299 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga] - 2017/06/12 22:59:59.83 AIgYlLjj0 1/22少し借ります
おっぱいにはロマンがつまってますよね。そう思うんです。
滝壺「ぷちぷちぷちぷち……」
浜面「……」
滝壺「ぷちぷちぷちぷち……」
浜面「あの、滝壺サン?」
滝壺「? どうしたの、はまづら」
浜面「さっきから何してるの?」
滝壺「うん。梱包のぷちぷちを潰してる」
浜面「いや、そういう意味じゃなくって」
滝壺「???
何か面白い回答とか哲学的な返答を期待しているのかな?」
浜面「そーでなくてですねぇ」
滝壺「うん。はまづらは何が言いたいのかな?」
浜面(いや、ふたりきりでしょ。仮にも俺たち付き合ってるんでしょ? だったらもう少しらぶなオーラであふんあふんになってもいいんじゃないかな?」
滝壺「心の声がダダ漏れのひとは応援できないよ。あふんあふんって、いやだなぁ、はまづら」
浜面「は、思わず心の声が。っていうか、あのね! 表現方法はともかくとして! 俺の言いたいことわかるよね!」
滝壺「……南南西から電波が来ている……」
浜面「聞かないフリしないでくれません!?」
滝壺「うーん。はまづらだって健康な男の子なんだからそういうことを考えるなっていうのは無理だな、っていうのはなんとなくわかる。けど、えっちなのはまだ怖いかな」
浜面「い、いや、えっちなこととか、興味ないとは言いませんが! その前に、なんかあるでしょ、あまーい雰囲気とか」
滝壺「あ、そういえばおやつに食べたパフェ、胸元に落としちゃったんだよね。吹いたんだけど、もしかして匂ってるのかな。バニラの甘い匂い。はまづら、嗅いでみて?」
浜面「た・き・つ・ぼー!!! からかってるだろ! 俺のことからかってるだろ! 胸元突き出して、眠そうな目をしてるけど、俺のことからかってるだろ、絶対!!!」
滝壺「ノリの悪いはまづらは応援できない」
浜面「やったらやったでものすごく冷たい視線で応援されないような気がするのは俺が頭が悪いせいですかね」
滝壺「大丈夫、頭が悪いはまづらのことを、うん、ぎりぎり2グラムぐらいは応援している」
浜面「どう考えても見限る寸前の数字じゃねぇかそれ」
滝壺「ここでくんくんしたりおっぱい触ってきたりしたらそれなりに見直したんだけどね。悪い方向で。でもやっぱりはまづらは小心者だったね」
浜面「ちくしょう。俺には恋人にすらも癒してもらえないのか」
滝壺「よしよし、頭をなでてあげよう」
浜面「ちくしょう、なでなででとりあえず怒りが収まってしまう俺の小物ぶりが恨めしい。それにこうじゃない。俺が求めているものはこれじゃないんだ」
滝壺「わがままだなぁ。じゃあ、どういうのがいいの、はまづら」
浜面「うまく言えないけどね! あまずっぱくってきゅーんとなるような、そういう雰囲気がいいんだよ!」
滝壺「もう少し自分を知ろうね、はまづら」
浜面「なんでそんなに俺の心をバキバキにしたがるの!?」
滝壺「……まだ夕方だよ?」
浜面「!?
