また近いうちに会おう
38 : 以下、新鯖からお送りいたします[] - 2013/09/21 01:43:21.49 jEYr2jdp0 8/8
この色のついてる方の垣根は新約6巻でカブトムシに命令を出したカブトムシの想像上の垣根です
もし意見、感想等ありましたら教えてください!