54 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/10/10 17:09:36.29 tvBAiSHP0 1/12
ステファニーと砂皿さんが出たss2読んで、二人の仲良いssないかなって探したら少なすぎて勢いあまって書いてしまった
な、何をいっt(ry
数レスいただきます!
「一つ、思ったんですけど。砂皿さんって天国とか地獄とかって信じてます?」
と、りんごの皮を剥きながら軽い調子で聞いてきたのは、そんな姿でさえ様になるような長身の女性、
モデル体型とでもいうのか、とにかくそれなりに整った顔をした美人だった
名前をステファニーという
そして、その女性が質問を投げかけた相手は病院の清潔なベッドに上半身を起こして
女性が剥いたりんごを咀嚼している
見るからに女性よりもはるかに年上らしい男性だった
この二人は殺し屋、しかも狙撃を好む暗殺者だ
砂皿さん、と呼ばれたその男は一般人でさえ見れば分かるようながっしりとした体型だった
しかし、それは一般人から見た印象である。本人やその筋の人間が見れば明らかに筋力体力ともに十全といえる状態ではなかった
それもそのはずである砂皿は一週間前まで意識不明のまま眠っていたのだから
とある組織に依頼され、仕事をこなそうとしたが失敗し、その組織の敵にミサイルで建物ごと吹っ飛ばされてしまった
といった経緯があるのだが詳しくは割愛しよう
そんなこんなで生死の間を彷徨うといったデンジャラスな体験をしている
むしろ、生きているほうがおかしいのだが
この男以前、師弟のような関係であるこの女性に「私なら、どんな状況であっても爆薬で死ぬ事だけは絶対にありえない」と豪語してみせたことがある
見事な有言実行だ
まぁ、ここまでフィクションのような展開だったがすべてがそうだった訳ではない
目を覚ましたからといってテレビドラマであるような、お涙ちょうだいな展開になったかと言えば大変微妙なとこである
現在は、ステファニーにいろいろと手伝ってもらいながら退院するためのリハビリや検査をして過ごすといった、死体を見ることも硝煙の匂いを嗅ぐことも無い平和や平穏ともいえる穏やかな日を過ごしている
そして、話は冒頭のステファニーの言葉に戻る
「……貴様の口からそんな言葉が出るとはな」
藪から棒になんだと言いたげに砂皿はステファニーの言葉に応える
「いやー。ふと思ったんですよ。私たちって死んだらどうなるのかなーって」
「そんなもの死ななければ分からんだろ」
「まぁ確かにそうなんですけどね!? もうちょっと言い方とかあるじゃないですか!」
「………、」
「なっ! 砂皿さんが面倒臭いって顔してる!! でもでも! 砂皿さんだって気になりません!?」
「……生憎私は熱心な宗教家ではないんでな」
「これだからジャパニーズはっ!! そんなんだから、七五三で金太郎飴なめてお盆にご先祖をきゅうりの馬で迎えてなすの牛で帰すんですよ! しかも、クリスマス祝ったあと除夜の鐘聞いてお年玉もらって初詣いく、なんて宗教のちゃんぽんができちゃうんですよ!」
ステファニーは二個目のりんごを剥きはじめながらわめく
それは絶対に関係ないだとか、余計なものが混じってるとか、一応個室といっても病院内では静かにしろとか砂皿は思った
思ったが、口の中にはりんごが入っており、ついぞ言葉にはならなかった
案の定、近くを看護師が通ったのかステファニーは怒られてしまった
「・・・だから言ったろ、静かに話せと」
「言ってませんからね!? 砂皿さんはそんな親切な台詞一言たりとも!! あれ、なんかこの会話前にもしたことある気がする! 何これデジャヴ!?」
砂皿さんがヒドイなどとぶつぶつ呟きながら、ステファニーは三個目のりんごに手をのばす
そんな恨み言を聞き流しながら砂皿はもそもそとステファニーが剥いたりんごを口に運ぶ
しばらく、室内は沈黙が流れる
先に沈黙を破るったのはステファニー、ではなく砂皿だった
「……………で?」
「はい?」
食べていたりんごを飲み込むとステファニーに尋ねた
ステファニーはりんごの皮をいかに薄く、途切れないように切るかに夢中だったのか聞き返してきた
「……何故そんなことを聞いた?」
「え? いや、特に理由とかは………」
そう言いながらもステファニーの目は泳いでおり、誰が見ても嘘をついているのが分かる
分かりやすすぎるステファニーの態度に砂皿は大きくため息を吐いた
(……本当に、こんなとこにいないで素直に表の世界の中ででも暮らしてりゃいいのに)
そんなことを思いながらも、別の言葉を吐き出す
「・・・貴様、学園都市を襲撃したらしいな」
「なんで、それをっ!?」
「私が知らないとでも思ったか。相変わらず間抜けだな」
「あう……」