み、耳元で……近づいてるからなんかいい匂いするし!」
滝壺「言葉にするはまづらは応援できないな……」
浜面「そ、それに照れてて赤くなっててめっちゃ可愛いじゃねーの! それだよ、滝壺! おれはそれをもとめてー!!! ふがっ!」
滝壺「恥ずかしいから大声出さないで、はまづら」
浜面「み、見事なショートアッパー。確実に脳が縦に揺れたぜ……」
滝壺「……普通に意識があって喋れてる……すごいね、はまづら。首と顎の筋肉がよっぽど鍛えてあって、そのうえで筋肉が柔らかくないと耐えられないのに」
浜面「仮にも恋人にそんな一撃を普通に放たないでほしいデス」
滝壺「だって、はまづらが恥ずかしいこと言うから……」
浜面「普通だったら意識が保てないレベルのアッパーを放つのはテレのレベルに入るんですかね」
滝壺「むぅ。あんまり細かいことにこだわるはまづらは応援できない」
浜面「いや、かわいいんですけどね! かわいいからって痛いものは痛いんですけどね!」
滝壺「はまづら、しつこい」
浜面「ちくしょう、俺の無敵時間はなんでこうも短いんだ」
滝壺「ほら、いたいいたいのとんでけー」
浜面「えぐえぐ。いろんなところが痛いわ。顎とか心とか」
滝壺「本当にだめだめだね、はまづら。おっぱいでも揉まないと立ち直れない?」
浜面「……なんですと?」
滝壺「おっぱいでも揉まないと立ち直れない?」
浜面「二度も言った! ってことは、お、おおおおおっぱいを!?」
滝壺「うん。私がはまづらのおっぱいを揉んであげる」
浜面「うれしくねーよ、ちくしょー!!!」
滝壺「おお、浜面の胸板、すごい。分厚い。筋肉厚い」
浜面「本当に触りやがった……。っていうか、男の胸を触って楽しいのか?」
滝壺「うん。すっごい楽しい。ぷちぷちよりも当社比12%アップで楽しい」
浜面「その数字はどこから出てきたんだよ」
滝壺「天頂方向から電波のようなものが……」
浜面「方位でなくって、天頂で、電波じゃなくって、「ようなもの」?」
滝壺「おお、いい。はまづらのおっぱいいい」
浜面「マジで誰も喜ばない展開だろ、これ」
滝壺「わたしはすっごい喜んでるよ? いいなぁ。逞しくって。はまづらって本当に引き締まった身体してる。かっこいい」
浜面「顔は?」
滝壺「……まぁ、愛嬌はある、かな?」
浜面「イケメンじゃないってことですねわかりますよ」
滝壺「大丈夫。イケメンじゃないはまづらのことを……応援はしたくないかな。イケメンになられても、困っちゃうかも」
浜面「なんだよ、それは」
滝壺「はまづらは、三枚目でいいと思うし、主役張らなくていいの。薄っぺらいラベルで人間の価値をどうこういう人に絶対わからない魅力があるのをわたしが知ってるから、それでいいと思うんだ」
浜面「流石滝壺、いいセリフだ。俺の胸をぺたぺた触ってなければ涙が溢れて止まらなかったこと請け合いだぜ」
滝壺「むぅ。わたしのはまづらが皮肉を言うとは」
浜面「スキンシップはうれしいんだが、そろそろ危ない方向に進みそうなんで遠慮してくれると嬉しいんだが」
滝壺「変な方向?」
浜面「えっと、な。この距離で触られてると自然と滝壺の胸元が見えちゃうわけでして。その、大層なものがふるふると揺れているさまが」
滝壺「……はまづらの、えっち」
浜面「いや、だからテレ隠しでアッパー放つのマジでやめてくれる!? なんなの、このヘビー級ボクサーでも落とせそうなアッパー!?」
滝壺「この距離で意識を刈り取れる技ってかぎられてるよね? ちなみにきぬはたもこれで落としたことあるよわたし」
浜面「えぐえぐ。ロシア行く飛行機の中では全力でキスしてくれたのに、今じゃ全力アッパーかよ刈り取ること前提かよ。窒素装甲貫通するアッパーって、設定おかしくねぇのかよ」
滝壺「キス、いやなわけじゃないよ? ただ、セクハラするはまづらとはしたくないの」
浜面「現在進行形でセクハラされているのは俺なんですが」
滝壺「あまずっぱいきゅんきゅんとするすきんしっぷ、だよ?」
浜面「スキンシップ以外のところには思いっきり賛同しかねるんですけど。じゃあ、俺も滝壺のこと触っていいの?」
滝壺「ダメ」
浜面「即答かよ。えぐえぐ」
滝壺「だってはまづらえっちなことしそうなんだもん。そうなったら保証できないよ、はまづらの命」
浜面「撲殺宣言いただきましたー。って、俺の命なくなっちゃうの!?」
滝壺「うーん。将来的にそういうのはあるかなー、っていうのはなんとなくわかってる。けど一分後のわたしがそうなるかもって思うと、嫌。あんまり焦らないでほしい」
浜面「滝壺は現在進行形で俺の胸元まさぐってますが。っていうか、腹にまで手が伸びてますが」
滝壺「だって、楽しいんだもん。腹筋われてるし。男の子だなー」
浜面「俺が楽しくない」
滝壺「男の子なんだからあんまり細かいことを言わないでほしい」
浜面「セクハラだと思います、それ」
滝壺「セクシャリティというよりはジェンダーの話だから、セクハラじゃ、ないよ? それに、そろそろあふんあふんな気持ちになった?」
浜面「あふんあふん言い始めたら俺は完全に変態の仲間入りじゃないか」
滝壺「大丈夫。もう引き返せないはまづらのことを応援している」
浜面「いやいやいや。もう、本当に勘弁して」
滝壺「でも、本当に引き締まったいい身体してるよね。わたしが男の子だったら恋に落ちてるね。そしたらはまづらあふんあふんだね」
浜面「LGBTがどうだのこうだの差別的な意味は全くないけど、俺にその手の趣味はない。っていうか、どうせなら女の子のままで俺に恋してくれない?」
滝壺「?
恋してるよ? 女の子のままで。じゃなかったらキスなんてしてない」
浜面(素か!? それともからかってるのか!? 眠そうな目をしてるから本気かどうか読めない……)
滝壺「うーん。はまづらにはちょっとわからない感覚かもしれないけど。やっぱりね、女の子は男の子とえっちなことすると身体が変わるかもしれないんだよ。具体的に言うと、赤ちゃんができちゃうかもしれない。それって誤解を恐れずに言うと自分の身体の中に自分じゃない生き物を飼うってこと。すっごく大切なことっていうのはわかるし、いつかは母親になりたいとも思ってるけど」
浜面「あー、うん。俺だってそんなに無責任なつもりはないんだけど」
滝壺「そうじゃなくってね。感覚的な問題。自分の中に自分じゃない存在を抱えていくって、すごいことなんだって思うけど。わたしにはまだその勇気はない。っていうか、怖い」
浜面「……」
滝壺「動物じゃないからね、必ず赤ちゃんを作らなきゃいけないわけじゃないし、ただの、愛情表現だって割り切れればいいのかもしれない。それが普通なんだっていうのも、頭ではわかってる。でもね、やっぱり……怖いな」
浜面「別に、滝壺のこと怖がらせてまでそういうことはしてくねーよ。俺だって、その程度のプライドはある」
滝壺「うん。はまづらのそういうところ、応援している」
浜面「……でもな、滝壺。そういう真面目なセリフを言いながら俺の胸揉みまくらないでくれない?」
滝壺「え、だってはまづらは妊娠しないし」
浜面「なんか論点が根本的にずれてないか!?」
滝壺「よいではないかよいではないか」
浜面「キャラもズレてきてるぞ」
滝壺「いいなー。こういう筋肉が脈打ってるところとか。骨格がしっかりしてるところとか」
浜面「……そうだ。なんか作ろう」
滝壺「? どうしたの、はまづら。いきなり」
浜面「このままだとエンドレスで滝壺にセクハラされまくりで終わっちまうからな」
滝壺「むぅ。いちゃいちゃしたいって言ってたじゃない」
浜面「これはいちゃいちゃではない! 世界いちゃいちゃ評議会名誉議長の俺が断言する!」
滝壺「おお、なんか知らない組織が出てきた」
浜面「……今でっち上げたんだからあんまり突っ込まないでくれ」
滝壺「でっち上げで権威づけしようなんて、応援できないよ。はまづら」
浜面「文句言う前に俺にもおっぱいをもま……。ごめん、悪かったからその目やめて俺の心が折れる」
滝壺「……握りつぶすよ?」
浜面「それ、ひゅんっ!だから! きゅん、じゃないから!」
滝壺「で、何を作るつもりなの。はまづら。料理でしょ。お手伝いしようか?」
浜面「……いや、大丈夫だよ。(滝壺のメシマズが改善されているなんていう幻想は捨てよう。俺はまだ死にたくない。滝壺のおっぱいを揉むまでは!」
滝壺「はまづら。声に出てる」
浜面「は。しまった!」
滝壺「聞かなかったことにしてあげるから、早く料理しよう? わたしが握りつぶす前に」
浜面「ら、らじゃーりょうかい!」
浜面「で、いろいろ考えたんだが。とりあえず、冷蔵庫というファームと相談した結果。メインは豚小間選手とキャベツ選手。わき役としてニンジン選手とピーマン選手を起用することとなりました」
滝壺「へぇ。野菜炒めかな?」
浜面「惜しい。回鍋肉だよ、ホイコーロー」
滝壺「回鍋肉? 中華料理の?」
浜面「そうそう。キャベツと豚肉がメインで、甜面醤で甘旨くまとめた一皿だ」
滝壺「うん。おおよそのイメージはわかる。けどあれだよね。確か、回鍋肉ってアレをやんなきゃいけないんだよね」
浜面「そうそう。アレアレ」
滝壺「お通し?」
浜面「居酒屋で座ると勝手に出てくる小碗のことじゃなくって! 油通しです。中華では基本中の基本ってやつだな」
滝壺「あ、そうそうそれそれ。確か具材に上から熱した油をかけて一瞬で火を通すんだよね」
浜面「ああ。特にキャベツやピーマンなんかの、緑色を奇麗に出したい野菜には欠かせない中華の技法だな」
滝壺「ご家庭でそんなことできるの? 油通しするだけで大変そうなんだけど」
浜面「まぁ、やらなくても別に構わないけどな。俺の料理は家庭料理だし一流じゃないし。でもそんなに手間暇かからず簡単に油通しする方法があるんだよなー」
滝壺「おお、すごい自信だ」
浜面「例のごとく本で読んだりテレビで見たりした知識だけどなー。俺の料理はこれでいいのよ」
浜面「さて、材料はこんなところかな。
①キャベツ 8枚(外側から剥いていって8枚程度)
②豚肉 バラ100g~150g
肉が多いほうがおかずになる。
③人参 中半分
④ピーマン 中3~4個
⑤みそ 小さじ1
⑥甜面醤 大さじ1
⑦酒 少々
⑧中華だし 大さじ1
例のごとく〇覇
⑨油 炒める油 小さじ1
ゆでる油 大さじ1
⑩お湯 小鍋半分
⑪ショウガ 少々 」
滝壺「?