「復讐なんて金にもならないことをするな。火薬と弾の無駄遣いだ」
淡々と言う砂皿に対して、ステファニーはどんどん肩を落とし俯いていく
手にはきれいに剥けたりんごとその皮があった
「すみません。……砂皿さんが望んでないこととか、必要性とかなかったのは確かですけど。
私眠ってる砂皿さん見て頭が働かなかったっていうか、ぶっ飛ばさないと気がおかしくなっちゃいそうだったんです。
砂皿さんがし、死んじゃうじゃないかって」
「……」
「死ぬわけないって、グスッ。砂皿さんなら大丈夫とか思ったけど……」
途中から鼻をすする音がしだした
が、顔は下を向いたままで砂皿からはどんな顔をしているかは見えなかった
「馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、ここまでとは」
「バカバカ言い過ぎですよ!?」
顔を上げたステファニーは予想通り、目元に涙をためていて、今にも零れ落ちそうだった
砂皿の目が覚めた時でも泣かず、抱きついてきただけのくせに
砂皿の身の回りの世話をする時だって、ずっと笑ってうるさいぐらい喋っていたくせに
(私が眠っていた間は泣いていたのか)
砂皿が考え込んでいる間に、ステファニーは泣きかけからガン泣きになっていた
「そりゃあ、砂皿さんにとったら私は勝手について来てるウザイ奴とか思ってるかもしれませんけどー!!」
これには、砂皿は呆れるしかなかった
昔から馬鹿な子ほど可愛いというが、ここまでくると少し腹も立つ
誰が報酬も出ない狙撃をしたというのか
バカ
この愛弟子は分かっていないようだった
仕方ない、それがコイツだ
「くくっ……」
「ふぇ?」
気付けば砂皿は笑っていた
りんごとその皮を握ったままガチ泣きするステファニーが可笑しくて、愛しかった
何故笑われているのかは分からないが、馬鹿にされているのはわかったらしく
ステファニーは頬を膨らませてむくれてしまった
それを見てさらに笑ったのは言うまでもない
気付けば二人して笑っていた
看護師さんが様子を見に来るまで、笑いは止まらなかった
それから、ステファニーの持っているりんごをどうするかの話になった
りんごは変色し、握っていたせいでぬるくなってしまったが
「責任持って私が食べます!」と言うステファニーの頭を押さえながら砂皿が丸ごと食べてしまった
「……そういえば、」
りんごを食べ終わり、手を拭く砂皿がぼそりと呟いた
「?」
「さっきの質問だが、……もし、天国やら地獄やらがあったとしても私たちはどうせ同じ所に行くんじゃないか?」
お互い数え切れないほどの人を殺した
行き先など地獄に決まっている
「でも、一緒に行くとは限りませんよね?」
「……日本には、死んだら三途の川とやらを渡らないとどちらにも行けないんだ」
よく分かっていない顔をするステファニーに珍しく砂皿が語気を強めて言う
「だからっ! ………どうせ、先に死ぬとしたら半端者の未熟者である貴様なんだから、そこで川を渡らずに待っていればいいだろう
気がむけば迎えに行ってやる」
「……年齢的には砂皿さんのほうが早そうですけどね」
「……、ふん」
「鼻で笑ったー!? つい最近死に掛けたくせにー!!」
「貴様のようにどこでもかしこでもミサイルやらぶっ放して仕事を失敗することはないがな。そんなんだから学園都市でも失敗するんだ」
「砂皿さんが辛辣すぎるっ!! そんな過去のこと蒸し返さなくてもいいじゃないですかっ!!! しかも、学園都市のことは関係ないじゃないですか! なんですか!? 年齢のこと言われてスネてるんですか!?」
「……私は寝る。貴様もさっさと帰れ」
「あー!! 絶対図星ですね! スネてるんだー! ねーねー砂皿さんってばー!」
不貞寝よろしく布団をかぶる砂皿をステファニーはゆさゆさと揺らすが、砂皿は無視を決め込んだのか何の反応もしない
「……砂皿さーん」
「…………」
「絶対来てくださいね。待ってるんで。それで、ちゃんと砂皿さんも待っててくださいよ?」
「……あぁ」
「えへへー」
小さいが確かに砂皿は答えてくれた
それが嬉しすぎてステファニーは締まりのない顔で笑った
───面会時間終了まであと少し
65 : 以上です![sage] - 2013/10/10 17:22:45.92 tvBAiSHP0 11/12
あれ? あま、甘くない……?
おかしいなー
もっといいもの書けるようになりたいです
読んでくださりありがとうございます!
それでは!
66 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/10/10 17:29:27.92 tvBAiSHP0 12/12
ちなみに、書きたかったのは、砂皿さんがステファニーがむいたりんごを食べるってとこです☆