なに、この『ゆでる油』って」
浜面「いきなりネタバレをするけどさ、これが重要なのよ。ご家庭用の油通しの方法なんだ」
浜面「じゃあ、まずは材料を切りそろえるところから。
キャベツは外側から8枚程度を剥いて、で中央の葉脈の太い部分を取り除いて。
真っ平にしてから3センチ角程度に切り分ける。
豚肉はキャベツとおんなじぐらいのサイズかなー。
キャベツより縮みにくいんで少し小さくてもいいかも。
人参は縦に切って、で短冊形に。
ピーマンも縦に切って中の種を取り除いてから短冊形に。
で、調味料の⑤~⑧をボールに入れてかき混ぜておく。
中華出しが溶けにくいときは少しお湯を入れて溶かしておく」
滝壺「……なんか、いつものはまづらの料理と手順が違うね」
浜面「おお、そこに気づくとはさすが俺の滝壺。実はだなー、これも回鍋肉を作るときの重要なポイントなんだよ。回鍋肉はだな、とにかくフライパンの上で火を通したくないんだ。そこが重要な決め手なんだ」
滝壺「なんのことだかさっぱりわからないよ」
浜面「見てりゃわかるよ。さて、と。では小さな鍋の半分に水を張ってお湯にして、でグラグラと煮たせてあります」
滝壺「スープつくるわけじゃないんだよね? 回鍋肉ってお湯使ったっけ?」
浜面「こういう風に使うんです。で、この煮立ったお湯に油をぐるっとひと回し」
滝壺「え? え?」
浜面「そうしたら、そこに野菜を投入し、10秒程度ですぐに引き上げる。すると……」
滝壺「ええっ! すっごく奇麗な色になってる!」
浜面「これが、ご家庭流の油通しってわけさ」
滝壺「へ、へえ。なんかすごいね」
浜面「まぁ、実際のところ、お店でやる油通しは170度ぐらいの温度、こっちはせいぜい100度前後だから一瞬ってわけにもいかないし、精々物まねレベルなんだけど、これで十分ってわけ。油の量も少なくて済むし、野菜が一気に油を吸って、お湯に浮かんでる油の量も減っただろ?」
滝壺「あ、ほんとだ」
浜面「で、ここでよく野菜の水を切っておいて。その間に同様に豚肉を一瞬で茹でる。本当の本場の回鍋肉は豚肉を茹でた塊を使うらしいんだけど、ま、これでいい」
浜面「この作業を一気にやりたかったから、先に野菜を切っておいたわけさ。いつもの俺の料理だったら火を使いながらほかの準備してたりするけど。回鍋肉だけはそうはいかないんだ」
滝壺「うん? でも油通しを一気にやる必要ってあるの?」
浜面「それはだな。やっぱり油通ししても野菜の色が劣化していっちゃうんだよ。火を通しすぎてもそうなる。だから、フライパンでまとめる時も精々1分以内に終わらせたいんだ」
滝壺「へー。なるほどねぇ。野菜の色にこだわってるんだ」
浜面「よし、じゃあフライパンを使うぞ。まずは油を少々、でショウガを入れて。で、じりじり炒めて香りを出して、香りが出たら一気に火力をあげて……」
滝壺「わぁ、フライパンからゆらゆら何か上ってきてる」
浜面「これぐらいに熱くなったら、野菜、肉、そして調味料を一気に入れて。で、できるだけサクッとまとめる」
滝壺「あ、そうか。ここで時間を短縮したいから調味料を纏めておいたんだね。すごいねはまづら。すっごく応援したくなる」
浜面「わはははは、もっと褒めてくれ滝壺」
滝壺「すぐ調子に乗るところが小物だよねー。そういうはまづらはあんまり応援したくない」
浜面「がくっ。今日の滝壺はヤケに折りに来るな」
滝壺「まだ揉み足りないからね。はまづらのおっぱい。食べ終わったら続きをしないといけないよね」
浜面「え、まだやるの? っていうか、まだ引っ張るの? 誰が得するのこの話」
滝壺「いいから、ほら。早く盛り付けないとせっかく頑張った油通しとか無駄になるよ?」
浜面「おっといけね……白い皿にぱっと盛り付けてっと。色合い的にはちょっと赤めのものが欲しいかな。ま、人参あるからいいか」
浜面「そして肝心かなめの白いご飯を添えてっと。回鍋肉、完成しました!」
滝壺「おおー、ぱちぱち。色合い奇麗だねー。キャベツがみずみずしいぐらいに緑色で、人参もピーマンも奇麗で。意外と甜面醤の黒が合ってるよね」
浜面「そこにこだわったからな。ま、見てないで食ってみてくれ」
滝壺「では、いただきます……あ、結構野菜がシャキシャキ……でもない、しんなりでもない。なんだろう、歯ごたえはちゃんとあるのに、火が通ってる感じ?」
浜面「そうそう、そこなんだよそこ。火を通しすぎるとこの食感がなくなるんだ」
滝壺「へーえ、確かにこれは野菜炒めだとあまりない食感かもしれない。ちょっと濃いめの味付けとよく合ってる」
浜面「野菜の水分が抜けてないから濃い目の味付けがいいんだよ。ここが重要でな、回鍋肉は皿の下にスープがたまってると失敗作なんだよな。それはそれでうまいんだけど」
滝壺「そうなんだ」
浜面「うん。火を通しすぎて水分出ると野菜のスープになっちまうんだ。これが油通しの意味合いだよな」
浜面「ちなみにだが、ご家庭で油通しをする方法はもう1種類あって。耐熱ボールに野菜入れて上から油かけてレンジでチン、というんだけど、俺的にはこっちのほうが好みだな。興味がある人は調べてみてほしい」
滝壺「とうとうはまづらも私と同じように電波を受信する体質に」
浜面「いや、そこはスルーしろよ。で、どうだった、味は」
滝壺「うん。美味しかったよはまづら。白いご飯がバクバクすすんじゃうよ。女の子の敵だね、この料理は」
浜面「おいおい、いきなり人類の半分の敵に認定されたぞ俺」
滝壺「褒めてるんだよ。でも、野菜がいっぱい食べられるよね。健康的かもしれない」
浜面「サラダはサラダでいいんだが、野菜の量を取るには火を通さないとな。ま、あとは豚肉を茹でて油を落としているし。一回野菜の油通ししているから炒める際の油の量も減らしているし。油があるからカロリー低いとは言わないけど、そんなに高くもないんだぜ?」
滝壺「おお、じゃあ油さえカットできれば」
浜面「いや、それは無理。さすがに油なしじゃ野菜のうまみは引き出せねぇ」
滝壺「がくっ。今日、初めてはまづらにへこまされた」
浜面「やっと一本とれたのか? あんまりそんな気はしないが」
滝壺「うん、これはいけない。わたしがなんとかこの回鍋肉を改善してみようと思う」
浜面「……え?」
滝壺「油の代わりに、そうだなぁ。牛乳を使ってみるのはどうかな?」
浜面「え?」
滝壺「牛乳もカロリーあるけど油よりは少ないし、十分旨みのある食材だし」
浜面「え、でも牛乳に甜面醤の黒が混ざると色合い最悪……」
滝壺「なんか、言った?」
浜面(わ、分かった……滝壺は料理の基本は抑えている。抑えているうえでその斜めを行くんだ。アレンジしなくていいところでアレンジするアレンジャーなんだ。だ・か・ら・メシマズ!!!」
滝壺「……てんどんも、2回までだよ?」
浜面「お、思わず口から!」
滝壺「これは許せないねお仕置きだね。とりあえず母乳が出るまでおっぱい揉ませてもらおう」
浜面「でねぇよ! そもそも母乳ってなんだ! 男が母親になるのはなんかちがーう!!!」
320 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga] - 2017/06/12 23:14:51.54 AIgYlLjj0 22/22以上です。
滝壺さんをメインに書くのは難しいです。よくわからない。
別作品のキャラになっちゃいますが、ダンガンロンパ2の七海千秋にキャラが引っ張られるます。
どっちもぼんやりしているし隠れ巨乳だし隠れ巨乳だし。
巨乳万歳。